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独立した元スタッフへの言葉と、経営のこと 10.

※ こちらの内容は、ウェブサイト(現在は閉鎖)にて2016年~2019年に掲載したものを再投稿しています。内容等、現在とは異なる部分があります。ご了承ください。

仮に業績が良かったとしても、という仮定の話でさえ、いまの時代はこれだけのリスクが容易に想像できる。だからどう転んでも受け身を取れるよう備えるべきだとぼくは考える。

飽くまでも理屈上の話だけれど、最初にぼくが元スタッフに話したように相応の内部留保を残せたとする。もちろんこれは税引後のお金。
もし2軒目を出そうと考えたとき、物件やスタッフの確保といった課題はあるけれど、資金の面では借入をせずに新しくお店を出すことも可能になる。現実には資金ギリギリでは危険だからキャッシュを手元資金として残し、いまなら金利もほとんどないから金融機関から借入するのが実際だと思うけれど。

お店をやるほどの資金を金融機関から借入るとなると当然そこには利子も付くし、もちろん保証人を求められる。額によっては複数の保証人が必要だし場合によっては担保を求められることもある。
また保証人がいない場合や複数の保証人が足りないときには、保証協会を使うことになる。
この保証人代わりのコストは、融資が決まり入金をされた時点で、えっ・・・こんなに目減りするの?というほど事前に引かれることになる。
こうして保証協会を付けることで、銀行は自分たちの安全を担保する。

保証人を必要としないプロパーで融資を受けれるならそれに越したことはないけれど、これには金融機関に対しかなりの信用と実績がないと難しい(ぼくは最後の借入時に可能になり、それ以前の分も外してもらうことができた)。

本当に難しいのは事業を維持継続することであって、お店を持つこと、始めること自体はそれほど難しいことでもない。
だからといって、ぼくが専門学校時代にアルバイト先の先輩から言われた「頑張っていれば、そのうち持てるようになる」(以前書いた「モチベーションの源泉」)というほど単純で簡単な話でもない。
お金を借りるということは、こういったいくばくかの煩わしさやリスクがもれなく付いてくる。

同じだけの投資をするにしても、借入で始めたお店と自己資金のみで始めたお店では、外見は同じでも内情は当然まったく違ったものになる。
もし自己資金で賄えたなら、もちろん利子を払う必要もなければ保証人も担保も要らないし、保証協会だって必要ない。キャッシュベースで見ると資金の増加も考えられる。

『借入の返済というのは、確実に現金は出て行き消えているのに元本返済部分は経費にはならず、その分の現金はないのに利益はあるものとして課税の対象になる』

だから返済(借入)は、ないに越したことはないとぼくは考える。
つまりビビりのぼくが目指したのは、他人資本がゼロの体質、平易に書けば無借金経営だった。

とは書いたけれど、借入に必ずしも反対というわけではないので、その話は次回。

つづく


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