使ってみた。 『ベーグル成形機 』 後編
※ こちらの内容は、ウェブサイト(現在は閉鎖)にて2016年~2019年に掲載したものを再投稿しています。内容等、現在とは異なる部分があります。ご了承ください。
パン屋さん時代に考えたこと、やってみたこと、使ったもの 32.
昔から一般的なパン屋さんで使用されている機器なら心配ないけれど、特殊なものとなると実際に使用してみないとわからない部分がある。
例えば分割機。これは機種によっては生地を選ぶ場合があり、固い生地は問題なく切れるけれど水分の多い柔らかい生地だと切れないこともあったりする。
また、決まって業務用機器は高価なので大抵の場合、デモ機のあるメーカーさんへ出向き、実際に店で使用している生地を持ち込んでテストをさせてもらうことになる。
amazonでポチっと買うのとは違い、高価な機器の購入を検討というときにデモ機がない?テストができない? はぁ!?
すると輸入代理店の営業さん、間髪入れず「動画があるのでお持ち致します。是非、見てください」とのこと。
数日後、数名の方がノートPCを携えお越しになった。
ぼくとスタッフが気になっていたことを営業さんに訊いてみる。
「ベーグルって、生地を伸ばしそれをつなぐことで輪っかになるじゃないですか。その動きって機器にできるとは思えないんですよ・・・考えたのですが、もしかしてドーナツみたいに真ん中を抜いて輪っかにするんですか?」
待っていました!と言わんばかりの営業さん。
「いえ、ちゃんと “生地をつなぎ” ますよ。まぁ、動画を見てください」
と自信満々の表情。
「すげぇーーー!えっ!?これ、どうなっているんですか?」
動画に目が釘付けになるぼくとスタッフ。
「いや、ちょっと待って。これってメーカーさんが機器を売るために製作された動画ですよね? これだけを見てもなぁ」
すると営業さん、ぼくの一手を見透かしていたかのように不敵な笑みとともにサッとiPhoneを出され(あれ、どこから出したの?というくらい早かった)、
「これはつい先日、納品したときに撮影した動画なんです」
そこには、まだ新人さんと思しきコックコートの女子が笑顔で次々とベーグルの生地を成形機に流されている映像が。
「買います、買います!すぐに持ってきてください。見積書は後からでも構いません。できるだけ早く持ってきてください!」
今では、うちの店になくてはならない戦力になったのはもちろん、半ば本気でベーグル屋さん(専門店)もつくろうかと思うほどの生産能力だった。
ちなみに、生地にガルニチュール(くるみやドライフルーツなど)が入っていてもまったく問題がない。
ほんと、noteに動画貼れないのが残念だな。
つづく
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