見出し画像

ギリギリの彼氏

私には現在ギリギリの彼氏がいる。
鬼のような婚活期間を経て、
(婚活期間には色々な人を見すぎたので今の彼氏がいかにまともかわかる)
やっとお付き合いに至ることができた貴重すぎる彼氏である。

どうギリギリなのか、
というと、
年齢差が11歳。彼の方が年下。
彼のご両親にお付き合いを猛烈に反対されている。
という現状である。

今年39の私は、
いつ彼が目を覚まして
「いや、ババアやん」
となってもおかしくはない。
私の恋愛ライフは、
『いつ捨てられてもおかしくない』
というスリルと共にあるのである。

私はとにかく結婚がしたかった。
ただ結婚がしたい、
というより、
このトピックス多めの人生を共に歩める、『パートナー』が欲しかったのである。
そのためマッチングアプリ、婚活パーティーをはじめとした猛烈な婚活を2年以上行っていた。
(2年の間には稀に好きになる人もいたが振られてばかりいた)

婚活で出会う人、というのは、
そもそも話が合わない人、が大半で、
多少話が合うサブカル男子は皆私のような女はタイプではないようだった。
私は内面はサブカル女子だがファッションや髪型はサブカル女子とは程遠い感がある。

まあそれはそれで別にいい。
私が婚活相手に求めていたのは
・このトピックス多めの人生を一緒に生きてくれる人
・貧乏すぎないこと(自分が貧乏で辛い思いをしたので)
・チューできて隣を歩ける見た目であること
・とにかく穏やかで優しいこと
の四点だった。

一番が一番ハードルが高いと思われたが、
今の彼氏はどのトピックスの話をしても、
「大変だったね」
と受け止めてくれる人だった。

そして彼は特段貧乏でもなく、
見た目は私の好みどストライクで、
穏やかで優しかった。
「これ以上の人はいない・・・」
私は付き合ってすぐに思った。
付き合って半年以上経つが、
その思いは変わらぬままである。

彼氏と私の性格は割と対照的である。
几帳面で綺麗好きの彼氏。
とにかくズボラで適当な私。
しかし彼氏はそんな私を注意したり怒ったりするでなく、
「嫌じゃなかったら一緒にお掃除しよ」
と言ってくれたり、
「これはこうした方がいいよ」
と教えてくれたりするなどして、
私はその都度
「優しすぎか・・・」
と感動した。

彼はとても頭がいい大学を院まで出ていて、
学力の差も明確だった。
私は頭のいい男性が好きなので、
そこもキュンと来るポイントだった。
バカな男は私の人生のトピックスを受け止めきれない、
というのが私のこれまでの経験で明らかだった。
頭のいい男の人は、何せ頭がいいので、
一つ一つのトピックスにどう対応すればいいのか問題が解決するのかわかるのだ。
そして、わかるからこそトピックスを重く受け止めない。
だから私は頭の良い男の人が好きなのである。
今の彼氏もその典型で、
私のトピックスを一つとして重く受け止めている節がなかった。
それは私にとってあまりにも有難いことであった。

ただ、彼に関しては私のほぼ一目惚れだったので、
「付き合ってほしい」
という私の願いに対して、
最初の彼氏は消極的だった。
「年齢が離れすぎているので付き合えない」
と当初は言われていたのだ。
しかし、それでも逢瀬を重ねるうち、
私に根負けしてくれた、
というのが今の彼氏なのである。
だからこそ、
危うい・・・と私は思っている。
一目惚れに根負けしてくれた彼氏は、
いつでも他の女に惚れられても根負けしてしまうのでは、と思うのだ。

しかしそんなネガティブ思考になっていてはキリがない。
私はいかに今が幸せかを噛み締め、
彼と結婚するに向けて歩みを進めなければならない時なのである。

冒頭にも書いたように、
彼氏とは歳がかなり離れているし、
親御さんにも反対されている。
その状況は変わらないので、
いかに認めてもらうかを考えなければならない。

認めてもらう前に、
彼が私がババアであることにふと気付いたり、
他の女に惚れられて根負けしないことを願うばかりである。

私は今日も、
ギリギリの恋を、している。








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?