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磯森照美のエッセイ集

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投稿したエッセイをまとめています。
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2023年7月の記事一覧

エッセイ | 大丈夫? ってきかないで

「『大丈夫?』って聞くとみんな『大丈夫です』って答えるから、こう聞くのはダメだな」そう言った人は、それ以降「大丈夫?」と聞いてくることはなかった。そう尋ねられると「大丈夫です」と答えていた私にとっては非常に助かった。 世間には自分が陥っている状況を隠してしまう人が少なからずいる。本人たちからすれば伝えられないだけで、隠しているつもりなどないのだが。 ただ、「大丈夫?」という聞き方は非常に危険だ。「大丈夫です」と答えるか、「大丈夫じゃないです」と答えるかのどちらかしかない。

エッセイ | 口角を上げて

「なんで笑ってるの? いいことでもあった?」友達が笑いながら聞いてくる。私としては笑っているつもりはなかったので否定すると、他の友達からも「笑ってたよ」と言われて困ってしまった。 大学生の頃は講義と講義の間が空くと、学食やフリースペースで時間をつぶすことがよくあった。やることがないと1コマ分の時間をつぶすのは暇だった。だからか、みんな話題の提供を他の人から求めたがり、少しでも気になったら口に出していた。 最近はマスクをしないで外出することも増え、他人の表情がよくわかるよう

エッセイ | 私にとっての『書く』と言うこと

書き出しはこうだ。 「改まったタイトルにしてしまったが、難しい話でも暗い話でもない。本記事で50回目の投稿となるため、私にとって『書く』ということの位置付けをしておきたい」磯森照美はキーボードをたたく。以前から始めていたnoteに投稿する記事を書いているようだ。 磯森はnoteを知ってから始めのうちは人の書いた記事を読む専門だった。それは彼が人の話を聞くのが好きであったからだ。彼自身から話をすることもあるが、彼の周囲には話好きが多いため聞き役に回ることが多くなっている。知ら

エッセイ | 気付けば増えている食費

私は月末になると家計簿を確認する。自分でつけているのではなく、カードのアプリで勝手に記録されているものを見るだけなのだけれど、これがかなり役に立つ。 「もう月末か。今月は何にどれくらいお金を使ったのかな」その月に買ったものや行った場所を思い出しながらアプリを開く時がワクワクして好きだ。 買い物をする時は必要なものしか買わないし、無駄遣いをすることも避けている。なるべく質素な生活を心がけているのだ。 家具や娯楽用品を買わなければ、ひと月の間で大きな金額の買い物をすることは

エッセイ | 夏祭りは感傷的になってしまう

今日はどこへ出かけても浴衣を着た人を目にする。駅にいても、電車の中でも、街を歩いていても。ちょうど夏祭りの時期なのだろうと思いながら用事を済ませていた。 ひととおりの用事が済んだ頃には夕方となっており、喉が渇いた私はカフェに寄ってコーヒーを買い、自分の家へ向けて歩いていた。本当なら電車に乗った方が楽なのだが、外の空気も涼しくなり始めたため「散歩しながら帰ろうか」と思えた。 あまり汗をかきたくないためコーヒーを飲みながらゆっくり歩いていると、前を歩く人が浴衣を着ていることに

エッセイ | 性別で変わる考え方

2023年7月23日に広末涼子とキャンドル・ジュンの離婚が発表された。 6月7日に不倫報道が世に出て以降、キャンドル・ジュンの記者会見や、『反広末』とあおるマスメディア、鳥羽氏のインタビュー記事など、さまざまな出来事がおこった。 それらが世に出ることでネット上でもさまざまな記事が出現し、読者の感情をあおるような、扇動するような意見を目にすることが多かった。 01私はというと、この不倫報道がされてから今日までTwitterやnoteで「一般の人」の意見を見ていた。自分以外

エッセイ | 地雷セミの季節

私は「そろそろ梅雨が明けそうだな」と思うと、少しばかり恐怖心が芽生えてくる。本格的な暑さが怖いわけではない。セミが怖いのだ。 以前まではセミなんて怖くなかった。木にとまって見えないところでミンミンと鳴いているだけだから、私に対して害をなすこともない。むしろ「夏が来たな」と思わせてくれる報せとなっていた。セミに対する気持ちが変わることなんてないと思っていた。 夏が終わり秋となったある年のこと、私は以前から考えていた引っ越しをして、オートロックで鉄筋コンクリート造の立派なマン

