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89.滞在許可証の申請キットと一連の流れ

移住の第一歩は、留学や就労ビザを日本のイタリア大使館や領事館で取得することです。
これがないと90日を超えてイタリアに滞在することができませんから。
そして、そのビザで入国したら次に必要なのが滞在許可証です。


申請キットをもらう

滞在許可証の申請・更新について、この10年ずっと私がやってきた方法ですが、めずらしく変化はありません。
なので、当面、この手順を踏めば良いと思います。

まずは最寄りのPoste Italiane(ポステ・イタリアーネ)、郵便局へ行って申請キットをもらいます。
ブラッチャーノでは無料ですが、場所によってはキット料金を徴収する場合もあるとか。
窓口担当者によって言うことの異なる洗礼を、まずここで受けることになるかもしれません。

郵便局でもらえる申請キット

A4大の封筒に申請用紙や説明書が入れられたものです。
最終的にこの封筒の中に必要書類を入れて郵送するので大切に保管しておきましょう。

キットの封筒の中身

封筒の中には、申請用紙、書き方の説明、コード表、振込用紙が入っています。

郵便局によっては在庫のない場合もあるので、何軒か回ることになるかもしれません。
私もブラッチャーノの郵便局で1週間ほど待っても届かず、結局、ローマのポポロ広場近くの郵便局でもらったことがあります。

申請用紙に記入する

申請用紙に記入する前に、まずは書き方の説明を読むことをお勧めします。

Foglio Note(説明書)

黒ペンを使って書く、枠内にキチンと収まるように書く、など細かい指示が記されています。

Modulo1(書式1)

Modulo(モドゥロ)という申請用紙が2種類入っていますが、留学用ならModulo1だけでOKです。
Modulo2は就労用を申請するときにのみ必要になります。

苗字、名前、住所、滞在理由、パスポート情報などを黒ペンで枠内に収まるように書いていくだけです。
短縮コードを書く欄は、同封のTabella(タベッラ)というコード一覧表を見て、居住地の短縮コードや滞在理由のコードなどを確認して書いていきます。

全部で8ページ綴りですが、すべてを埋める必要はなく記載不要なページや欄もあるので注意が必要です。
後半は配偶者や子供を伴っての移住者のみが記入するページなので、この記事を読んで留学移住をする方は記入の必要はありません。

書類をそろえてコピーする

記入が済んだら封筒に入れて送る各書類の準備と、そのすべてのコピーです。

パスポート
学校の入学証明書
授業料の振込確認用紙
銀行の残高証明書の英語またはイタリア語版
居住証明書
家の契約書
1年間をカバーする健康保険契約書

とくにパスポートは全頁をコピーしないといけないので、結構な手間になります。
残高証明書は、日本の銀行なら日本にいるうちに準備しておかないと、国際郵便で送ってもらうことになるので要注意です。

しかし1度、試しに日本で発行されたのを妹に頼んでPDF化、メール送信してもらい、それをこちらでカラー出力して提出したことがあります。
ダメと言われたらその時に対処しようと思ったのですが……ぜんぜん大丈夫でした。

郵便局からセンターへ送る

申請用紙の記入と書類のコピーが済んだらその全てを持って、16ユーロの収入印紙を購入して郵便局へ行きます。
収入印紙はMarca da Bollo(マルカ・ダ・ボッロ)と言いますが、日本と違って郵便局では扱っていません。
タバッキ(タバコ屋)やエディーコラ(新聞スタンド)で購入して下さい。

窓口では郵便局員が記入や書類に不備がないか確認します。

1度、パスポートを全頁コピーするのが面倒で、前回コピーしたのが残っていたのでそれを提出したことがあります。
実はその間、一時帰国していたためパスポートにそのときの出入国スタンプが新しく押印されていました。
すると、局員はすかさずそれを発見。
結局、コピーのやり直しに列の並び直し、ということになりました。

郵便局での支払いは、書類の発送料として30ユーロ、滞在許可証の申請料として80~100ユーロほどです。
申請料は毎回少しずつ変わりますが、局員が分かっているので大丈夫……とも言い切れず、1度不足していたのをクエストゥーラで指摘され、その場で再振り込みさせられたことがあります。

指定日時にクエストゥーラへ行く

郵便局から移民センターへの申請用紙の発送が終わると同時に、自動的に最寄りのクエストゥーラでのアポイントメント日時を指定されます。
私の場合、たいてい2~3週間後ですが、ローマなど大きな都市だとそのアポイントメント自体が2、3ヵ月以上先になることもあるそうです。

クエストゥーラへ行くときには、郵便局でもらったアポイントメント用紙、手数料の振り込み済み用紙のほか、封筒の中に入れた書類一式、さらにその全てのコピー、パスポート、証明写真4枚を持参します。

クエストゥーラでは簡単な質疑応答と書類の確認、指紋登録が行われ、無事に終了したら、滞在許可証の発行です。

2024年現在、移民数が増えているのか10年前に比べて時間がかかるようになってきています。
おそらく滞在許可証を受け取るまでのこの一連の流れに、最短で3か月、最長なら半年以上を要することになるかもしれません。

例年6月下旬から始まる湖水浴シーズン
ブラッチャーノ湖に1年中棲息している白鳥

ブラッチャーノ湖では夏の間、湖水浴を楽しめます。
白鳥が飛来するのではなく1年中棲み着いていて夏はここで子育てをするのですが、まったく人間を怖れていないので、親子連れの白鳥と一緒に泳ぐこともできます。

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