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マーケターが考える!なぜこの時代にあえて「本」なのか?

こんにちは。初めまして!
Webを中心にサービスを展開するLIFULL HOME'Sでは異色の部署「OMO編集グループ」に在籍しています伊藤です。
タイトルに偉そうに「マーケターが考える」と書いていますが、1年前にマーケターから編集職にジョブチェンジをしました。
しかしLIFULL HOME’Sの編集職はマーケターのスキルも求められます。
本の編集業務に留まらず市場調査・データ分析から戦術・企画を立案し効果測定をしながら新しい挑戦を次々に展開することが求められます。
よって一般的な「編集職」ではなく「編集×マーケター」とイメージしていただけるとわかりやすいと思います。

このnoteでは、私たちOMO編集グループが手掛けているリアルな「本」についてお伝えしたいと思います。

リアルな「本」が置かれている現状


リアルな書籍や雑誌の市場が縮小傾向にあるのはご存知でしょうか。
特に雑誌市場の縮小が顕著です。

私が学生の頃はファッション雑誌が最盛期でした。
ファッション雑誌から流行が生まれ、雑誌のモデルがタレントになり女優になり・・・と雑誌がトレンドを創り出すと言っても過言ではない時代に育ちました。

今やその役目はInstagramやYouTubeに置き換わり、出版社は雑誌のサイズを小さくしてみたり、豪華な付録を付けてみたりと様々な手段で生き残りを図ってきています。
しかし、世の中の多様化に合わせて様々な表現ができるデジタルの方が、今の世の中に受け入れられやすくなっていることは明らかでしょう。
人の好みというのは移ろいやすいもので、雑誌制作のリードタイムを考えても、発売する頃には流行遅れになってしまうのかもしれませんね。

そんな時代にあえてリアルな「本」の編集協力や協賛を積極的に展開しているのが私たちLIFULL HOME’Sです。

リアル店舗集客担当の私と「本」との出会い

始まりは2018年。
【LIFULL HOME'S 住まいの窓口】のサービスが「ネットサービスでは届かないところを“人”でカバーし、住み替え検討者の不安や心配事に寄り添っていきたい」という想いの元、サービスの提供を開始しました。
サービス開始当時、私はオフラインメディア(DM・ポスティング・サンプリング・リアルイベントなど)を使った住まいの窓口の店舗集客を担当していました。
LIFULL HOME'SはWeb上のみで展開してきたサービスです。そんな中でリアル店舗の集客担当することになり毎日が必死でした。
パーソナライズしたDMや不動産情報を使ったポスティング、ファミリーが集まるイベントへのブース出展など手当たり次第試していた時期でした。

そんな折、集客施策の1つとして「家を買Walker」というKADOKAWAさんのWalkerシリーズとコラボした本に関わってみないか、というオファーを受けたのです。

この本はまさに住まいの窓口のサービス創業の想いを体現しており、良質な情報提供と集客が両立できるのであれば素晴らしい媒体になると思いました。
一方で前述した「本」の現状を考えると・・・という不安な思いもありました。

しかしその不安は杞憂に終わり、「本を見て相談に来ました!」と住まいの窓口に相談にいらっしゃる方が増えてきました。

更に、家を買Walkerの効果を正確に測るために買Walkerの表紙の写真を見せて「この本ですか?」とヒアリングをしてみました。すると、「家を買Walkerではない!違う住宅系の本を読んだ」という相談者も複数現れ始めたのです。

「何の本を見て相談にきているのだろう?」

相談者が何の本を読んで相談に来ているのかが知りたくて、私は書店に置かれているあらゆる住宅本を読みあさりました。
その調査の過程で「住宅購入に関する本」の種類の多さに驚きました。そして雑誌が売れなくなった時代でも、住宅購入を考えている人は本を購入してしっかり知識をつけよう、という思考にあるということに気付いたのです。
住宅購入に失敗したくない・後悔したくないという人たちが藁にもすがる思いで本を購入し、勉強しているんです。
Web上にも情報があふれているのに…意外でした。

なぜ「本」なのか、を考察してみました

住宅購入検討者の情報源として「本」が重要な役割を持っていることはわかりました。しかし、情報のデジタル化が進む時代において、なぜ本がこんなに読まれているのか。
本とWebの特徴を比較してみました。

