観光地のもったいないホスピタリティ
おはようございます、いすむです。
今日のテーマは昨日に続いて観光地のもったいないシリーズの第2弾、「観光地のもったいないホスピタリティ」についてお話しします。草津温泉への旅行で感じたことをまとめてみました。(↓前回のnote)
まず、ホスピタリティについて少し説明させてください。英語のhospitalityは、日本語では「おもてなし」や「相手が気持ちよくなるような接客」といった意味合いで使われます。
ぼくはこのホスピタリティについては結構勉強してきた方だと思います。というのも、高校生と大学生の時にマクドナルドでアルバイトをしていた経験があるからです。
マクドナルドで働くと、ホスピタリティについてかなり厳しく指導されます。細かいマニュアルがあって徹底的なトレーニングを受けるんです。そこで得た知識は今でも活きていると感じています。
一方で、観光地の旅館やホテルに行くと、「ここをもうちょっとこうした方がいいな」と思うことが多々あります。もちろん、接客自体は素晴らしいと思います。上から目線で言うわけではありませんが・・・。
言葉遣いや笑顔、表情、振る舞いなど丁寧で素晴らしいので大きな違和感を感じることはほとんどありません。ある程度お金をかけた施設であれば人との対応、接客という面ではほぼ問題ないと思います。
実際、今回の旅行で妻も「評価の高いホテルでとても綺麗だったし良かったね」と感想を言っていました。ただ、ぼくはどうしても細かいところまで見てしまうんですね・・・。これは良くないことかもしれません。自分で勝手に満足度を下げてしまっている気がします。
では、もうちょっとこうだったらいいなと思うホスピタリティについて具体的に話しましょう。まず、内装や設備については、きらびやかで綺麗、広くて大きいといった点は、確かに満足度を高める要素になっています。これらは一目見ただけで印象に残るので、細かいところまで目が行かないんです。
問題は小さなところにあります。例えば、トイレです。
部屋の中のトイレで、便器の中がかなり汚れているところがありました。トイレは毎日丁寧に掃除しないと綺麗にはならないものです。「トイレが綺麗なところは商売が繁盛する」といった言葉をよく聞きますが、まさにそのとおりだと思います。
また、旅館やホテルにはディスプレイがよく置いてあります。今回は人間国宝の方が作られた陶器の壺や花瓶が展示されていました。グラデーションが美しく、さすが人間国宝と思わせる素晴らしい作品でした。
ところが、その目の前に立て看板が置かれているんです。ディスプレイの半分くらいは作品がちゃんと見えるのですが、残りの半分は近くの飲食店のメニューやイベントの案内、お土産の広告などで隠れてしまっています。せっかくの芸術作品が台無しです。これは完全に芸術をないがしろにしていると言わざるを得ません。
次に、スタッフについてです。今回は中国の方が多かった印象を受けました。これは人手不足の影響で、外国人労働者を多く雇用しているためだと思います。3~4割くらいが外国人スタッフだったでしょうか。彼らがどこまで日本の文化やおもてなしの心を理解し、細やかな配慮ができるのか少し疑問に思いました。
もちろん、これは日本人スタッフでも同じことが言えます。しかし、文化の違いや言語の壁を考えると、外国人スタッフがきめ細やかなホスピタリティを提供するのは難しい面もあるでしょう。
トイレの清掃や内装の細部への気配りなど、満足度を上げるためのポイントをどこまで理解し実践できるか。これは今後の課題になると思います。
外国人労働者の増加は避けられない流れですが、ホスピタリティの質が落ちないよう、しっかりとした教育と管理が必要です。日本人スタッフがリーダーシップを取り、外国人スタッフと協力しながら、高いレベルのサービスを維持していく必要があります。
細かい部分での満足度低下は、リピーターを逃すことにもつながります。これはビジネスチャンスを逃すことと同じです。観光地として長期的に成功するためには、この部分をしっかりと改善していく必要があります。
ホスピタリティは非常に幅広い概念です。接客はもちろん、施設内でいかに楽しんでもらうか、満足度を高めるかという工夫が様々なところに散りばめられているべきです。
ホスピタリティについて学ぶなら、マクドナルドや、ディズニーランド・ディズニーシーに関する本がおすすめです。
特にディズニーのパークに行くと、おもてなし精神の素晴らしさを肌で感じることができます。キャストの接客の仕方は群を抜いていて、まさに「魔法の国」を体現しています。エンターテイメント要素満載で、お客さんを楽しませようという心がキャスト一人一人から溢れ出ています。
マクドナルドでも、クルー(スタッフ)がお客さんにどれだけ満足して帰ってもらうかを常に考え、細かいところまで教育が行き届いています。これらの企業のホスピタリティに関する本は、観光業界だけでなく、あらゆるサービス業の方々にとって参考になるはずです。
観光地のホスピタリティ向上は、日本の観光産業の未来にとって重要な課題です。細かい部分にまで気を配り、お客様一人一人に最高の体験を提供することが、リピーターを増やし口コミで新たな観光客を呼び込むことにつながります。今回の草津温泉での経験を通じて、改めてその重要性を実感しました。
今日はここまでです。それではまた。
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