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一気見のススメ#1 「ダメージ」 謎が明らかになるにつれ、謎が深まる

インプットのための一気見(binge watching)のススメ #1
「ダメージ」~謎が明らかになるにつれ、謎が深まる

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記念すべき第1回は、こちら。グレン・クローズ(とローズ・バーンのダブル)主演なサスペンスドラマ、「ダメージ」(原題:Damages)をチョイスしてみました(上記画像は、「スーパー!ドラマTV」の同作紹介ページより引用しています)。

普段よく勧めているのは(全シリーズ通して案程度抜群の)「ブレイキング・バッド」(原題:Breaking Bad)だし、ゲーム業界を意識すると(特殊な世界観を無理なく伝えるのがうまかった)「ゲーム・オブ・スローンズ」(原題:Game of Thrones)も当然アリなわけですが、どちらもアリすぎて、初っぱなに持ってくるのはちょっと恥ずかしく。なんかスミマセン。(続けていたら)いずれちゃんと紹介します。

ともあれ、「ダメージ」をザッと紹介しましょう。エミー賞やゴールデングローブ賞の受賞歴もある人気シリーズで、米国で2007年7月に始まり、途中で局が変わりつつもシーズン5まで作られました。
※「Hulu」で配信中。以前はレンタルビデオ屋でもよく見かけました

カリスマ弁護士パティの陰謀と、新米弁護士エレンが抱く疑念。そして世界的企業を相手取る巨額の賠償請求。 様々な思惑が絡み合い、現在と過去が交錯する。
衝撃の真実に目が離せない、グレン・クローズ主演のフラッシュバック・サスペンス。
「 スーパー!ドラマTV」の作品概要より)

■オススメポイント

とにかく、「構成」がすごい。
ドラマ冒頭、視聴者が目にするのは「下着姿で血まみれ女性」。どうやら彼女(エレン)の婚約者に何かがあったらしい。しかし何が起こったのか説明されることなく、場面は半年前に飛び、そこからは、ロースクールを卒業したばかりのエレンのいわばサクセスストーリーが展開していく。

もちろん、「事件」を最初に見せて、過去に戻ってちょっとずつ「明らかにしていく」という手法は、ミステリ小説、映画、……まぁいろんなメディアでよく使われていますよね。ゲームだと「ペルソナ5」が記憶に新しいところ。
「ダメージ」は、これを、かなりの高いレベルで実現しています。

1シーズン13話構成で、当然すべてが明らかになるのは13話目なわけですが、ほぼ毎話のように、驚きの何かが明かされる。
……しかも、「ほぼ毎話のように驚きの何かが明かされる」のに、シーズン終盤に向けて「全体の謎はむしろ深まっていく」感が、すごいんですよ。

「LOST」や「ツイン・ピークス」みたいな、展開を「足していく」作り方なら、謎が深まっていく感を演出するのはそこまで難しくないでしょう。でも本作は、きっちり決まった結末に向けて、計算ずくでこれをやっているので、すごいなぁと。竹本健治さんの小説みたい。

「過去」の物語内で時間が進んで、冒頭のシーンまであと○日……ってところまで来て、まだ冒頭がなぜあんなことになっているのか、さっぱりわかんないですからね。ついつい、先へ先へと見てしまいます。
とまぁ、全体の真相と小出しにする小さな事実、これを緻密に組み立てて作られている点に、うならされました。

あと、本稿の趣旨からはずれますが、主演女優賞をエミー、ゴールデングローブ両賞でとったグレン・クローズはもちろん、その他主要キャスト陣も軒並み演技力はんぱねーと思ったことも最後に触れておきます。

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原題:DAMAGES
データ:シーズン1・2007年/アメリカ/吹替/60分/シーズン1・全13話/HD作品
製作総指揮:トッド・A・ケスラー、グレン・ケスラー、ダニエル・ゼルマン
出演:グレン・クローズ、ローズ・バーン、テッド・ダンソン、テイト・ドノヴァン、ジェリコ・イヴァネク、ノア・ビーン、アナスタシア・グリフィス

次回は、比較的新しい、“タイムリープもの“をオススメします

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