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ドミニカ移住 #15 : ガス欠の車、10人以上乗ったぎゅうぎゅうの車内 Rio de Baní


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 バニに到着して間もないのに、私をテーブルに座らせたロセルビー(ジョニーのいとこ)はすぐに朝食用の食事を出してくれた。ひとつのお皿におかずやお米、お肉を盛り付けるこのスタイルは、ドミニカの家庭料理の定番だ。水と油と塩で炊かれたお米は日本人の口には少し奇妙な味だが、しばらくこの国で暮らしていると不思議なものでだんだんと美味しく感じてくる。暑くて食欲が出ない気候を考えれば、無味な白米よりも合理的なのかもしれないと思うようになっていた。

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 ジョニーは親族一同となにやら話し込んでいる。近づいてどうしたのかと尋ねると、「アスカ!川に行くぞ!!」と取り囲まれた。水着も持っていない私をわき目に、みんなは既にノリノリな様子だ。私は驚く間もなくロセルビーの水着を試着させられ、「これを貸してあげるから!はい、OK!」。

ジョニーのいとこやその親たちは、昼食は川で作ろうだの、どの食器を持っていくだの、誰の家からお米を持ってくるんだだの、慌ただしく会話していて、信じられないスピードで物事が進んでいく。気がつけば、私たちはジョニーの家の敷地内に停められてあった車に、すし詰め状態で乗り込んでいた。

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大きなヒビが入っている
ジョニー家の車のフロントガラス


 ぎゅうぎゅう詰めの車で川へ向かう。道中でいくつかの商店によって、ラムや食材を買い足す。お酒好きのこの国で、何かあるときにこのラム酒とビールは外せないらしい。ガタついた道を走っていると、突然車体が止まる。まさかとは思ったが、なんとこんな道中でガス欠したようだ。男性陣が車から降り、大きく重たそうな車体のおしりを後ろから押してなんとか車を前へ進める。なんかこの光景、ケニアでも見たな…。

ガソリンスタンドでガソリンを補給してなんとか川までたどり着き、さっそく食事を炊いたり各々川遊びを楽しんだり気ままに過ごした。私も、ジョニーの甥っ子であるジョルキや、ジョニーのいとこの小さな子供たちと遊びつくした。


私はまだ少し人見知りをしてしまっていたが、彼らが何のためらいもなく私を受け入れてくれたおかげで、またバニに来て彼らの家族のことをもっと知りたい、バニにもっと滞在したいと思うようになった。

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