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Insight Tech アイタスクラウド営業担当です。
「デジタル人民元」 ちょっと前からよく聞くワードですよね。

中央銀行が発行するデジタル通貨のことで、
CBDC(Central Bank Digital Currency)と言われています。
それの実証実験が日本でもいよいよ始まるようです。

中銀デジタル通貨、この春から実験を開始予定=黒田日銀総裁
2021年3月16日 午後1:50 ロイター 

昨年ニュースになった時は「仮想通貨と何が違うのよ」「民間のキャッシュレス決済と何が違うのよ」と正直思っていましたので、これを機に色々調べてみました。

中央銀行が発行する通貨、日本で言えば日本銀行券(紙幣)と貨幣ですね。
これをデジタル化しようという話でなのですが、背景には金融における不正防止、通貨主権の維持などの思惑があるようです。

■不正防止

極端な話ですが、現金決済の場合匿名性が高いため、どのような方法で得たお金なのか、ちゃんと納税してるのかなど分からない場合があります。また、映画とかで良くありますが、資金洗浄(マネーロンダリング)などの犯罪にも利用されやすいことから、監視しやすいようデジタル化を進める動きがあります。

■通貨主権の維持

facebookの「リブラ」というデジタル通貨をご存知でしょうか。
今年にもローンチと言われていますが、リブラは構想を発表した当初、
複数の法定通貨を担保とした形で利用できることを想定したものでした。
(価値が安定しており複数の外貨としても使えますよといったイメージです。)

しかし、利用者が増える(現金決済からリブラ決済に代わる)ことによって、現金の必要性が薄れていき、現金発行が減少、結果として中央銀行の業務を支える通貨発行益(利子所得)が減少してしまうことが懸念されました。(自国の通貨がリブラに取って代わられる心配もあった)

故にリブラは規制当局から指摘を受け、当初の構想から大きく舵を切り、米ドル担保のみでのスタートになるようですが、この構想を皮切りに、各国でデジタル通貨の検討が加速したようです。


関連記事が大量にありましたが、以下の記事が分かりやすかったので添付させていただきます。

中央銀⾏デジタル通貨発⾏の罠 2021 年 1 ⽉ 22 ⽇ みずほ総研
新通貨・リブラが促す中銀デジタル通貨と通貨主権の侵害 
2019/07/03 野村総研


各国の目的は事情により様々だと思いますが、民間企業が新しい通貨を作りだして脅威になっているから、自国の通貨を守るためにデジタル化しようというのが根本にあり、デジタル化によって中央銀行に決済情報が集まるようになれば不正防止にも役立つから尚のこと進めようという流れになったのかなと思います。

新しい取り組みというよりは、仮想通貨への対抗策という色が強いのかもしれませんね。

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