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ピアノ教室を応援してます

農業でお世話になっている河口湖ですが、実は農業以外のプロジェクトも進めていたりしています。

それはピアノ教室です。

一言にピアノ教室といっても、いろんなタイプの教室があるかと思います。こちらのピアノ教室では、ほとんどピアノ経験がない(あっても何十年も昔にやったことがあるくらいの)大人を対象にしており、まったく楽譜が読めない人たちでも、好きな曲を弾けるようになってみよう!ということを目標に練習をしています。

ピアノを始めたいと思うようになった背景は、バラバラです。弾きたい曲も違いますし、選んだ楽譜の難易度も(初心者向けながら)一様ではありません。したがって、上達速度は人によって全然違います

ただひとつ言えることは、みなさん、本当に「今、始めました!」という感じ・・・そして、それを克服しようと、とっても熱心に練習されています。

ゆっくり、間違えながら、やり直しながら、そしてまたつっかえて・・・そんなことを繰り返しつつ、本当に少しずつ、できなかったパートを弾けるようになっていきます

誰かが練習している時、他の生徒さんたちは、それを見学していています。それが、このピアノ教室の特徴です。

個人レッスンではあるものの、教室内は出入り自由で、基本的には私語もOKです。そして、みんながお互いの練習をみているため、ちょっとでもうまく弾けるとその場で拍手が起こります。

わぁ、すごいねぇ。よかったねぇ

そんな感じです。もちろん、うまく弾けたときは、弾いたご本人もすごく嬉しそうにしています。

小さな喜びではありますが、そういうものが積み重ねていくことの重要性を感じさせます。ヘタッピな自分を克服し、それを少しでも乗り越えていくための努力をしていくことこそが、生きていくということでもあるのでしょう。

でも、技術が進むと、そんな努力も必要なくなるといいます。

スキルをダウンロードすればいいのなら、努力するなんて無駄です。なりたい自分になるのだって、簡単です。

私だって、プロ野球選手になりたかったです。もちろん、なれませんでした。論外です。だから、ゲーム内に自分を作って、疑似的にそれを楽しむわけです。

バーチャルの世界で、なりたい自分を作って、それをリアルな自分が動かすことによって、満足しています。あくまでも、リアルな自分を保持しつつ、バーチャルのなかで楽しむわけです。

でも、そんな野球のスキルをダウンロードすればいい???そういうことですね。

これからの時代、バーチャルはバーチャルに留まらず、徐々にリアルが取り込まれていくことになるのでしょう。これに憧れる人の気持ちも分からんでもありません。けれども、きっとそういう人たちは、バーチャルに飲み込まれていくのだろうとも思います。

脳からの、あるいは脳への電気信号で、すべてを管理できるようになったら、人間は肉体を持つ必要がなくなるでしょう。人間のリアルな姿は脳だけで、そこに必要な養分だけ供給しておけば、人間は仮想世界の中で、生活をするようなことになるわけです。

「みんなお星さまになるのかな」より引用

リアルの自分がどうであるかではなく、脳に気持ちがいい信号さえ送られてくれば、それで満足できる世界に向かっているということです。努力なんて無用です。金さえ払えば、欲しいスキルは手に入るし、それによって快楽を得られるということを覚えたら、人は努力をしなくなるのでしょう。

ちょっと横道に逸れますが、VRゴーグルってすごいです。

VRゴーグルをつけると、大邸宅に住んでいるような気分を味わうことができます。冗談ではなく、本当にその大邸宅のなかにいるような錯覚に陥るのです。

すごく豪華な部屋がいくつもあって、その部屋を自由に行き来できます。街を見下ろせるテラスもあります。

不思議なのは、テラスの窓際にかかっているカーテンがゆらゆらと揺れているだけで、勝手に風を感じてしまったりするところです。視覚というのは、それくらい人間の感覚に大きな影響を及ぼしているということでしょう。

そのテラスに出たら、大スクリーンを広げて、そこに自分の(リアルな)PC画面を投影することもできます。PCで映画を再生したら、それをそのテラスの大画面でみることができるのです。

もちろん、テラスだけではありません。超豪華な寝室に入って、その天井に映してみることもできます。リビングの超大型モニターで楽しむことも可能です。プライベート映画館で、大スクリーンを貸し切ってみてもいいです。

とにかく、狭い自分の部屋にいながら、どんな環境ででもみることができるのです。アプリによっては、宇宙空間に出て、月面にスクリーンを広げて、映画を楽しむことだってできます。

そんなことを考えたら、もうしばらくすると、実際の大邸宅なんて要らなくなるという可能性も理解できます。狭い部屋にいながらにして、大邸宅に住むことができるのですから、実際に大邸宅を買うなんて、バカバカしく思える時代だって、遠からずやってくるでしょう。

そして、現実世界の中にバーチャルを取り込んでいくと、最終的に大邸宅どころか、肉体だって必要ないんじゃないか?ということになるということです。

そんなふうになっていたら、当然、スキルのために努力するなんてしなくなります。もちろん、そこから得られる「小さな喜び」なども感じなくなるということです。

ピアノ教室?そんなのバカバカしくてやってられませんかね?

でも実際、上掲のCM動画は、まさにそういうことを言っているのだと思います。

かの有名なムーンショット・・・。

サイバネティック・アバター生活
2050年までに、望む人は誰でも身体的能力、認知能力及び知覚能力をトップレベルまで拡張できる技術を開発し、社会通念を踏まえた新しい生活様式を普及させる。
2030年までに、望む人は誰でも特定のタスクに対して、身体的能力、認知能力及び知覚能力を強化できる技術を開発し、社会通念を踏まえた新しい生活様式を提案する。

内閣府HP
「ムーンショット目標1 2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」より引用

それぞれの生き方なので、誰も否定はできません

けれども私は、コツコツとスキルを獲得するための努力や、それを獲得していく過程で得られる喜びを楽しむ生き方をしていきたいと思います。そして同時に、そういう生き方を選んだ人たちのお手伝いができればと思うのでした。

ということで、ピアノ教室も応援していきますっ!


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