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江戸っ娘の着物日和 vol.4: 着物仲間とランチ会

梅雨、着物好きには悩ましい季節です。
というのも、よく皆さんがイメージする絹や綿でできた上質な着物は雨で濡れた場合、すぐに処置をしないと後々シミになって残ってしまいます。
でも、雨コート(「あまこーと」と読みます)を着るには蒸し暑い日もしばしば・・・
そうなると一番簡単な解決法は濡れてもいい着物、つまりポリエステルの洗える着物を着ることなのですが、なんだかんだ日常的に出番も多いので、おしゃれしたい時の気分にそぐわなかったりして、結局、天気予報とにらめっこなんてことになります(笑

そんな梅雨の季節ですが、先日運よくお天気に恵まれた日に、着物仲間に誘われておしゃれランチへ。
ドレスコードはもちろん「着物」!
ホテルランチなので着物警察に遭遇しないかドキドキしながら集合しましたが、いざ現地に着くと私たち以外は婚礼の方しか着物の方はおらず、違う意味で目立っていました^^

お食事は和定食で、お刺身・煮物・焼き物・酢の物・お蕎麦・香の物・白米・お味噌汁にデザートとフルコースで大満足でした。
着物を着ていると特にお蕎麦などは汁が飛ばないか気が気ではないのですが、慣れればそれもお手の物。逆に汁を飛ばさずにすする技が身に着きます。

ホテルランチの和定食
デザートはほうじ茶アイスと寒天に餡入り白玉

なんでこんなお話を先にしたかと言いますと、当日の私の着物が白大島だったからなんですね。
白大島というのは、皆様も一度は聞いたことがあるだろう大島紬の一種です。大島紬というと一般的には泥染めと言って、糸や反物を火山灰の泥で染める方法がよく知られています。それゆえに一般的には黒地のイメージがあります。白大島も泥で染める点は同じですが、ベースが白土のため、本当にきれいな白色に染め上がります。

白大島コーデ

また大島紬というのは紬なので、普段着なのですが、鹿児島・奄美地方の成人式でも着られるくらい地元では愛されているものでもあります。
なので、今回のようなちょっとしたおしゃれランチ会にはピッタリなんですね。
個人的には仕立てて以降、コロナで着ていける先もなかったので、せっかくだからこの際に下ろしちゃおう、という魂胆もあったり、なかったり。

ただ、問題は袷(あわせ)という裏地のある仕立て方で、基本は秋冬春のスリーシーズンに着るものなので暑くないか、ということ。
幸い天気予報では最高気温22度だったので、「まぁなんとかなるか~」と思ってはいたのですが・・・何ともならず、やっぱり暑かったです(笑
でも、やっぱり着たいものを着られる、それだけで楽しいことなので、「おしゃれは我慢!」も含めて、江戸っ娘的には満足でした!

この日の帯は、このランチ会を主催してくださった幹事さん経由で譲っていただいたもので、この帯を身に着けたかったから白大島と合わせたというのも理由の一つではありました。
とてもきれいな青色の名古屋帯で一目惚れでした!

名古屋帯というのは、胴回りに巻く部分が初めから巻ける状態に折られている帯です。
通常、婚礼などのフォーマルな場で身に着ける袋帯などは巻いている部分の二倍の幅があります。それを半分に折って身に着けています。
そして、浴衣や普段着として着物を着るときに身に着ける帯を半幅帯といいますが、この帯は最初から端から端まで袋帯の半分の幅で折られているのでこの名前になっています。

閑話休題、私の名古屋帯ですが、ただ一点、要注意な点がありまして、非常に柔らかくトロットロッなんです。
本来、帯というものは固いより柔らかい方が結びやすいのですが、この帯の場合、柔らかすぎてお太鼓が決まらない(笑
せっかく形が決まっても、帯締めでまとめる前に一瞬気を抜いただけで崩れちゃう・・・

胴部分にも柄が入っています
背中側の柄

というわけで、この日もホテルランチなので最初はちゃんとお太鼓を結んでいこうと意気込んでいたのですが、なかなか決まらず、そのうち汗もかいてくるし、時間も迫ってくるし・・・と追い込まれた結果、急遽「角出し」という帯結びに変更となりました。
お太鼓に比べるとカジュアルな結び方ですが、同時にこなれた感じがあるので割と江戸っ娘としては好きな結び方です。
全体的に結んだ後の後ろ姿では、下の方にボリュームがでる帯結びなので、一説によると足が長く見えるとか、見えないとか。

前の方はお太鼓なので、ボリュームの違いがわかるでしょうか

そんなこんなで結局、着物の楽しみってコーディネートを考えることだなぁ、と改めて感じた日でした。
白大島に青の帯で、実はもう一工夫あって、八掛という歩いた時にチラリズムする裾の部分もこだわった若草色で、見た目は涼やかでよかったかなと♪

こだわった八掛

またご一緒した方々のコーディネートやお着物との出会いについてお話しできたのも貴重な時間でした。
素敵な日本の民族衣装なので、少しでも興味を持ってくださる人が増えたらいいなと思っています。

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