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<BACK NUMBER>「伊藤塾 歳末大感謝祭」&「チリツモお歳暮『立憲主義』」

みなさん、こんにちは。
伊藤塾行政書士試験科講師の高木美雪です。

年末はいかがお過ごしでしょうか。
断捨離魔の私は、ただいま、行政書士試験科のありさまにうずいております。
教材雪崩警報発令中の平○講師のデスク、食べかけのおやつやらお着替え(講義で全力を尽くすので、汗かき)やらで埋め尽くされた藤○講師のデスク、「紛失物は、まずここを捜索せよ!」の川○講師のデスク…格好の餌食…笑

お仕事、家事、子育て、介護…そこにアフターコロナの流行病、ままならないこともたくさんあったことでしょう。
みなさんからのマイページ質問やパーソナルトレーナーメールには、心から共感していました。受験生時代の私自身も、自分のペースでなんて、なかなか進められない状況でしたから。

今年1年も、日々を精一杯頑張るみなさんの様子に、「私も頑張らなくちゃ!」と奮い立たされました。
新しい年も、みなさんに寄り添いながら、元気ももらいたい。
そう感じています。
伊藤塾行政書士試験科を代表して、心から感謝申し上げます。

さてさて。
このあふれ出る感謝の気持ちを、何かしらの形にしたい…。
というわけで、チリもツモればヤマとなる「チリツモ作戦」を、「お歳暮」としてお届けします!
チリツモ作戦お初のみなさんも、ゆるっと慣らしていきましょう!
本試験で、結構的中させてます!

Q.○○○○の原理は、 専断的な国家権力の支配を排斥し、法によって権力を拘束することによって、国民の権利・自由を擁護することを目的とするものであり、英米法の根幹として発展してきた基本原理である。
さて、〇○○○の原理とはなんでしょう?
制限時間は5秒!

…はい、5秒!もはや早押しクイズ!

正解は、「法の支配」の原理です。
ついでに、この原理と同じく、法によって権力を制限しようとするもう1つの原理も思い浮かびますか?
思い浮かんだら、完ぺき!
そう、法治主義です。

ひとくちに欧米といっても、絶対王政や革命の趣旨はその国ごとに異なり、解釈も様々。全てを解説すると一大スペクタクルになってしまいます。
なので、行政書士試験の範疇として、かなりざっくり解説させてもらいますね笑
以下、ざっくりと。

法の支配の原理とは、英米法の根幹をなす原理です。
一方、法治主義の原理は、大陸法の根幹をなす原理です。

両者の共通点としては、自分の懐次第で税金を取り立ててきたり、気分で厳しい処罰を与える絶対王政への反発から生まれた原理ということです。
例えるなら、ジャイアン主催の超一方的なカラオケ大会に、「今度から、カラオケ大会のルールは自分たちが決める!」と、のび太が反旗を翻した感じ。
そう、のび太がジャイアンから立法権を勝ち取ったイメージが正解。

一方、両者の相違点としては、2つあります。
1つめは、「法」の内容です。
法の支配の「法」は、内容としても正しい「法」、つまり人権侵害を許さないというものです。
それに対して、法治主義は、「法」の内容を問わず、悪法も法なりという発想にもなりえるものです。

2つめは、民主主義との関係です。
法の支配は、国民の権利・自由を保障するには、国民の国政への参加が不可欠であり、民主主義と深く結びつきます。
それに対して法治主義は、民主主義以外の政治体制とも結びつきえます。
代表的な例が、戦前のドイツ。
強固な絶対君主制が確立してしまっていたので、国民の権利は、君主が制定した法によって与えられた権利にすぎない、とされていました。

なお、豆知識を1つ。
英米法といっても、英と米をひとからげにするのは、本当は難ありです。
ご存じの通り、アメリカは、英国議会と国教会に弾圧された清教徒が建国しているので(ピューリタン革命や王政復古等)、議会に対する不信感が根底にあります。
裏返すと、その分、裁判所に対する信頼が厚く、違憲立法審査権を尊重し、確固たる三権分立を実行しています。法の支配を徹底している国、といわれるゆえんなのです。

…全然ざっくりではないお歳暮?…お許しを。
1年の締めくくりに、命をかけて権利と自由と平等を勝ち取ってきた先人たちにも感謝祭ということで…汗
そして、この一口が、違いの分かる法律家への一歩間違いなし!
お口に合うとよいのですが…笑

ご一緒に、ゆるっとやっていきましょうね!