無縁吐露
吐きダコの残る君の手の甲に秋波を送る
指先には違う人の指輪
婚約でも結婚でもない指輪
別れた男に貰った思い出の指輪
『息の仕方が分からないの』なんて
ありふれた現代言葉でしょ?
そうやって他人の言葉を呑み込んでは吐く君の首筋に
どうか上手な呼吸のやり方を。
ほら
吐きダコと一緒に指輪も消えると良いねなんて
他人行儀に。
他人だから。
他人の癖に。
ちゃんと他人でいさせてよ。
君の背中をさすりながら。
何やってんだろうねなんて笑い合う午前3時45分。
どうか、一番の他人で。
今更だけれど。
さようなら。恋とか愛とか。
人に当たり前にある死や美しさを、 詩や文で紡いでいます。 サポートをしていただければ製作の糧になります。 是非よろしくお願いいたしますm(__)m