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高橋智宏の"合格"道しるべ

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効率的な学習方法のアドバイスなど,司法書士試験合格のための道しるべを示していきます。 ■Twitter講師アカウント https://twitter.com/syoshi_taka
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2021年1月の記事一覧

人間は忘れる存在~忘却との向き合い方~

みなさん,こんにちは。伊藤塾講師の髙橋智宏です。 【1】はじめに司法書士試験の学習では膨大な知識の記憶が要求されるため、この試験は忘却との戦いともいえるでしょう。 今回は、忘却との向かい合い方についてお話していきます。 【2】人間は忘れる存在 心理学の実験によると,記憶は20分後に約42%,1時間後に約56%,9時間後で約64%が失われます。その後,少し緩やかになり,6日後には約76%を忘れてしまうそうです。よって1回の学習で完璧に覚えたつもりでも,その後復習をしなけれ

「ここが出る!択一出題予想演習」テキストの紹介

みなさん、こんにちは。伊藤塾司法書士試験科講師の髙橋智宏です。 今回は、先日下記の記事で紹介した「ここが出る!択一出題予想演習」について、テキストをお見せしながら講座の紹介をしていきたいと思います。 当講座は、「知識完成編(全8回)」と「総仕上げ編(全2回)」の二部構成となっていますが、今回は「知識完成編」のテキストを紹介していきます。 【1】出題分析表まず、各予想単元の冒頭にて、過去の(単体問題としての)出題実績をまとめています。 こちらの出題実績をもとに、その中で

「片方だけ覚える」記憶術~記憶の負担を軽減する~

【1】はじめに今回は、記憶の負担を軽減するためのテクニックとして、「片方だけ覚える」記憶術についてお話しします。 【2】「できる」「できない」,「当たる者」「当たらない者」 「できる」「できない」、「当たる者」「当たらない者」のように結論が二択となる知識の集合体を覚える場合(e.g.不動産登記法における印鑑証明書の原本還付の可否、登録免許税の還付の可否)、一つひとつ正確に覚えられれば問題ないのですが、一つひとつを覚えようとすると、どうしても混乱してしまいます。 【3】「片

全肢検討という選択肢~本試験戦術の考察~

みなさん、こんにちは。伊藤塾司法書士試験科講師の髙橋智宏です。 今回は、本試験の択一式(特に午後の部)における戦略として、みなさんに「全肢検討」という選択肢を示していきたいと思います。 先に申し上げておくと、この記事は、絶対的に全肢検討を勧めるものではなく、あくまで全肢検討を本試験戦略の選択肢の一つとして提示するものです。いわば軸肢検討と全肢検討は流派が異なり、人によって合う合わないがあるため、やはり軸肢検討の方が自分に合っているという場合ももちろんあるでしょう。 です

令和元年改正会社法の概要

みなさん、こんにちは。伊藤塾司法書士試験科講師の髙橋智宏です。 【1】はじめに令和元年度改正会社法(一部を除く)の施行日が令和3年3月1日されたことに伴い、この改正会社法が2021年本試験の試験範囲に含まれることから、今年の合格を目指す受験生にとって、改正学習をどのようにするかは関心事になっています。 【2】改正学習の注意点 まず今回の改正会社法だけでなく、法改正のインプット学習の全般に言えることですが、改正学習は短期間でさっさと終わらせることが大事です。 改正と聞くと

マイルールを確立する~年明け答練の心構え~

みなさん、こんにちは。伊藤塾司法書士試験科講師の髙橋智宏です。 答練では問題演習を通して自分の解き方のルール(マイルール)を確立させることも重要です。 本試験問題の解き方は多種多様ですが、どのような解き方にしろ、本試験ではマイルールをあらかじめ定めておき、ブレない姿勢を作る必要があります。例えば、択一式の問題を解く順番(e.g.個数問題は一旦とばす)、記述式の問題文・注意事項を読み取る手順などです。 以下、具体的な本試験問題(≒答練の問題)の解き方の提案をしていくので、

講師が紹介する “合格後おすすめの1冊” ~髙橋智宏講師~

スペシャリストからプロフェッショナルへ 生き残る司法書士の条件 株式会社コンサルティングファーム 山口 毅 (著)/きんざい 令和2年度司法書士試験に合格されたみなさん、改めて合格おめでとうございます。 皆さんは、司法書士試験を目標として捉えれば「到達点」に立ったことになり、同時に今後の司法書士の実務での活躍を目標として捉えれば「出発点」に立ったことになります。 後者の観点から立ったときに、今だからこそ考えたいのは、「司法書士として何をしたいのか、どう活躍していきた

【択一式】組織再編・本店移転・持分会社に関する登記(髙橋講師)

みなさん、こんにちは。伊藤塾司法書士試験科講師の髙橋智宏です。 今回の問題 ~組織再編・本店移転・持分会社に関する登記~ 【1】第1問の解説 ~組織再編における承認決議~株式移転における完全子会社が種類株式発行会社である場合において,完全子会社の株主に対して交付する完全親株式会社の株式等の全部又は一部が譲渡制限株式等であるときは,当該株式移転は,当該譲渡制限株式等の割当てを受ける種類の株式(譲渡制限株式を除く)の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議がなければ,原則として

【択一式】役員に関する登記(髙橋講師)

みなさん、こんにちは。伊藤塾司法書士試験科講師の髙橋智宏です。 今回の問題 ~役員に関する登記~ 【1】第1問の解説 ~非取締役会設置会社の代表取締役の就任登記~ 非取締役会設置会社において,取締役が株主総会の決議によって代表取締役に選定された場合には,代表取締役の就任による変更の登記の申請書に,就任承諾書を添付することを要しない(登記研究646号参照)。 【2】第2問の解説 ~権利義務代表取締役の当否~ 代表取締役を兼任する取締役が,取締役という前提資格を喪失する場合,

【択一式】株式に関する登記(髙橋講師)

みなさん、こんにちは。伊藤塾司法書士試験科講師の髙橋智宏です。 今回の問題 ~株式に関する登記~ 【1】第1問の解説 ~種類株式発行会社への移行~  種類株式発行会社でない株式会社が新たに別の種類の株式の内容を定める定款の変更をした場合には,当該株式会社は種類株式発行会社となる(会2条13号)。この場合には,発行可能種類株式総数及び発行する各種類の株式の内容に関する登記を申請しなければならない(会915条1項,911条3項7号)。 当該登記の申請書には,登記すべき事項とし

伊藤塾司法書士試験科講師からの新年のご挨拶

新年、明けましておめでとうございます。 2021年という年が受験生の皆様にとって、法律家への夢を実現する年となりますよう心よりお祈り申し上げます。 伊藤塾司法書士試験科 講師・スタッフ一同、皆様を全力でサポートしてまいります。 新たな年を迎えるにあたって、伊藤塾司法書士試験科講師陣からのメッセージをお届けします。