イツキフミ

1985年札幌製。極貧すぎて一家で地域の神社の奥で育ったオタク。美しいものとおしゃれな…

イツキフミ

1985年札幌製。極貧すぎて一家で地域の神社の奥で育ったオタク。美しいものとおしゃれなものとオモシロサブカルと猫が好き。クローン病。ネイリスト&アクセサリーデザイナー。クソ恋撲滅委員会委員長。イベント企画、主催など。明るく楽しいが生きづらさが持ち味。

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  • 神社暮らし

  • 神社に住み着く極貧一家育ちの私は結婚がしたい

    極貧神社暮らしから幕を開ける、私の人生を綴った物語。実話エッセイです。

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神社暮らしの夏の思い出

私が暮らしていた神社の夏は、 しょっちゅう虫が大量発生したのをよく覚えている。 ボロい神社は屋内、というにはあまりに隙間がありすぎて、 虫が好き放題入り込んでいた。 部屋の電球には虫が集まり、 (主に羽蟻だった) 私は飛んでいる虫がめちゃくちゃ苦手になった。 子どもの頃、夏は海の近くに住んでいる父親の宗教の知り合いのおじさんの家によく遊びに行って、 海に入ったあとはいつもお風呂を借りていた。 奥さんが振る舞ってくれたカレーうどんがすごく美味しくて、 私たち兄弟はすぐその味

    • 走れ!

      走れ! 私の物語のエンディングに足りないのは唯一『結婚編』だと思っている。今時、このご時世に結婚にこだわるなんて時代錯誤だと思われるかもしれないが、 私は私のこの人生を、一人きりで生き伸びていく自信がない。 私の人生は一人で歩くにはちょっと平坦じゃなさすぎる気がする。あまりにトラップまみれでいつトラップに命を奪われるかわからない人生。 私のこの人生という名の道の、凹凸もトラップも全てをなくすことは出来ないから、せめてこの道を進むスリルを一緒に楽しめる人が欲しい。 別に結

      • ギリギリの彼氏

        私には現在ギリギリの彼氏がいる。 鬼のような婚活期間を経て、 (婚活期間には色々な人を見すぎたので今の彼氏がいかにまともかわかる) やっとお付き合いに至ることができた貴重すぎる彼氏である。 どうギリギリなのか、 というと、 年齢差が11歳。彼の方が年下。 彼のご両親にお付き合いを猛烈に反対されている。 という現状である。 今年39の私は、 いつ彼が目を覚まして 「いや、ババアやん」 となってもおかしくはない。 私の恋愛ライフは、 『いつ捨てられてもおかしくない』 というス

        • チームイツキ

          チームイツキ 多分読んでいてお分かりかと思うが、私は全くモテない人生を送ってきた。オタクだったので恋愛スキルはときめきメモリアル(恋愛シミュレーションゲーム)で鍛えた。会話は3択に答える形式でしか成立させられない。今でもイケてるメンズとの会話は非常に苦手である。友達によると高校時代までに健康的に好きな人とデートできなかった人間はずっと非モテメンタルのままであるらしい。私はときメモ内では色々な可愛い女の子とあちこちでデートしたが、現実では全くそんな記憶はない。そうなると私は

        神社暮らしの夏の思い出

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        記事

          宗教一世の事情

          宗教一世の事情 山上容疑者が安部元首相を銃殺した時、世間では『宗教二世』というワードが話題になった。親が宗教に狂っていて、子どもにまで信仰を強要し、子どもがうまいこと信者になったらしめたものだが、うまくいかなかった場合、親が異常であることや健全な親子間のコミュニケーションがなされず、二世たちは病みに病んでいく。それは山上容疑者だけではなく、私も例外ではなかった。私は分かりやすくめちゃくちゃ病んでいた。超絶にメンヘラに育った。メンヘラすぎて生きづらい人生を歩んできたし、今も

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          手のかかる猫と手のかかる兄/おりん

          手のかかる猫と手のかかる兄  私には二匹のとてつもなく尊い同居人ならぬ同居猫がいた。十三才で亡くなったロシアンブルーの女の子と、今年十三才のアビシニアンの女の子で(この子は今も一緒に暮らしている)、二匹とも本当に整った顔をした美人猫であった。親バカで申し訳ないが、本当に絶世の美人であった。  この二匹がまあ真逆な性格の二匹で、私はこの二匹に相当癒してもらってきた。  ロシアンブルーの『アナ』は賢くてプライドが高くて、気も強いけど繊細。  アビシニアンの『ティティ』はアホの

          手のかかる猫と手のかかる兄/おりん

          交通事故に遭う/白檀の香り

          交通事故に遭う  珍しいことだと思うが、保育園の時の同級生と連絡をとっている。同級生の一人がフェイスブックを通じて当時の同級生に連絡を取り(私は最初新手の詐欺かと思った)、二十年ぶりくらいの同窓会が開かれた。十人ほどが集まって、皆わずかにしか覚えていない保育園の頃の記憶を探り探りで話し合い、懐かしんだり、そんなことあった?と驚いたりした。 幸いなことに集まったメンバーはいい子ばかりで、楽しい時間を過ごせたので私たちは定期的に会うようになった。  真冬のその日も、私は同級

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          会社員しんどい/うつ病になる

            会社員、しんどい  学生時代から昼も夜も働いてきた私だったが、年齢と共に、そして持病的にも『毎日決まった時間拘束される』という働き方がしんどくなっていった。常に腹痛と共に倦怠感がある。常にダルいのだ。朝起きて『元気だー!』という朝を迎えた記憶は小学校くらいまで遡らないと無い気がする。  そうして毎日ダルい私は、会社員として生きていく一生を考えた時に、『無理っぽいな〜』と考え、自営業になる決意をした。  自分が好きなことで、手に職をつけられて、今既にマーケットがあって・

