無意識につもるホコリを掃除する
台湾のコロナ対策をITの面から支えたことで一躍有名になったオードリー・タンさん。最近本が幾つもでましたが、このクーリエジャポン編集部がまとめたものが、最も端的に彼女のアイデアがまとまっているように感じました。(彼女の本未読の人は、プレジデント社から出版のインタビュー本とあわせるのがベターかも。)
このクーリエ版は「自由になる」をテーマにしたインタビュー。
全部よんで感じたのは、自由には誰にも拘束されないからこその、行動責任と透明性が求められるということ。特に透明性については実は自分には無意識のバイアスが日々の生活の蓄積でかかっていることを知り、いちどリセットしてゼロ地点から感じて考えることが大事だと思いました。
タンさんのお話はまるで膨大な知識と経験の山を登ってきたからたどり着ける、意識の山頂からの爽やかな眺めのようで、まだ道半ばの僕には実行が難しいことばかりですが、時々読み返したくなる良い本です。
この本を出版したクーリエジャポンは創刊から大好きな雑誌で毎回楽しみにしていたのですが、オンライン化されてから紙で文章を読むほうが好きなので定期購読まではしていません。グラフィックデザインを仕事にしているので印刷費とか諸々の事情ってわかるんですが、良質な紙の雑誌文化が薄まっていくのはやはり寂しいものです。
オードリー・タン 自由への手紙(2020年、講談社、クーリエジャポン編集チーム)
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