「ギュスターブの独白」
「…つまるところ最悪なのは「最悪」だということすら言えないということだ。そうは思わないか?アルフレッド。今日も雲が空をふさいでいる。太陽の光は一筋だって地上に届きやしない。人々は空には何も期待していないからもう何年も首をあげていない。彼らはみんな猫のように背中を丸くして、なめくじみたいに地を這ってなんとか生きている。なあ、僕はこの暗い部屋からどんな手紙を書けばいいのだろう?誰に宛てて、何を書けばいいのか?言葉は紡ぎだした瞬間からからからに乾いて粉になり、吹き飛ばされて消えてい