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素直に謝れる大人でありたい

悪いことをしてしまった時や間違ってしまった時にどれだけ真摯に反省し謝罪できるかでその人間を推し量ることができると思います。

ゲーム屋で働いていたある日のことです。
トレーディンカードゲームフロアでのとある親子の会話。

親「どれにするの?」
子「これ!」
親「そんな高いもの駄目に決まっているでしょ!他のにしなさい」
子「でも今日は一枚買ってくれるって言った!」
親「言ったけど、それは駄目。もっと安いのにしなさい!」
子「嫌だ。これがいい」
親「わがまま言ってるともう連れてこないよ!」
子「うわぁぁぁぁぁん!!!」

子供が大泣きして終了。

街中でよく見る光景ですが非常によろしくない状況です。
下手をすればその子供の人格形成に影響を与える一件になりかねません。

今回の場合、正しいことを言っているのは「子供」です。
「親」からの条件は『一枚買ってあげる』だけで値段に関しては対象外です。
どれにしようか長時間迷って怒られる子供もいますが今回は即決なのでむしろ褒められるべきことでしょう。赤の他人じゃなければ全力で「偉いね」と誉めていたところです。
決して高い買い物だからというわけではありませんよ?本当ですよ?

対して「親」の対応が酷過ぎです。
たかがカード一枚と侮っていたのでしょう、いざ金額を見てびっくり。
確かにカードゲームを知らない人からすれば「たかが紙切れにバカじゃないの?」という金額のものも多々あります。
「普通に考えてこの金額はありえない」
「誕生日でもないのに・・・」
などなど「親」側の主張もあると思います。

しかし、「子供」からすれば約束を破られたこと以外の何物でもありません。
カードの相場を知らないまでも予算が決まっているのであれば「200円までね」などの条件も付けるべきでした。
その配慮も怠ったにもかかわらず一方的に「わがまま」と決めつけ「もう連れてこないよ」という脅迫のおまけ付き。
「親」の落ち度であることは明白です。

この一件から「子供」が学ぶことは、
「約束は権力によって簡単に無効化される」
ということでしょう。
自分は律儀に約束を守っているのに相手は理不尽にも権力をもってその約束を踏みにじったあげく、「お前が悪い」と罵られる。
こんな原体験を持った子供がどういう大人になるのか・・・。
え?そんな人間や組織や国を知っている?私には何のことだかワカリマセン。

まずは素直に「親」が自分の非を認め、「ごめんね。こんなに高いカードがあるなんて知らなかった。」と謝罪することが大事だと思います。
その後は妥協案を提示するか勉強代として「子供」の要求を受け入れるかは人それぞれですが。

結局その「子供」は200円ぐらいのカードを選びお買い上げいただきました。
「君は何も間違ってないよ」と心を込めてお品物をお渡ししたのは言うまでもありません。

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