マガジン

  • 伊藤ガビンの「はじめての老い」

    編集者 伊藤ガビンによる「老いの初心者」としての雑記です。

最近の記事

はじめての老い -握力の低下にショックを受けていることにショックを受けた話-

お久しぶりでございます。 老いてないと、注意されるようになってきております。 肉体と精神は日々老いて老いて老いまくっておるものの、このシリーズ原稿をアップするのを忘れておりました。 実は、まあまあ、たまっているので、アップしていきますぞ。 握力がない! 数年前より、うすうすと感じていたことなのですが、いよいよ握力が低下したことを認めざるを得ないことになってまいりました。 握りこぶしに力は入り切らないなあ、とか、重いものを掴んだ時の感触が思ってたんと違うなあ、とか感じてお

    • はじめての老い -ついに眉毛が伸び始めた!-

      村山富市である。 ついに内なる村山富市元首相が動き出した。 ある日、マスクの下でたわわに実ったヒゲを剃ろうじゃないかと、鏡に向かったところ、目に飛び込んできたのは村山富市さんのように伸びに伸びた眉毛だった。すごい。来たのか。あれが。この我が身にも! 長い! 長いぞ! 眉毛が長い! ウォー。 なにがウォーなのか。 「老いは常に、鏡で発見される」 誰かが書いた名言っぽく書きましたが、俺がいま書きました。でも、似たようなことはいろんな偉人が言っきていると思います。自分が年をとった

      • はじめての老い -センパイの話-

        たぶん5歳ほど上のセンパイがいます。ミュージシャンの戸田誠司さんです。つい先日京都で戸田さんとご飯を食べまして「老い」についての助言をいただきました。いやあ、面白かった。 戸田さんの正確な年齢は知らないんですが、20代前半からの付き合いで、人生の要所要所でフラッと現れては謎の助言を残して去っていくというセンパイであります。そしてそろそろ音源出してくれやと言いたい。来年で前のアルバムから20年ですよ。 それはさておき「謎の助言」ですが、ちょっと年上ということもあって「これか

        • はじめての老い -人間ドックの見え方が変わった話-

          ついこの間、人間ドックに行ってきたんですよ。初めてってわけじゃなくて、毎年行くようにしていたんですけど、コロナでちょっと間隔があいてしまって。この「はじめての老い」を書き始めてからははじめてです。 あ。そのまえに。 この原稿は編集者のわたくし伊藤ガビンが、老いの初心者マークがついているわたくしが日々感じている「老い」について書いているメモのようなものです。過去の原稿はマガジン形式でまとめているのでこちらからどうぞ。 さて。 このシリーズを書きはじめてからというもの、いろい

        はじめての老い -握力の低下にショックを受けていることにショックを受けた話-

        マガジン

        • 伊藤ガビンの「はじめての老い」
          13本

        記事

          はじめての老い -ブランコが怖いということ-

          「はじめての老い」シリーズは、老いの初心者伊藤ガビンが、初心者なりに感じていることを記録しているものです。 30代の中頃くらいからかな、気がつくと高いところが苦手になっていたんです。そして40代、50代と苦手を超えてどんどんどんどん怖くなってきました。設営仕事やらなんやらで稀に脚立に登る機会があるのですが、涼しい顔をしながら、身体の中心部がキュッと縮みあがってしまう。もともとシワシワなのに、キュッと縮んでさらにシワが倍。脚立を降りてからもしばらく膝がガクガクしています。膝で

          はじめての老い -ブランコが怖いということ-

          見えない老い -手が信じられないほどカサカサになるという話-

          「老い」に関するトピック世界におきましては「老眼」や「頻尿」「ものわすれ」なんかはトップスタアなわけですが、実は名前のつかない「老い」がいろいろとありまして、日々の暮らしの端々でそいつらにダメージを食らうんです。家事で言えば「見えない家事」と呼ばれるような、小さくてそしてやっかいなやつ。それが私の何かを削っていくんです。 今日はそんな話です。 この原稿は編集者の伊藤ガビンが、日々感じている「老い」について、初心者としてメモしているものです。マガジンにしているので興味があった

          見えない老い -手が信じられないほどカサカサになるという話-

          服装がずっと同じ問題

          この原稿シリーズは、老いの初心者である伊藤ガビンが、特に調べもせずに日々感じている「老い」について初心者視点でメモしているものです。 「はじめての老い」を生きていくなかで、何度も「問題」として私の頭のなかでグルグルグルグルして、そして特に答えを見つけられないまま放置し続けているものに「服装」があります。つまり、老いてなんの服を着ていくのか? これからどんな服を着ていきゃんだよ俺は? という問いですね。 この「服装」について、シャキッとしない台詞をあーでもないこーでもないと家

