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ファーストステップ司法書士3「法律を学ぼう!【法学入門①】」


【1】法律とは

法律とは,権限のある立法機関によって制定されたものであり,国家による強制力を伴うものをいいます。なお,国会が制定した法規範を「法律」と呼び,憲法や条例などを含めた法規範全体を「法」と呼ぶこともあります(※1)。
※1 法には上下の序列があり,その中で最上位にあるのが憲法です。すなわち,憲法は法ですが,法律の上位に位置付けられます。

【2】法律の適用(法的三段論法)

(1)意義
法律を実際の事例に適用する際は,「大前提」に「小前提」の事実を当てはめて「結論」を導く三段論法を活用します〔法的三段論法〕。ざっくりいえば,法的三段論法とは,事例を法規範(ルール)に当てはめることです。

(2)具体例
Aが殺人をした場合の結論の出し方を例に考えてみましょう。この場合,「人を殺した者は,死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する(刑法199条)。」〔大前提〕➠「Aが人を殺した」〔小前提〕➠「Aは,死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。」〔結論〕という手順を踏みます。

無題

★POINT★
裁判では,この法的三段論法に沿った論理構成により判決が出されます。詳しくは体系編の総論の講義において扱うので,今はざっくりしたイメージがつかめればよいでしょう。

【3】法律の区別

(1)公法と私法
公法とは,国家と国民との間の関係を定める法(e.g.憲法,刑法,民事訴訟法)をいいます。これに対し,私法とは,私人間の関係を定める法(e.g.民法,商法)をいいます。

(2)実体法と手続法
実体法とは,権利義務の発生・変更・消滅自体を定める法(e.g.憲法,民法,刑法,商法)をいいます。これに対し,手続法とは,権利を実現するために訴訟や強制執行の手続を定める法(e.g.不動産登記法,商業登記法,民事訴訟法,民事執行法,民事保全法,供託法)をいいます。

(3)一般法と特別法
一般法とは,適用範囲を限定しないで一般的に定めた法(e.g.民法)をいいます。これに対し,特別法とは,特定の範囲に対して限定的に適用される法(e.g.商人について商法,少年については少年法)をいいます(※2)。
※2 特別法は一般法に優先して適用され,特別法の規定がない場合に一般法が補充的に適用されます。

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