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“コンサルタント“ って、なんですか 8.

「私、コンサルタントの味方です」的な話を、もう一つ。

先日書いた「特に職人仕事である食べもの屋さんでは、プレイヤーでないというだけで現場の人たちは猜疑心を募らせるだろうし、心情的には ”(料理やお菓子、パンを)作れもしないくせに” といったところだと思う」。

作れもしないくせに

現場も知らないくせに

自分は、やらないくせに

そう、コンサルタントは相談や提言、助言をすることが仕事であってプレイヤーではない。
現場の代行を請け負うことが仕事でもないから商品を作れないことは問題でないし、作れる必要もない。

このコンサルタントのプレイヤーではない、代行請負業ではない、といった感じや 業種を問わない、が何かに似ているな・・・と考えていて思い当たった。

経営者の中には、プロ経営者と呼ばれる方がおられる。
妙な呼称だなと思わなくもないけれど、解釈によってはそれだけアマチュア経営者が多いと示唆しているようにも感じる。

プロ経営者と聞いて想像する人物は人それぞれだろうけれど、ぼくが真っ先に思い浮かべるのは、やはり逝去した京セラ創業者の稲盛和夫さん(稲盛さんは元々エンジニアだけれど)。
いまならローソン社長からサントリー社長になられた新浪剛史さんやロッテ社長からユニクロのファーストリテイリング社長、その後ローソンの社長になられた玉塚元一さんを思い浮かべる人も多いと思う。

昔は、マクドナルドで過去最高売上高を記録され、プロ経営者の代名詞のように呼ばれた原田泳幸さんの著書を拝読し刺激を受けたこともあった(その後、何かとお騒がせの多かった印象ではあるけれど)。
原田さんはアップルコンピュータ日本法人社長から日本マクドナルドの社長へと転身された方だったため、当時読んでいたフードビジネス誌にも「マックからマックへ」と、とても印象的な見出しの記事と共に笑顔の原田さんが、マクドナルドのユニフォーム姿でレジに立つ写真が掲載されていたのをよく憶えている。
これは恐らく撮影のためで、まさか原田さんが本当にレジを打たれているとは思わなかったけれど、そこへ添えられた「現場を知らないと」という原田さんのコメントを目にし、これは大切なことだな。そしてこの写真を撮らせるところがさすがだな、と思ったものだった。

ここに挙げたプロ経営者の規模でないにしても、身近でも経営者として異業種へ転身される方はおられる。
そんな彼らは料理やパンを作らなければ、グラコロやビッグマックも恐らく作れないだろうけれど、何ら問題もなければ不思議なことでもない。

彼らはプレイヤーでなく、それが何屋さんであってもルールが基本的には同じ「経営者という職種」なのだから。

つづく


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