          服装がずっと同じ問題

          [朗報] 時間が経つのは年々それほど早くならないのではないか、という話

          題字:タナカカツキ うわ、ついこのあいだ新年が明けたと思ったのにもう3月。やばい。これはやばい。致命的にやばい。 なぜやばいかというと、今回「時の経つのは言うほど早くないよね」ということを書こうと思っていたんです。なのにあっちゅう間に3月。なんてことでしょう。これではこれから書くことにまったく説得力がない。 しかし……もともと説得力があったのか? というと、あるわけがない。あったためしがない。矛盾に寛容になるのが老いのよいところ(なんでも老いのせいにしていくぞ)。気にしない

          [朗報] 時間が経つのは年々それほど早くならないのではないか、という話

          CLOVA Noteを通して自分の欲しい道具がはっきりした話

          この原稿はモーリさんの「文を紡ぎ編む人たちの Advent Calendar 2022」に参加しているものです。 このAdvent Calendarの主旨などはモーリさんのエントリを参照のこと。 さて、自分で名前を書くことにすっかりご無沙汰デイズだったのですが、リハビリ的にnoteにて「はじめての老い」というものを書き出しまして、そしたらまあまあ筋肉ほぐれてきた感あり、来年はもっと書くゾウ(パオーン)という気持ちなのですね。 「これなら仕事に使えるな」の万年ループ問題そ

          CLOVA Noteを通して自分の欲しい道具がはっきりした話

          らくらくホンを買う日を想像する

          題字:タナカカツキ 「老い」の永遠の初心者として、「はじめての老い」についての書きなぐるシリーズ5回目です。過去記事はここにまとまっています。 https://note.com/itogabin/m/mfadfc4b35ea7 本日のお題は「新しい機械についていけなくなる」問題。からの「老いとスマホ」の関係について。 みなさんは、自分がらくらくホンを買う日を想像したことがありますか? そうです、正確な名前は知らないけど、キャリア各社が出しているシニア向けのケータイです。

          らくらくホンを買う日を想像する

          こんにちは老害です ──老害の側から考える老害──

          老害への変身 こんにちは、老害です。 そこそこ長いこと生きていると、自分の視点がパチンとスイッチを入れたように切り替わる瞬間があります。 例えば僕の場合は、20代後半の頃、バイク事故で亡くなった友人の葬式に出たんですね。その時、なぜかわからないんだけど、視点がパッチーンと「事故で子供を亡くした親」に変わってしまって、異様に悲しかった…。子を持つ親どころかまだ独身だったのに。そして、そこからはもう視点を「故人の友人」に戻すことはできなかった。 またある時には、猫がネコト

          こんにちは老害です ──老害の側から考える老害──

          四季のように髪の毛を

          題字:タナカカツキ 「老いの初心者として」のシリーズ第3話です。 第1話は、こちら 第2話は、こちら *以下の文章に「ハゲ」という表記が登場しますが、差別的な意図はありません。言葉そのものがどうにもこうにも不快という方は、このページを閉じてくださいませ。 それに失敗はない 先日、イルリメこと鴨田潤さんとお茶をしていた。イルリメこと鴨田潤さんは、トラックメイカー、ソングライターにして文筆家、最近はアニメーション制作をブリブリッとこなす人です。私は彼の作り出すものが音楽、

          四季のように髪の毛を

          シーシー問題

          題字:タナカカツキ 「老い」の初心者としてシリーズ第2回です。(1回目はこちら)noteの使い方がさっぱりわからない、よぼよぼなのにヨチヨチ歩き。よろしくお願いします。 数ヶ月前のことです。 ぶらりと近所の定食屋でミックスフライ定食的なものを食べたところ、食べたものが歯に挟まったんですね。 まあまあまあ、それはいいじゃないですか。歯に食べ物が挟まることくらいはありますわ。鶏のささ身やイカとかね。繊維質がこれでもかと主張してくるタイプのヤカラがぐいぐいと歯に挟まってくること

          シーシー問題

          老いについての初心者として

                                  題字:タナカカツキ こんちは。編集者の伊藤ガビンです。 いささか唐突ではありますが「老い」について書いていきたいと思うんです。なぜかといえば「日々老いていきまくってる」からですね。老いに勢いがある。自分の中の「老い」が元気すぎる。やたら活発に老いていってる。 刻々と新情報がもたらされる(私の体からですよ)ので、意識せずにいられないのです。 「老いコンテンツ」なんて、供給過剰だろうと思うんですよ。もういらんやろと。しかし実感とし

          老いについての初心者として