『Sports for Children NAGAOKA』構想

【VISION】

スポーツを楽しみたい全ての子どもに、思いっきりスポーツが楽しめる環境を提供する。

【MISSIONS】

●家庭の経済格差によるスポーツ環境の格差解消(スポーツバウチャー事業)

●「プレイヤーズファースト」を体現し、学び続けるスポーツ指導者の育成(指導者育成事業)

●選手・チームの「楽しみたい」と指導者の「力になりたい」をつなぐ(指導者マッチング事業)

生まれ故郷の長岡で、いつか成し遂げたいことのひとつがこの「Sports for Children NAGAOKA」構想です。

現在はまだ単なる思い付きですが、いつか成し遂げたときに「構想〇年!!!」と言うためにいまのうちに書いておきます。

あとは誰かに先を越されてしまったときに「俺が最初に考えてたよ!」と言えるように。なんて言っておいて「それ、もうあるよ」と言われたら恥ずかしいですね。いや、似たようなものがもし既にあれば勉強したいので是非教えてください。

「Sports for Children」とは?

わかる人には「Sports for Children」という名前ですぐわかるように、核となるアイディアは「Chance for Children」の丸パクリです。(なのでそもそも発案者を名乗れるはずもありません。)

Chance for Children(CFC)とは、経済的な困難を抱える子どもたちに、学習塾や習いごと等の学校外教育サービスに利用できるバウチャーを提供する活動をしている公益社団法人です。詳しくはWebサイトをみてください。個人からの寄付も受け付けています。

CFCを初めて知ったときは「こんなものがあるのか」程度の認識でしたが、これからの地域スポーツの在り方について思いを巡らすうちに、「CFCの地域スポーツ版が必要だ」との思いに至り、さらにはこれを核として様々なブレイクスルーを生み出せるのではないかと考えるようになりました。

先日のnoteでも言及したように、学校における部活動の在り方は抜本的な改革を迫られています。特に公立校では部活動の縮小や廃止の流れが不可避であり、地域スポーツクラブへの受け皿移行を模索する時代が来るでしょう。そこでまず危惧されるのは、家庭の経済状況により子どもたちのスポーツ環境に格差が生まれることです。

部活動では、施設や設備は学校のものを活用し、指導は教員のサービス残業により提供されていたため、選手はシューズなど自分の用具以外は経済的負担がほぼありませんでした。しかし、地域スポーツクラブでの活動には「会費」が必要になります。その運営方法により金額には幅がありますが、会場利用料や指導の対価を選手の保護者が負担しなければならず、「会費が負担できないからスポーツをやらせてあげられない」ということが起こるようになります。

これまでも、用具代だけでも重荷となってスポーツを諦めなければならなかった子どもたちが居たはずですが、そういう子どもがさらに増えてしまうかもしれません。そういった子どもたちを救うために必要なのがSports for Children(SFC)なのです。

スキームは単純です。地域スポーツを支えてくれる個人・法人から寄付を募り、それを財源に地域スポーツクラブの会費等として利用できるバウチャーを発行する。CFCを「地域」×「スポーツ」に限定しただけですね。

例えば、対象を「住民税非課税世帯の子ども」とし、毎月2,000円相当のバウチャーを交付すれば、月会費が4,000円のスポーツクラブに自己負担半額で通えるというわけです。寄付金が100万円あれば、単純計算で約40人の子どもに月2,000円相当の支援が可能です。

もし実現できればこれだけでも大きな社会的意義があると思いますが、色々と妄想を巡らせるうちにSFCにはさらに大きな可能性があると感じるようになりました。

SFCのさらなる可能性① スポーツクラブごとの追加的支援

SFCの支援を受ける子どもを受け入れるスポーツクラブが、独自でさらなる減免制度を設けたり、用具の貸与やOBからの譲渡をあっせんしたりすることも可能です。

こういうことをやりたいと思っているスポーツクラブがあっても、一クラブ単独でやるのは大変です。対象となる子どもをどう線引きするかを決めて保護者に説明しなければなりませんし、いざやるとしても保護者の方に「じゃあ世帯全員の所得証明書持ってきてください」と言うのも気が引けます。プライバシーの問題もあります。

そこで、第三者であるSFCが「支援が必要な子ども」であると教えてくれれば、クラブごとに基準の設定・説明や手続きをする必要がなく、クラブとして追加的にどんな支援ができるかを考えればよいだけになります。

SFCのさらなる可能性② 地域スポーツをパッケージ化してスポンサー獲得

個々に企業等からの支援を受けているクラブもありますが、普通はハードルが高いです。全国でも先駆的なわずかな例を除けば、クラブ代表の個人的つながりをきっかけにした小口スポンサーなどが多く、支える側も支えられる側もメリットは限定的なのが現実です。地元企業も、クラブAを支援してライバルクラブBの関係者に嫌われるよりは、どちらも支援しないという判断に至るのは自然でしょう。

