私たちはいつから太陽のぬくもりを忘れたのだろうか(短編小説)
『世の中、なんだかおかしいな』
マキ、25歳の大学卒の女性。
一般企業で勤める。ごく普通のOLだ。
ここまで、確かに多くの友人と楽しみながら歩いてきたつもりなのに、大人として社会に溶け込み始めると、年功序列がよりましている気がした。
今日だって、定時で帰れると思っていたのに…
『マキ、明日からそういえば休みだったよな?だったらこの資料、今日中にまとめといて~』
と上司が帰る行く手を止めてくる。
『用事があるので、すみません』
と言いたいところだが、会社内の雰囲気がそうはさせてくれなかった。
21時頃、みんなが帰ったあと1人黙々とキーボードをたたく私。
『ようやく、終わったよ』
そうつぶやき、書いた資料をまとめて上司の机において、その後、帰宅した。
休みの日の朝、太陽の暖かなぬくもりと光のまぶしさで目が覚めた。
天気が良かったので、朝食を済ませて、散歩に出かける。
そして、河川敷の芝生でおもいっきり大の字になって寝る。
その時の芝生の柔らかさと私を包み込む太陽がたまらなく好きなんだ。
『私もいつか太陽のように包み込んでくれるひとと一緒になりたいな』
とそんなことを頭に思いながら、その後、私はこう言った。
『私たちはいつから太陽のぬくもりを忘れたのだろうか』
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