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エッセイ | TOKYO JUNGLE

10年前の話になるが『まほろ駅前番外地』というドラマが放送されていた。これは三浦しをん原作の同名小説をドラマ化して放送していたのだが、当時の私は「瑛太が主演だ!」という簡単な理由で喜び見ていた。

幸運なことにほとんど内容を覚えておらず、再びドラマを見ても初見のように楽しめるだろう。また、当時の私は『最高の離婚』に夢中だったため、そちらの記憶の方が色濃く残っている。

唯一『まほろ駅前番外地』で覚えていることがある。第3話にてキャバクラ嬢役の川村ゆきえが遊んでいたゲームだ。


『TOKYO JUNGLE』(トーキョージャングル)は2012年にPlayStation3用ゲームとして発売されたサバイバルゲームだ。人間のいない荒廃した東京を舞台にしており、そこで生き残ることが主なゲーム内容。

変わっている点として、操作キャラクターは動物であること。それもデフォルメされた動物ではなく、とてもリアルな動物のキャラクターを操作する。

ポメラニアンや猫を操作しながら捕食、マーキング、世代交代を繰り返して、なぜこの世界から人間がいなくなったのかを解き明かすことが目的となっているのだ。


こんなゲームをテレビの中にいる川村ゆきえと松田龍平が遊んでおり、当時の私はドラマの展開よりもゲームが気になってしまっていた。

私はすぐにゲームの名前を調べ、翌日にはそのゲームを買いに行った。近所にある小さなゲーム屋なのだが、珍しいゲームも売っているちょっと変わったお店だった。店主はトレーディングカードゲームも好きなようで、客として来ている子どもや大学生を相手によく遊んでいる。

家に帰るなりすぐにゲームを始める。渋谷を走り回るポメラニアン。生き抜くためにウサギやニワトリを捕食する。単純な行動の繰り返しだが、不思議とおもしろい。

「もっと違う場所に行こう」と思い、奥へ奥へと進んでいく。すると急にハイエナが出てきて殺される。こんなにあっけなく殺されるものかと驚いた。

繰り返し遊んでもハイエナには勝てない。どうやらゲーム的な理屈で勝てる相手ではないらしい。そう分かれば気付かれないように動くしかない。勝てる相手は捕食し、勝てない相手からは見つからないようにする。本当に自然界を生き抜くかのようなゲームだ。


私は『TOKYO JUNGLE』にはまりこんでいた。暇さえあれば遊んでいたし、友人が私の家に来れば頼み込んで2人プレイをしていた。

ただ単純作業を繰り返して生き続けるゲームなのだが、理不尽な現象が発生し、圧倒的な強さで捕食され続ける。なかなか生きるということはうまくいかないのだ。

あの世界観が好きでまた遊びたいとよく思っている。どうやらPlayStation5でも遊べるようなのだが、またハマり込んでしまうと思うと少し怖い。



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