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2012年の日記

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2012年の日記などをまとめたものです
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#小説

2012年12月26日「沼」

 僕は彼女と結婚したいと思って、プロポーズをした。彼女は「君はまだ12歳でしょう、だから返…

母音
5年前
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2012年12月13日「虫詰め飴玉」

 「虫詰め飴玉」というものが少年たちの間で流行する。近所の路地の奥の、じめじめとした駄菓…

母音
5年前
1

2012年11月23日「対話」

「どうしてあの子を殺したの?」 「あの子は確かに虐げられていた。朝から晩までこきつかわれ…

母音
5年前
3

2012年10月14日「運河」

「君は約束をしたはずだ。蟻にちゃんと給料を払うと」 「うん、した。」 「そして蟻たちは君…

母音
5年前
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2012年9月21日「対話」

「僕たちは、あまりにもまともじゃない現実の中で生き過ぎていたんだ。」 「それってつまり、…

母音
5年前
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2012年8月23日「雑記」

 頭の中の物語を実際に紙に書き写してみる。すると、その物語がどうしようもなく陳腐なもので…

母音
5年前
3

2012年7月16日の「ある対話」

「誰に何を言っても僕の本当の気持ちは伝わらない。そんな気がしてくるよ。」 「伝わらないのはなぜだろう?君の伝え方がへたくそだからだろうか?それとも君が本当に伝えたいと思っていることが本当は存在しないからではないだろうか?」 「伝えたいと思っていることが存在しない?なんだい?君は僕を侮辱しているのか?伝えたいことが存在しないなんて。そんなのは人間じゃないよ、人形だ。僕は人形なんかじゃない。きちんと意思のある、きちんと戸籍だって持っている正真正銘の…」 「人間だっていうんだ

2012年7月15日「雑記」

 ある時から、ある衝動が身を襲うときには物語を作るようになった。精液を出すのではなくて、…

母音
5年前

2012年7月9日の日記と小説

・序文  白いノートに文字を書くということ。  時々、それは純潔に対する冒涜なのではない…

母音
5年前
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2012年6月23日「太陽と地球の関係についての新しい解釈」

 僕の友達が、太陽についてこんなことを言っていた。  「白い透き通った人差し指を想像して…

母音
5年前
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2012年3月2日「ある小説家の相談スタイル」

 「別に僕に何を相談してくれても構わない。けれど先にこれだけは言っておく。君が何を相談し…

母音
5年前

2012年2月13日「ある城職人」

 誰も住まない城を一人で作る男がいた。  彼はゴミ捨て場から資材を拾い集め、街の外れの寂…

母音
5年前

2012年1月30日「件名なし」

 「かたかたかた…かたかたかた…」  「ふむ、風が強くなってきたようだな。家の外において…

母音
5年前