見出し画像

司法書士事務所への就職・転職方法

司法書士試験に合格後、司法書士事務所への就職も転職も経験したスタッフのSさんに司法書士事務所への就職・転職のポイントについて語っていただきました。

伊藤塾司法書士試験科のスタッフのSです。 

11月になりました。
令和5年度の司法書士試験も口述試験まで無事に終了、あとは最終合格の発表日を待つのみのこの時期、本年度筆記合格者の方々におかれましては、新人研修が本格的に始まる前に早く事務所を決めてしまって、12月から本格的に始まる新人研修に集中しようと思う方が多いと思います。
去る11月3日、伊藤塾東京校で、毎年恒例の事務所合同説明会を開催しました。
今年の本試験後の8月開催に引き続き、11月の今回の説明会の方がより多くの方々に参加してくださいましたことからもわかりますように、今、一番合格者の皆様が気になっていることを今回のnote記事では取り上げようと思います。

「司法書士事務所への就職・転職」についてです。

未経験合格者は、試験は受かってはいるものの、実務はわからないことだらけ。
そのため、配属研修を受けて即独立される方を除いて、多くの人は司法書士事務所への就職先を探すことになります。

事務所探しの6つのパターン

司法書士事務所の探し方は大体6パターンになります。

1    各司法書士会の求人
2    各転職エージェントを使う
3    司法書士特化型転職ポータルサイトを使う。
4    ハローワーク
5    知人の紹介 同期の口コミ
6    行きたいエリアの司法書士法人の求人が出ていようがいまいが、とりあえず電話して聞いてみる(SNSのDMで直接アクセスしてみるなど)

一番多いのは、やはり1と2ではないでしょうか。(最近は3も増えてきたようです)。
どんな方法であれ、事務所就職で一番大事なことは、就職エリアと就職活動する期間、時期をざっくり決めたら、複数同時平行で応募し、できるだけ数多くの事務所へ実際に行って事務所見学や面接を受けてみることだと思います。

司法書士事務所の求人票(今記事では単位会求人を一例にします。)には、給料、社保、取扱い業務、勤務時間など概略しか記載されていません。取扱い業務も不動産、商業、相続、その他とかざっくりしたことしか書いていません。多少の表現の違いはあれ、司法書士の業務範囲を網羅的に並べているのを見たところで、実際のところは何もわからないのです。様々な業務を幅広く行っていますと記載しているにもかかわらず、実情はほぼ決済業務しかやってないことなど、面接にいって初めて判明することが多々あります。そのため、その事務所に就職するかしないか別として、司法書士事務所とはどんな感じなのかを調査するためにも事務所見学や面接を数多く出向くことは、選択肢の幅を広げる第1歩になります。
また、一般の求人情報のように、条件なども大事ですが、実際に事務所に就職してみて感じたのは、業務内容、条件、それ以上に中の人の人となりが実際どうなのかかなり重要なポイントになるような気がします。
司法書士業界は割と大きくても、民間レベルでいえば中小企業の範疇に入る関係上、所員の人数が限られるため、人間関係が合わないと大変なことになります。
事務所見学や面接に行くことで、事務所の人と話して事務所内の様子を見ると求人票の記載の文章だけではわからないことがわかります。例えば、その事務所代表と生来的に馬が合いそうもないとわかったり、事務所内の様子が妙に殺伐としていて違和感を抱いたり等です。そのような場合、たとえその事務所に入ったとしても、職場での心理的安全性が保たれないので、のちのち業務やそれ例外のことで大変なことになります。どんな業種でも大なり小なり職場というものが人間の集まりである以上、避けられないかもしれません。しかしながら、あらかじめ回避可能なミスマッチであるならばできるだけ避けておいた方が無難だと思います。そういうミスマッチ回避のための勘を研ぎ澄ますためにも、すこしでも気になる事務所がある場合は、法人、個人事務所の別を問わずに、実際に事務所見学や面接に行って事務所や人の様子を観察してみることをおすすめします。

エージェントを利用しない場合の転職方法 

私はエージェント掲載の事務所情報は参考にはしましたが、就職活動のペースを自分でコントロールできないのは困ると思ったので、私は結局エージェントには登録しないで転職活動をしました。
もちろんエージェント利用にもメリットはあります。
エージェントに自分の条件を言えば、あいそうな事務所を選んで紹介してくれますし、面接日設定までやってくれます。同一日に複数面接なども組んでくれるそうです。平日は別の会社に勤務していて時間のない方、どう事務所を選べばいいのかそもそもよくわからない方などうまく利用するとよいと思います。登録したところで求職者には一切費用負担はないので、自分で探すのが難しいという方は、とりあえずエージェントに登録してみて面接の場数を踏むというやり方でもよいと思います。
エージェントを利用しない場合は当然のことながら全部自分で行います。1つの事務所毎にやっていたら時間がもったいないので、複数同時進行で就職活動することにしました。
就活の3種類の必須アイテム、履歴書、職務経歴書、証明写真を用意して、活動開始です。
新卒就活のように、履歴書は全部手書きで書かなきゃいけないと思われている方もいるかもしれませんが、まったくそんなことはありません。私は履歴書と職務経歴書はすべてWordで作成して、各事務所に合わせて志望動機欄だけ微調整しましましたが、履歴書が手書きじゃないからダメだとは言われたことは一度もありませんでした。
書類を送るときは電話連絡の上、メールでPDF化した書類を送信しました。郵送によるタイムロスを避けたかったからです。

就職する時期について

就職する時期も、早いほうがよいのか、遅い方の方がよいのか悩まれている方も多いと思います。
新人研修後就活を始めても、特別研修後に就活を始めても全く大丈夫です。
新人研修後、特別研修前に就活をして内定を得て、入所時期を認定考査終了後にした方もいます。いち早く実務の勉強がしたいからと年内に就職する人もいます。新人研修後すぐの2月入所する人が就職時期パターンとしては多いと思いますが、結果的にそんなに早く就職しなくても全く問題なかったということがわかりました。
このように、すべて自分のタイミングで就職活動を開始して大丈夫ですが、いざ就職活動を行うと決めたからには、複数同時並行で行って、絶対に1つの事務所で即決しないことが大事だと思います。必ずご自身の目で見て確かめて、できる限り情報を集めて比較検討して決断することをおすすめします。

難関試験を突破された合格者の方々が、少しでも自分にあった事務所に就職できますように、心より祈っております。 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?