磯川大地
いわしくらぶ店主
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続・生き方はふたつある
前編をまだ読んでいない方はまずはこちらからどうぞ。
「目標はもたずに、ひたすら目の前にあることに一所懸命取り組む。すると自ずと道が開けてくる、という考え方もあるんだよ」
「そうなんですか。でも、なんかそれじゃあ不安に思っちゃいそうです」
「ハハハ、そうだよな」
そう言っておっちゃんは一瞬、目を細めて窓の外を睨んだ。
「だけどな、逆に考えてごらん。今の自分が立てられる目標なんてたかが知れて
布団屋さんになってはいけません
※10年以上前に聞いた小咄(こばなし)です。
「きみは何屋さんになりたいの?」
「わかりません。だけど、商人(あきんど)にはなりたいです」
「ハハハ。そうか、いいね」
僕がまだ商人を目指して、江戸川区のある書店に住み込みで働いていたときのこと。常連の漢方薬会社の社長さんが話してくれました。
「いいことを教えてあげよう」
「はい」
「布団屋さんになっちゃいけないよ」
「ふ、布団屋さん