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          スラム街とスラムマンション

          スラム街とスラムマンション  私はブラック企業を卒業し、切腹手術も終え腹痛発作に悩まされることもなくなり、次の会社に就職してすぐに一人暮らしを始めた。親から、兄から早く離れたかった。  いくつか見た物件の中で私が決めたのは、札幌の中でも治安が悪いと有名地区の、駅まで三十秒の駅近マンションだった。いくら治安が悪いと言われていても、駅まで三十秒ならトラブルに巻き込まれる前に帰れると思ったのだが、まさかのマンション内の治安が最悪だった。 でもよく考えればそのマンションは駅徒歩三十

          スラム街とスラムマンション

          ブラック企業に就職する/まっこ

          ブラック企業へ足を踏み入れる  難病に罹ったくだりで説明を端折ったが、私は大学を卒業した後、漆黒のブラック企業に就職してしまった。そこは同族経営の、社長一族だけが偉くて、それ以外は奴隷のように扱われる会社だった。私たちが入社した時、先輩達の視線が何とも言えず歓迎感がなかったことをよく覚えている。  後から分かったのだが、そのブラック企業は、新卒を採用するのが私たちが初めてで、それまでは中途採用しかしたことがなかったらしい。ちゃんとした組織を作りたくて新卒を採用することにし

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          父の就職/欠陥テラスハウス/ホステスバイト

          父、就職する  話は前後するが、兄弟の五人目が小学校に入った辺りで、父がいい加減ヤバいと思ったのか、さすがにバイトだけで生活するには限界だったのか、葬儀屋に就職した。私はほぼ見た目ヤクザの宗教バカの父がやっとまともに働きに出てくれたことが単純に嬉しかった。ずっとバイトしかしてないおじさんが働ける会社なんてロクなもんではなくとんでもなくブラックだったのだが、そこは割愛する。五人も子どもがいたらブラックであろうと頑張って欲しいから。  そして何を思ったのか、家賃無料の神社から

          父の就職/欠陥テラスハウス/ホステスバイト

          神社暮らしあるあるスタンプ作りました

          こんにちは。イツキです。 突然ですが最近スタンプ作りにハマっておりまして、 せっかく神社暮らしの記事をたくさんの方に読んでいただけたので、 『神社暮らしあるあるスタンプ』 を!! 作りました!!! こんな感じの文字だけスタンプです。 よかったら覗いていってください! 誰とも分かり合えないスタンプを使いたい奇特な方がいらしたら、 必ず私とは分かり合えるのでぜひ! お使いください!!!! スタンプはこちら! 他のスタンプもついでに見て行ってやってください! 猫が好きなので猫

          神社暮らしあるあるスタンプ作りました

          摂食障害と本と文章

           きっかけはクローン病の食事制限だった。NG食を食べるとお腹を下して腸に潰瘍ができてしまう。でも成長期真っ盛りの私はNG食も食べたくて食べたくて仕方なかった。  そんな葛藤の中で編み出した技が、『食べた後、吐く』だった。私は稀代の発明をした気になっていたが、現実はそんなに甘くなかった。  私は最初、少量のNG食を食べてはちょこっと吐いていたのが、次第にNG食を大量に食べて、吐く、ということをしないと気が済まないようになっていった。見えないスイッチみたいなものがあって、それが一

          摂食障害と本と文章

          肛門が、腫れる

          中学二年生の頃、突如肛門の左側が腫れ始めた。それはどんどん熱を持ち、大きさを増し、ジンジンとする痛みが私を常に襲っていた。  しかしその頃私は思春期真っ盛り。『肛門が腫れているのですが・・・』とは出来れば誰にも言いたくない。私はしばらくその痛みを我慢していたが、肛門左の腫れが鶏卵サイズになった頃、私の我慢は限界に達した。母に『肛門が腫れてめちゃくちゃ痛い』と言った。母は病院代がかかるので医療に頼ることに若干否定的だったが、札幌の肛門科を探してくれ、一件の肛門科にかかることにな

          肛門が、腫れる

          極貧神社暮らしから始まった私の人生の話

           子どもの頃、『貧乏すぎて地域の神社の奥に一家で住んでいた』、と人に言うと、ほぼ100%の確率でビビられ、 「神社って住めるの?」  と訊かれる。多分、普通は住めないと思う。だって今まで生きてきて、『わかる〜ウチも〜』という人には会ったことがない。  別に神主でも何でもなく、ただ住んでいるだけ。私が住んでいた神社が特殊だったんだと思う。  うちの親は、両親ともに無職、というユニークな二人で、当然お金がなくて、町内会の人に 「神社の管理人をするなら神社にタダで住んでいいよ」 と

          極貧神社暮らしから始まった私の人生の話

          アラフォーが初めて相席居酒屋に行った

          その日の婚活パーティーも惨敗だった。 誰ともマッチングせず、誰からも連絡先をもらえず、渡した連絡先にも音沙汰がない。 一緒に参加した友人もほぼ同じような状況で、惨めで、二人とも下がり切った自己肯定感を持て余して死にそうになっていた。「とりあえず焼き鳥でも食べるか・・・」と言って串鳥に行った。 串鳥は混んでいて、カップルで来ている客に「見せつけやがってよう」などと二人でこそこそ悪態をついて遊んだ。 35を過ぎてから、マッチングアプリでも婚活パーティーでも本当にうまくいかない。

          アラフォーが初めて相席居酒屋に行った