公開模試を終えて~模試の受験を活かす方法~

皆さん、こんにちは。クラスマネージャーの高田です。
いよいよ、5月も中盤(終盤)に差し掛かり、本試験が目前に迫っています。

ちょうど伊藤塾でも第1回の公開模試が終了し、模試で満足の結果が得られた方、気を引き締めなおされた方それぞれいらっしゃると思います。
そこで、第2回の模試に向けて、模試を利用した学習法と不動産登記法の記述式の採点を少し担当させていただきましたので、皆様の答案を拝見した感想を述べさせていただきます。

1 模試を利用した学習法

まずは模試を利用した学習法についてです。模試について多くの受験生が気になるのは(1)「結果」についてと(2)復習のしかたについてだと思いますので、この点に絞ってお話させていただければと思います。

(1)模試の「結果」の捉え方

模試において何よりも気にしてしまうのは「結果」だと思います。結果が良いと気分が上がり、自信にもつながりますが、思うような調子がでないと落ち込みますよね。

そして「良い結果」が出た方は今まで学習してきたことが確実に実力になっていますので、慢心は注意ですが、この調子で勉強を継続することが大切です。
それと同時に、なぜ今回の模試で良い結果を出すことができたのかも分析しましょう(例えば、2択で迷ったものが合っていた・記述式でしっかり得点を重ねることができたなど)。そして、「良かったところ」を次回の模試ひいては本試験で発揮できると合格へ近づいていきます。

そして思い通りにいかなかった方、むしろこれからがチャンスです。
「間違えた」ことは結果を見た瞬間はマイナスな気持ちに働くかもしれませんが、本試験まで見通して考えれば「プラス」になっているからです。

例えば、最後の2択で迷ってしまって正解できなかった方は基礎的な知識が身についているので、最後の「応用力」の部分を磨けば得点が跳ね上がる可能性があります。
記述式で枠ずれしてしまった方、「どうして枠ずれしてしまったのか」を考えましょう。そして理由を見つけたら、それを防ぐ手段を考えましょう。

私の場合は、枠ずれを防ぐために名前と住所が出てきたら必ずマークをつけて(本試験では色ペンの持込は許可されています⇒本年度の受験案内をご確認ください)住所と名前の流れは必ずはずさないようにしていました。

令和5年度司法書士試験受験案内書【PDF】

こういった対策を立てたのは私自身が模試で枠ずれをしてしまい、記述式の点数が思うように取れなかったことがきっかけでした。
誤解を恐れずにいうと、択一式・記述式限らずに模試で間違えることは今後の対策のために「必要なこと」だと考えています。間違えることで発見することができることは試験対策において多々あります。そして、日頃の学習と模試を照らし合わせて自分自身が間違えやすいと感じたことを「類型化」してしまいましょう。

形式的なことでいえば、「記号を移し間違えてしまう」「○と×を勘違いしてしまう」「誤っているものを選ぶ問題で正しい組み合わせを選んでしまう」「住所を書き忘れてしまう」「移し間違えてしまう」どんな些細な間違えでも気をつけて訂正することで点数につながります。

内容的なことでいえば、「代理の問題をいつも間違えてしまう(民法)」「善意で足りるのか善意無過失まで必要なのか判断できない(民法)」「決議要件があいまいで判断できない(会社法)」等苦手な分野を克服することで点数は上がっていきます。

クラスマネージャーの大家さんがよく間違える論点をまとめてくださっているので併せてご確認ください。

(2)復習のしかたについて

模試を受けた後に悩むのが「どこまで復習すればいいのか」ということだと思います。
この点については、「あまり深入りしすぎない」ことが大切だと考えています。段々と本試験までの時間がなくなっていきますが、この時期に復習の対象を増やしてしまうと情報過多になって「教材の絞込みをかけられない」ことにつながるからです。

教材の絞込みの重要性は高橋講師がまとめてくださっているので参考にしてください。

復習の対象としては(1)で述べたとおり、ご自身の「間違えた」ことの分析を除いては内容面まで完璧にする必要はないと考えています。
模試の問題は重要な知識がある一方で、難易度が高いものやテキストに掲載されていない知識も出題されるからです。こういった知識にとらわれすぎると、時間がなくなっていってしまうので注意が必要です。

とはいっても模試は多くの受験生が受験しているからこそ、仮に似た問題が本試験で出題されると差になりやすいものでもあります。
Aランクの知識と併せて、記述式の答案の流れや間違えた問題を「ざっと」でいいので確認しておきましょう。復習を「1回で終わらせる」という気持ちで模試の復習はなるべく短時間にとどめるのがおすすめです。

2 模試の記述式(不動産登記法)について

私が受験生の頃、記述式は「守りきることが大切だ」という言葉を耳にしたことがあります。
多くの受験生が正解しているものを落とさないことが重要だということですが、今回の模試で皆様の答案を拝見して、どういうことかようやく理解できました。

答案を見ていると、受験生の皆さんが「間違えている部分」はおおよそ同じだということが分かりました。だからこそ、みんなが出来ていることを間違えると痛手になってしまいます。

不動産登記法はやはり「枠ずれ」を防ぐことが重要だということを実感しています。「枠ずれ」を防ぐことは点数を獲得する上で重要ですが、これを防ぐことが試験対策上最難関だと思います。だからこそ、模試だけでなく日頃の学習から枠ずれしてしまったときに「なぜ枠ずれしたのか」を分析して同じ問題で枠ずれしないための思考過程を確立することが枠ずれの防止につながると考えています。

そして「細かなミスをどれだけ防げるか」も重要だと感じました。
①添付書面の選択ミスや②登記原因日付の間違い、③登記の目的の文言間違いが多く見られました。これらの細かな点数も「積もれば山」となります。
「0.5点のミス」が分水嶺になってしまうこともありますので、「細かなミス」ほど丁寧な注意を払うことが大切です。

3 まとめ

以上、模試についてまとめて参りましたが、結論としては「間違えること」をおそれず、間違えたことについて「本試験で間違えないように対策を立てる」ことに尽きると思います。皆様の学習のヒントになりますと幸いです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?