エッセイ | 真面目な見た目で損した

「あの人は真面目な人だから。責任感のある人だから」そんなことを言われて生きてきた。正直なところ、私はあなたが思うような真面目な人ではない。だけど真面目に見られる。それはなぜか。目立つこともなく平凡以下の見た目をしているからだ。 真面目な人なんてこの世の中にはたくさんいるだろう。そもそも、人間どこかしら真面目だろう。何かに対しては真面目なはずだ。あいさつを誰にでもする人は「あいさつをする」という行為に対して真面目だ。スポーツが得意な人は練習をすることに対して真面目で、勉強がで

エッセイ | テレビが大好き人間の正体

小さな頃からテレビが大好きでした。今ももちろん好きですが、昔は異常なほどに好きでした。別に好きな番組や見たい番組でなくても見ていました。「見ていた」と書くと語弊があります。正しくはテレビをつけていました。 ・好きな番組、苦手な番組好きな番組はバラエティ番組です。見ていてクスッと笑える内容は日々を過ごしている中では安らぎを得られます。また、自分が知らない情報に出会える番組も多く存在するため勉強にもなります。 苦手な番組も当然ありました。私はスポーツにあまりなじみがないためス

エッセイ | コーヒー遍歴−名前を変える1杯−

アイスコーヒーを作る時いつも豆のひき方を考えています。私の好みはさっぱり目なため、細びきに近いものが多いのですが、あえて粗びきを選択してその味を楽しむ事もあります。 粗びきにするほどに苦みが強くなり、極細びきになるほど酸味が強くなります。コーヒーを飲み始めた頃はとにかく苦いコーヒーを飲んでいました。その上、ブラックコーヒーで飲むのがカッコいいと思っていたため、黒く苦い液体を頑張って飲んでいたものです。 数年がたつと砂糖を入れて飲むようになりました。つらい思いをすることが嫌

エッセイ | 湯船に浸かって時間を溶かす

お風呂が好きな私は長風呂をしてしまう。1人で住んでいるため長風呂をしても困る人がいないため、ついつい長くなる。 お風呂に入っている時は音楽を聴いたり、漫画を読んだり、小説を読んだり、ネット記事を読んだり、動画を見たりと様々なことをしている。 お風呂から出てソファに座りながらや、ベッドに寝ころびながらでもできることだが、なぜか入浴中に行ってしまうのだ。 暖かいお湯に全身が浸かっている状況が好きなのか、汗をかきながら過ごす時間が好きなのか判断がつかないが、そのどちらもが長風呂

エッセイ | 断捨離したい衝動に駆られるミディアリスト

部屋の中の物が馴染みつつある。新しく増えることもなければ、減ることもない。ここ最近で増えた物と言えば机くらいか。これも1年間くらい考えに考えた結果購入した物だから仕方ない。 ・捨てたいけど捨てる物がない私は断捨離がしたくてたまらなくなることがある。 部屋には物を出していることがないため、捨てるものが殆どない。 そうなると収納の扉を開けては不要な物を探すのだ。 特に断捨離の対象になりやすいのは衣類関係だ。 シーズン毎に収納を開けては捨てられるかどうかを確認している。確認しす

エッセイ | 幸せ舌の本領を発揮させる

いつもプロテインを飲んでいるけれど、値段もそれなりにするためどうにかしたいと思っていた。飲んでいるのはザバスのフルーティー風味で、水とトマトジュースで混ぜて飲んでいる。これがすごく美味しくて、ずっと飲んでいても飽きないくらい美味しい。 ただ高いんだ。ザバスは高い。 SNSなどでもザバスは美味しいけど高いと評判だ。安いプロテインと比べると値段は倍ほどになる。 ただ、お金がなければプロテインも飲めないわけで、特段美味しさに拘らないのであれば安いプロテインでも良いのではないかと思

エッセイ | ものもらいの撲滅を願う

最近汗をかくことが多くなったからか顔を触ることが多い。額の汗をふいたり、目に入りそうな汗をぬぐったり。外出先の移動中であれば、最近は無闇に物を触ったりしないため手に菌がついていることも少ないのだが、家に居る時はつい油断してしまう。 自分の家で風呂掃除をしていた時に、蒸し暑い空間であることと、手強い汚れをゴシゴシと擦るため汗をかいていた。暑いし体も動かしているから仕方ないなと思いながら作業をしていると、予想していたよりも早くに汗が眉の上まで垂れてくる。 そろそろまずいのではな