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「片方だけ覚える」記憶術~記憶の負担を軽減する~

【1】はじめに

今回は、記憶の負担を軽減するためのテクニックとして、「片方だけ覚える」記憶術についてお話しします。

【2】「できる」「できない」,「当たる者」「当たらない者」

「できる」「できない」、「当たる者」「当たらない者」のように結論が二択となる知識の集合体を覚える場合(e.g.不動産登記法における印鑑証明書の原本還付の可否、登録免許税の還付の可否)、一つひとつ正確に覚えられれば問題ないのですが、一つひとつを覚えようとすると、どうしても混乱してしまいます。

【3】「片方だけ覚える」記憶術

ですから、思い切って「できる」方だけを完璧に覚えてみる。あるいは「できない」方だけを完璧に覚えてみる。このように、数が少なく覚えやすい方の結論の知識を完璧に覚えて、それ以外は逆の結論になる、と押さえるのです。こうすると、覚えることが半減するわけなので、断然楽になります。

下記の印鑑証明書の原本還付の可否の表を用いると、「還付される」方だけ覚えておいて、あとは消去法的に「還付されない」と考えればよいのです。

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実際、私も講義では「ここは『できる』方だけ完璧に覚えて、それ以外『できない』と押さえてください」といったアドバイスをよくさせていただいています。

【4】この記憶術に対する不安の解消

ただ、このような記憶術に不安を感じる受験生の方もいらっしゃいます。その不安とは「テキストに書かれていない『できる』例が出てきた時に対応できないじゃないか?」というものです。確かにそれはそうなのですが、これは両方の結論を一つひとつ覚えた場合にも同じことが言えます。

すなわち、極論すれば、片方だけ覚えようが両方覚えようが、テキストに書いてない知識には対応できないのです(テキストに書くまでもないほど細かい知識なのですから、正しく判断できる必要もありません)。

だったら片方だけ覚えた方が楽ですし、片方だけ覚えれば、両方の知識が混同することもありません。

【5】最後に

もちろん、学習開始の最初の時期からこれに固執してしまうと法的思考力を養うことができないため、初学者にはあまりお勧めできないのですが、学習経験者の方は、記憶の負担軽減に役立つ記憶術なので、参考になさってください。

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