【住宅購入検討者視点】本とWeb情報のメリット・デメリット

Webは無料で情報を得られ、手軽で便利です。
隙間時間で情報を得ることができ、情報収集をして比較検討もしやすいです。ただ、多くの情報を得る代わりに情報の取捨選択や正しいか否かの見極めも重要になってきます
知識がないから調べているのに、情報の見極めが難しくて前に進めない人が多いのが現実です。

一方、本は有料ですし、ある程度の大きさがあるので気軽に持ち歩くなどには向いていません。
しかし腰を据えてじっくり勉強して知識を得ることができます。そして厳しい校閲を経ているため、情報の正誤を見極める必要がない信頼度が高いというメリットがあります。

「服を買う」のと「家を買う」のではレベルが違います。最新のファッションや化粧品の情報はWebで十分です。
一方、家を買う人たちは一生に一度あるかないかの真剣勝負です。一生のうちで一番高い買い物と言っても過言ではないでしょう。
失敗できないのです。
失敗できないからこそ、お金をかけてでも正しい知識を得て、じっくり腰を据えて検討をしたいのです。
大切な家族を守る大事な家ですから。

コロナ渦で家に対する考え方も変わりました。
利便性や住みやすさが求められ、生きていくための「箱」として存在していた家としてだけではなく、おうち時間が増え「家族と幸せな時間を紡ぐための家」という要素が加わりました。
家族の笑顔を思い浮かべると失敗したくないですよね。
「本」はそんな夢を実現するために、デジタル化が進む今も変わらず必要な情報源となっているのです。

【マーケター視点】本とWebのメリット・デメリット


次にプロモーション視点で本とWebの特徴を比較しました。

本は出版するまでの道のりが長く、一度世の中に出したら引き返せないため比較的容易に情報修正ができるWebよりも手間も時間もかかります。
細かいコストコントロールはできません。
また本は効果検証に時間がかかるため、制作のリードタイムを考えても改善のサイクルをまわすのに多くの時間を要します。
対してWebは改善サイクルを短時間でまわせることが大きなメリットです。

本は保管性・再読性も高いため、複数回読み返すことで情報への理解が自ずと深まります。
またスクロールなどの必要が無く、見開き1ページで体系的に情報を得ることができるため、視認性も高いと言えるでしょう。
本はWebよりも「情報の刷り込みの深さ」が違います。

つまり本を読んだ人は住宅購入についての理解が深まり、購入の行動喚起となります。住まいの窓口のサービス理解も深いため、購入意欲の高まった読者がWebで住まいの窓口を検索して予約をするのです。


本とWebは役割分担を以下の通り明確にすべきだと私は考えます。

本:住宅購入行動喚起、サービス認知・利用意向の促進
Web:検索、相談予約

参考までに、プロモーションの評価としている数値はROAS本を読んだ相談者の成約率などを指標としています。 ROASに関しては本によって多少前後するものの平均的に200%~400%、成約率を見てもその他集客手段と比較しても良いという評価がされています。

本に関わる立場として一番大切にしていること

プロモーションとして実施している以前に私たちLIFULL HOME’Sは住宅購入に後悔する人をひとりでも減らしたい、一人ひとりに寄り添いたいという想いから、あらゆる「住宅購入に役に立つ」本の協賛や編集協力・取材協力をしています。
その中のひとつのコンテンツとして我々が運営するLIFULL HOME'Sのサービスを住宅購入の際に役に立つサービスとして紹介しています。

マーケターとして編集者として、コンテンツ企画・編集ディレクションをする際に大切なこと、「本を通して最高の住宅購入体験を創出する」ことをパートナー出版社さん、メンバー間で徹底的にすり合わせます。

そして「その情報は本当に役に立つかどうか?本当に求められている情報かどうか?」としつこいくらいに確認します。
上記を実直に実行している結果、本を読んで「LIFULL HOME’S 住まいの窓口」のサービスを利用してくださる方が増えています。

これからも変わらず一人でも多くの住宅購入に悩んでいる人たちに「最高の住宅購入体験を創出」するために、本を通して新しいことに挑戦する日々が続きます。

書店に行かれた際は、ぜひ私たちLIFULL HOME'Sが編集協力・協賛をしている本を探して読んでみてください!
感想をお待ちしております。

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