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産後の腰痛。子どもの世話ができないことへの罪悪感。小松奈々さん 『痛くて不安で孤独なあなたへ 人生を取り戻す回復への物語』より

今、痛くて不安で孤独な方へ

はじめまして。
『人生を変える幸せの腰痛学校』著者の伊藤かよこです。
2019年より『人生を変える幸せの腰痛学校』の読者さんを対象にしたオンラインコミュニティを運営しています。
今回、コミュニティ有志の方がご自分の痛みの体験談と回復へのきっかけを書いてくださり、それを電子書籍にまとめることができました。

本の一部をここで紹介します

産後1カ月でひどい腰痛になった奈々さん。赤ちゃんのお世話が十分にできず、罪悪感でいっぱいでした。
そんな奈々さんはその後、どのような行動をされ、回復されたのでしょうか?
物語の一部を紹介します。

始まりは2月の寒い時期。
はじめての出産で息子を産んで1ヵ月検診の時でした。
カバンから書類を取ろうと前かがみになったときに腰に痛みを感じました。
検診中に痛みはどんどん強くなり、息子を抱っこできない状態になりました。
たまたま母が一緒にいたので助けてもらって、そのまま近所の接骨院に行きました。

その痛みはずっと続きました。
息子が泣いても抱っこをしてユラユラすることができない、お風呂に入れることもできない、お風呂上りに息子に服を着せることさえもできない。
思うように子育てできない自分、理想の子育てとは程遠い自分、母に頼りすぎていて迷惑をとてもかけている自分。
母も膝や腰がそんなに強くないことを知っていたので申し訳なさでいっぱいでした。

自分のことすらちゃんとできない自分を責めたし、このままでこの先子育てしていけるのか、実家から自宅に帰ってやっていけるのか、それまでにこの腰の痛みは治るのか、いつになったら治るのか、と不安しかなかったです。

自宅にも帰れないし、実家に居続けても母に迷惑をかけるだけ。
どうすればいいのかわからず、母の前で思わず泣いてしまいました。
「お母さん、こんなに迷惑をかけてごめんね、本当にごめんね」
と大泣きしながら謝りました。
母は泣いている息子と私を両腕に抱えて
「大丈夫だから、私のかわいい娘だもの」
と抱きしめてくれました。

母に悪いと思うのですが痛くて思うように動けないし、息子はよく泣くし、睡眠不足はつらい。
仕事とちがって子育ては、一旦休むことも、逃げることも、やめることもできない。
出口のないトンネルの中にいるような気持ちでした。

少しでも早く治そうと近所の接骨院に毎日通いましたが全然良くなりません。
冬の寒い日に冷たい湿布を貼られて、実家までの坂道をトボトボと歩いている時、悲しくて、やるせなくて涙が止まりませんでした。

産後3か月ほど実家で過ごしていると、夫が「いつ戻ってくるの」と言うようになりました。
プレッシャーをかけられているようでとても辛かったです。夫と同時に義理両親からのプレッシャーも感じていました。

息子はよく泣くし、よく吐くし、こんなに手がかかるのに、今のこの身体の状態で一人で子育てなんてできないのに、どうして「実家でゆっくりしていていいよ」と言ってくれないんだろう、と思っていました。
毎週末、実家に泊まっていく夫との関係はだんだんギクシャクし始めました。
産後4カ月になり、さすがにもうこれ以上は実家にいることはできないと、半分泣きながら自宅に帰りました。

腰痛を治したい、普通に子育てをしたい、という思いで近所に良さそうな接骨院を見つけました。
この先生なら大丈夫と信じ10万円の回数券を買いました。
さすがに10万円も払えば治してもらえるだろうと思ったからです。
夫も快くいっておいでと言ってくれて、義理両親も接骨院に行っている間に息子を預かってくれました。

しかし、痛みはなかなか良くならず、またしても強い痛みにおそわれます。
強い痛みと不安を訴えても接骨院の先生は大して相手にしてくれません。
親切だったのは最初だけ。ほかの患者さんに回数券を売るための勧誘で必死です。
接骨院の先生への不信感、10万円ものお金を出して接骨院に行かせてもらっていることへの申し訳なさ。

そしてどんなに強い痛みがあっても息子のお世話は毎日続きます。
時にはすべてを投げ出したくなって車に飛び込みたいと思った事さえあります。

毎日が苦痛だったそんな時、母が1週間でいいから実家に帰っておいでと言ってくれました。
でも、息子はよく動き回るので今使っている大きいベビーサークルがないと実家でまた母にたくさん負担をかけてしまうと思い、「帰れない」と言うと、「その大きなベビーサークルを全部持ってくればいいじゃない」と母は言ってくれました。
心の底からほっとして、気持ちがスーッと楽になりました。

実家に帰ることが決まった日、腰の痛みがほとんどなくなったのです。
これには驚きました。

そこではじめて、痛みがなかなかよくならないのは気持ちの問題なのかもしれないと思いました。
(つづく)

 小松奈々さん(仮名)

続きは電子書籍『痛くて不安で孤独なあなたへ』でお読みください。

今の奈々さんは、お子さんと元気に公園を走りまわり、動物園にも旅行にもプールにも行けるようになったそうです。
本当によかったですね。



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