人生を立て直す

大学卒業を控え、人生の岐路が見えてくる。私のような大学演劇の役者にとって演劇を続けていく方法は二つある。

一つは普通に就活して就職して、演劇も続けていくもの

もう一つはアルバイトをして演劇を続けていくもの


私は3月まで新卒で公務員になるつもりだった。身体が重くて憂鬱で、誰にも頼れないけど、なんとか勉強していた。

どれだけ勉強しても憂鬱は消えなくて、たまに会って話す大人は「公務員にこだわらなくていい」って言うけど、公務員以外の就活の仕方なんてわかんないし、大量の情報を集めて大量の書類を出して、大量のハラスメントを受けてなんて考えていたら余計に身体が動かなくなる。


つらい。こわい。相談してもきっと怒られる。私だけダメだ。私だけ独りだ。


何をしても落ち着かなくて、身体に力が入らなくて、外に出たら何かの拍子に幽霊になってしまいそう。中等度うつ状態と言われた頃と同じ感覚が続いていた。


何かしていた訳じゃないのに、休みたい。

休めないなら、生きられない。


誰にも咎められないためには、いっそ終わらせるのが最善なのかもしれない。それでもやりたいことが思いついてしまった。


写真集を作りたい。


ベッドから起き上がれないまま、スマホのメモに構想を打ち込んでいた。

着たい衣装、使いたいスタジオ、撮りたい雰囲気

就活できるのか曖昧なままで、生きられるかわからなくて、それ以外の未来なんて何も見えなかった。



そんな日々を過ごす中で、未来をまっすぐに見るきっかけがやってきた。

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【募金箱】病人ですが演劇も被写体もこれからやっていきたいです。サポートしてくれたらもっと色々できちゃうかもしれないので、興味があれば是非。