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那須夫婦殺人事件と駄目な会社のマネジメントの共通点とは?
『自走するチームの作り方』著者で、チームビルディングコンサルタントの伊藤じんせいです。
部下とのコミュニケーションに困っている上司の方に役立つコラムを日々、投稿しています。
最近、那須で夫婦の遺体が発見された事件のニュースが社会に大きな衝撃を与えました。
この事件では、大河ドラマにも出演したことがある元俳優の若山耀人(きらと)容疑者が実行犯の一人として逮捕されるなどし、芸能界という華やかな経歴を持つ人物の関与が更に世間の注目を集めています。
しかし、若山容疑者の計画性に欠けた犯行とその後の未熟な対応は、早期逮捕につながりました。
若山容疑者は、死体を焼却するという指示を受けていました。
しかし、具体的な方法については指導されていなかったため、焼却に失敗しました。
なかなか死体が燃えないのでパニックになり現場から逃げてしまい、最終的に警察に自首することになりました。
今日は頭の体操なのですが、どうしたら新人が仕事を遂行することが出来るのかを一緒に考えていければと思います。
この事件は、駄目な会社のマネジメントと構造が非常に似ています。
共通点は、特に以下の3つのポイントに集約されますので、ひとつひとつ見ていきましょう。
1)事前トレーニングの不足
若山容疑者が受けた死体を焼却し遺棄するという指示は受けていましたが、実行するための具体的な方法の指導がなされていなかったため、計画は失敗に終わりました。
若山容疑者は、殺人に対して全くの素人だったので、人間の身体はほとんどが水分で出来ているため燃えにくいというプロには当然の知識がなかったのです。
犯行が失敗に終わったのは、事前にしっかりとした訓練や指導が行われていなかったからです。
これは会社でいうと、実務経験のない新人に、新人研修や事前トレーニングをせず、いきなり現場に出し、大きなミスをしてしまう会社と同じです。
成果を焦って、知識のない素人の新人スタッフに現場に立たせても何も分からないので、上司が予想しないような大きなミスをし、会社に重大な損失を出すのは目に見えているのです。
2)ミスの報告ができない心理的安全のない職場
焼却失敗後、容疑者は指示役からの報復を恐れ、結果として警察に自首し自分の身を守りました。
心理的な安全がない組織では、上司にミスを報告すると怒られるため、ミスを報告しづらくなります。
問題を隠蔽する傾向にあるので、問題の発覚が遅れます。
結果的に、さらに大きな問題を発展し、取り返しのつかない状況になってしまうのです。
実際、この事件では遺体焼却のミスの報告が行われず、指示役たちが何も対処できなかったことが、死体の早期発見に繋がったのです。
これは、心理的な安全がないため、事前に、わからないことを上司に相談できず、ミスがあっても上司に報告しにくい会社と同じです。
3)根本的な目標の誤りとチームの崩壊
元々殺人という目標で集まったチームは、信頼関係が築けず、最終的には裏切りが生じ、チームが崩壊するのは必然です。
この状況は、目標設定が不適切で信頼関係が欠如している組織で見られる問題です。
売上だけを目標とし、売上のためなら、お客を騙したり、取引先を泣かすような契約をしてもOKだという会社は崩壊します。
これらの3つのポイントは、組織やチームのマネジメントにおいて重要な教訓となります。
具体的には、部下に対して事前の研修やトレーニングを徹底し、心理的安全性を確保することで、部下がミスを恐れずに報告できる環境を作ることが求められています。
また、チーム全体で正しい目標を持ち、それに向かって協力することで、組繹全体のパフォーマンスを向上させることができます。
これらは、長期的に見て組織全体の成長と発展にプラスになるでしょう。
実際、私のコンサルティングや研修では、チームで仕事をするうえで大事にして行きたいことや自分たちが、社会にどんなことで貢献できるかという使命について、ひとりひとりに考えてもらいます。
それらを、チームで話し合ってもらい、ひとりひとり共有したうえで、具体的な目標を決めていくので、正しい目標を設定することができるのです。
那須の事件は、一見すると遠い他人事のように思えるかもしれませんが、実は私たちの組織におけるマネジメントと部下との関係に多くの学びを与えています。
私も殺人事件からマネジメントが学べるとは思いませんでした。
あなたの組織のマネジメントや部下との関係は、どうですか?
今一度、考えてみてはいかがでしょうか?
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