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独立した元スタッフへの言葉と、経営のこと 13.

※ こちらの内容は、ウェブサイト(現在は閉鎖)にて2016年~2019年に掲載したものを再投稿しています。内容等、現在とは異なる部分があります。ご了承ください。

 ここまで(元スタッフの)お店が数年後にも順調だったことを想定して書いてきたけれど、いまの時代どれだけ予測をしたところで不確定要素は伴うので、仮にこれが逆だった場合も想定してみる。

数年後、景気の影響などを受け、それに対応することができず業績が悪くなることもないとは言い切れないし、お店が順調であったとしても不測の事態が起これば事情によっては辞めざるを得ないことも可能性としてゼロではない。
万が一そうなった場合にでも、その時点で内部留保を残してあるのとそうでない場合とではその後も変わってくる。

お店を辞めるにも撤退費用がなければ、やはり金融機関などから借入をする必要が出てくる。それもお店を始めるときは売上や利益を生み出す前提で箱をつくることになるけれど、撤退の場合にはそれを失う上にまだ返済が残っていることもあれば、撤退のための借入をすれば丸々返済だけが残ることになる。
その後、勤め人に戻ったとしてもその得られるサラリーの中から返済をして行くとなれば、その後の生活がどれほど大変なものになるのかは想像に容易い。
事業の中で返済をするのとサラリーの可処分所得の中から返済をするのとではまったく違う。

こういった万が一の場合でも内部留保があれば、綺麗にリセットできる可能性も高くなる。規模などによってその必要額も変わってくるけれど、最初に書いたぼくのイメージするお店の規模なら2千万円ほどの内部留保があれば、恐らく撤退しても十分お釣りがくると思われる。そういった意味でも内部留保は、セーフティーネットにもなるとぼくは考える。

内部留保というといかにも保守的な日本の会社的なイメージがあるけれど、その使い途はその後どういった形を目指すのかによっても変わってくる。
お店を増やすチャンスが来たときに拡大のための投資なのか、撤退を余儀なくされ縮小のための費用なのか、例えば生涯1店舗1店主主義の方がそれをやり遂げられ自身の現役引退後を考えられた場合にでも、やはりあるに越したことはない。
いずれにしてもないよりはあった方が、その後の選択肢が増えることになる。

つづく

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