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テキストとICレコーダーを組み合わせる方法

 皆さんこんにちわ、クラスマネージャーの黒澤です。

 前回「テキストの読み込み」について記事を書かせていただきましたが、ご反響を多くの方からいただきました。お読みいただいた方はありがとうございます。

 やはりテキストというのは司法書士試験を学習する上で主要教材になるものですから、それを「どのようにやるのか」という部分が固まっている方と固まっていない方とでは、同じものを使っていても結果に違いが出てきてしまう原因になります。

 ですから、「テキストの読み込み」については、テキストの
①どの部分を
②どの程度読んで
③どのようなことができるようになればOKなのか
という部分がきちんと自分の中で「一連の作業」になっていて、日々淡々とルーティンとして習慣的に繰り返せる状態にしておくのが重要です。

 具体的には、前回詳述した、

1、「アウトライン」「要学習事項」をつかむための読み方(仕分けする)、
2、「要学習事項」の「理解」をしながら読んでいくという読み方(理解する)、
3、「要学習事項」を理解した後に「覚える」「刷り込む」ための読み方(理解したものを覚える)

が私の場合これに当たります。

 今回はこの「テキストの読み込み」の可能性をさらに広げて行きたいと思います。

 具体的には、上記3に関連するのですが、前回の記事でも少しだけ書いた私が受験時代にやっていたテキストとICレコーダーを組み合わせる方法について、その利点とともにやり方を以下ご紹介していきたいと思います。特に、時間があまりない兼業受験生にとっておすすめです。

【①苦手部分、暗記したい部分のストックが一瞬で可能&その部分の復習が楽】

 たとえば、テキストを読んでいて自分が苦手な部分や覚えたい部分があったときに、カードやノートを作る方がいるかと思います。しかし、一度やってみるとわかるのですが「ノートに書く」という行為には結構な時間が必要です。これは勉強時間を多く確保できる方であればいいですが、仕事をしながら勉強している兼業受験生にとっては「なかなか書いている暇がない」という方が多いのではないでしょうか?なぜなら、「書く」という行為は勉強に関する行為の中でも総じて時間がかかるものだからです。

 一方で、ICレコーダの場合、「テキストの読み込み」をしている最中に「分からない」だとか「覚えたい」という部分が出てきたときに、苦手部分、暗記したい部分のストックが一瞬です。なぜなら、「読む」ことで録音するだけだからです。つまり、勉強をしている最中の「作業」の時間が短縮できます。可処分時間が少ない受験生にとっては「作業」の時間は極力勉強時間から排除すべきものなので結構な時間短縮になるかと思います。

 また、たとえば、吹き込みのときに「○○の要件は何か?」などと吹き込んでおいて、少し間をおいて答えを吹き込めば自分だけのピンポイントのQ&A集が非常に手軽に作れます。そして、その吹き込んだ部分の復習は基本的には「何回も聞く」ことなので手軽ですし、回数を稼ぐことができます。特に、倍速等の速度調整ができるものであれば「刷り込む」ように何度も聞くことができますので、確実に覚えたいことに関して相性が合えば絶大な効果を発揮します。たとえば、民法の重要条文の要件、不動産登記での総論のまとめ表で一気に暗記することが必要なもの、根抵当権の元本確定事由等、商業登記で中々覚えにくい申請書の登記の事由、添付書類などです。私の場合、組織再編の例の気が狂いそうな登記の事由や添付書類などは最終的にはこれで何度も刷り込んでいました。

【②どこでも隙をみつければさりげなく聞ける】

 通勤時にテキストなどを読んでいる方もいるかと思いますが、テキストというのは案外移動中は、がさばりますし、人口密度が高い電車などで開くのに躊躇があるのではないでしょうか?ICレコーダの場合サイズ的にこのような心配がありません。

 ですから、たとえば、前日にテキストの読み込み中に覚えたい部分を吹き込む→電車通勤時にピンポイントで聞いて復習するといったようなことが継続的に習慣化できたりするわけです。

 また、社会人の方によくあるのですが、司法書士試験を受験していることを会社関係者などに言っていない場合に、昼休み等の休み時間に勉強しているとバレて気まずいので休み時間を活用できないという方が一定数いらっしゃいます。ICレコーダの場合、さりげなく「シレっと」ステルスで勉強できますので第三者の目の回避が可能です。私はこのステルス学習は多用して学習時間を稼いでいました。

【③慣れれば合格後も使える】

 合格後、合格者には、口述試験と受験する方限定ですが認定考査という試験が控えています。
この口述試験にも、ICレコーダーは効力を発揮します。たとえば、質問を吹き込んで→その後自分で答えるというスタイルで勉強すれば、「一人口述模試」をすることが可能だったりします。身近に口述のリハーサルを手伝ってくれる方がいらっしゃらない方であっても、手軽に自分だけで口述模試のリハーサルなどができてしまったりします。

 また、認定考査にもこの勉強方法は効果を発揮します。認定考査の場合、要件事実をきっちり覚えていないとその事案で書かなければいけないことが分かりませんし、長文で出題される事案で当該事案のどこを読んで、どこに着目すればいいかといった部分に気付けなかったりします。また、合格後というのは研修や実務の合間で考査の勉強をしていかなければならないという方が大半です。ですから、可処分時間の有効活用をしなければならないのですが、そこにこのICレコーダーでの暗記作業をはさむと、忙しい中でも「チリツモ効果」が狙えます。

 合格をした暁にはお試しあれ。

【最後に】

 勉強にはどうしても一定の時間がかかります。そして、兼業受験生の方など特にその可処分時間での不利を感じることが多いかと思います。ただ、時間の不足だとか時間の欠乏というのは工夫の母です。不足や欠乏があるからその問題を解消しようと本気で考えることができるものです。私自身、可処分時間がないことから上記のような工夫をして合格までこぎつけました。工夫をして効率化した勉強というのは、ダラダラやった勉強の数倍の価値や効果があるものです。ですから、可処分時間が少ない方はそれを自分に不利な事情と考えたりせず、ではどうすれば自分の置かれた状況でも効率的に学習ができるかといった点に目を向けてみてください時間を作る「量」の努力だけではなく、少ない時間をどのように合理的に使うかという「質」の努力でも同じ結果を得ることはできます


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