そこでSFCが地域スポーツの代表窓口として支援を受け、それを子どもたちや地域クラブに還元することで両者のメリットを最大化し、デメリットを最小化することが可能です。支える側としては「特定のクラブを支援している」と言うよりも「地域のスポーツを支援している」と言えたほうが企業の社会的責任を果たしているとメッセージを発しやすいです。また、支えられる側としても、限られたマンパワーでスポンサー営業せずとも、より多くの支援を受けられる可能性があります。

JリーグやBリーグを見ても、甲子園や高校選手権を見ても、「地域」と「スポーツ」は相性抜群です。SFCがもたらすのは日本全国に通用する普遍的な価値ですが、私があえて「地域」にこだわるのはこれが理由です。

SFCのさらなる可能性③ スポーツクラブの品質保証効果(≒クラブライセンス制度)

スポーツバウチャー事業を行うには、SFCと個々のスポーツクラブが提携する必要があります。提携先とするスポーツクラブに一定の基準を設けると、SFCの提携クラブであることがひとつの品質保証になります。

基準例を挙げるとこんな感じです。

・パワハラ的指導や暴力といった不適切な指導を徹底排除する宣言をしていること

・要件を満たす指導者が一定数以上在籍していること(要件は、協会が発行する指導者ライセンスや、後述するSFC主催の講習を修了していることなどを想定)

・常勤する指導者数に対して過大な人数の選手を受け入れていないこと

これによって、提携クラブであることが、子どもや保護者がスポーツクラブを選ぶ一つの基準になりますし、ひいては提携クラブであり続けるためにクラブの自浄作用が働きやすくなります。つまり、SFCの支援を受ける子ども以外も間接的に恩恵が受けられます。

個人的にはSFCに最も可能性を感じる部分でもあります。

2018年はスポーツ界の指導者があまりにも多くの事件や不祥事を起こしました。全国的に報じられたものは氷山の一角に過ぎず、望ましくない環境で苦しみながらスポーツをする子ども、そして望ましくない環境に耐えきれずスポーツを辞めてしまった子どもが日本全国津々浦々にいます。

また、競技力(チームの強さ)以外にスポーツクラブを選ぶ要素が少ないのも問題です。選手をたくさん集めて、軍隊のように鍛え上げ、有望な選手だけに資源を集中投下すれば短期的には勝ちやすいです。このような指導は選手たちにとって幸福なものではないですが、外部から見ていてもその実態はわかりにくく、結局いま強いチームに子どもが集まりやすいのが現状です。

SFCがこれを打破する一助になれば。

SFCのさらなる可能性④ 指導者の学びの場の確保

スポーツ指導者には学ぶ機会が少ないです。多くの指導者は自分の選手時代の経験を頼りにして手さぐりに指導をはじめます。学ぶ意欲がある指導者でも自分で本を買って読んだり、あとはOJT方式で先輩指導者から助言を受けたりする程度で、誰しもが体系的に学べているわけではありません。

SFCが講習会・研修会・情報交換会の主催者となり、ビギナーコーチ、ヘッドコーチ、クラブ代表等の経験や立場に応じた学びの機会を提供することで、地域の指導者のレベルアップに繋がります。また、この講習会を先述したクラブライセンス制度と紐づけることで、インセンティブを付与することもできます。

SFCのさらなる可能性⑤ 指導者マッチング

地域スポーツの指導者業界はかなり閉鎖的です。新たにコーチになる人の大部分は既にコーチをやっている人の元々の知人やクラブOB、そしていわゆるお父さんコーチです。元々人柄がわかっている安心感もあるので決して悪いことではないのですが、「指導者になりたい」という想いがある人を活かしきれていない現状もあります。

指導者が欲しいクラブと指導したい人が個と個で出会うのは難しいので、仲介する組織があればより流動的になるでしょう。国がさらに増やしたい部活動外部指導員の確保にも一役買うはずですし、私が目論む副業としてのスポーツ指導者の環境整備にもつながるのではないでしょうか。

まとめの代わりに

何かを投げ込むと時に全く予想してなかった面白いことが起こるのがnoteやTwitterの面白いところ。これを読んで何か感じたことがあれば、私のTwitter(@iszkngok)へなんでもコメントください。

もちろん「自分の地域でやってみたい」という方がいればやっちゃってもらっていいですし、もっと詳しい部分をお伝えするなどできる協力はさせていただきます。

これ、やる人と金出す人と受け入れるクラブがあればやれる範囲でやれるはずです。というか本気でやる人がいれば金出す人と受け入れるクラブはきっと見つかると思うので、私に先駆けて本気でやる人はぜひ現れてほしいです。

一番現れてほしいのは「金は出すからお前が長岡でやれ」って言ってくれる人ですけどね。

気が向いたらサポートをお願いします。いただいたサポートは長岡西陵スポーツクラブの活動に活用いたします。