見出し画像

ファーストステップ司法書士50「親は何ができるの?親権を知ろう!【親権】」

Aには父親Bと母親Cがおり,BとCは婚姻しています。BCは親としてどのような権利があるのでしょうか?また,親としてどのような義務を負うのでしょうか?

無題

☑ 参考条文 ☑
【818条】

 ①成年に達しない子は,父母の親権に服する。
 ③親権は,父母の婚姻中は,父母が共同して行う。ただし,父母の一方が親権を行うことができないときは,他の一方が行う。
【憲法24条】
 ②配偶者の選択,財産権,相続,住居の選定,離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては,法律は,個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して,制定されなければならない。

【1】意義

親権とは,子を監護教育し,子の財産を管理することを内容とする親の権利と義務のことをいいます。親権の内容としては,主に身上監護権と財産管理権の2つがあります。身上監護権とは,親権者が子の監督・保護・教育をする権利を持ち,義務を負うことです。財産管理権とは,親権者が子の財産を管理し,その財産上の行為について子を代表することです。実子に対する親権者は父母であり,親権は父母の婚姻中は,父母が共同して行使するのが原則です(818条3項本文)。これを共同親権の原則と言います(※1)。ただし,父母の一方が親権を行うことができない状態にあるときは,他の一方がこれを行います(818条3項但書)(※2)。
※1 例えば,未成年者がこれからしようとしている契約に同意する場合は,両親の同意が必要になります。
※2 例えば,親の一方が行方不明だったり,長期の旅行に行っている場合です。

【2】趣旨

親権は,父母が未成年の子を一人前の成人になるまで養育するために設けられた制度です。共同親権の原則については,もともと,原則として父親のみが親権を持つと定められていましたが,憲法24条2項の「個人の尊厳と両性の本質的平等」の理念に基づき,父親と母親の両方が親権者となり,共同で親権を行使するという原則が確立されました。

【3】解答

Aの親権者は父親Bと母親Cの両方であり,BCの両方が身上監護権と財産管理権を持ちます。また,親権を行使する際はBとCが共同してする必要があります(818条3項本文)。

★やってみよう!★
【過去問 平成19年第21問イ】
☑ 婚姻中の夫Aと妻Bの間に未成年者である子Cがおり,A及びBがCの共同親権者である場合に,CがAの同意を得たが,Bの同意を得ないで,Dとの間で動産を購入する契約を締結したときは,A及びBは,共同で,当該契約を取り消すことができる。
➠○ AとBは共同で親権を行使しなければなりません。つまり,AとBの共同で同意しなければならないところ,これをしていないため,本件の同意は無効であり,AとBは依然としてCの契約を取り消すことができます。

画像2


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?