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リメイク作品で時代設定を変更するのはアリかナシか

2022年10月から始まったリメイク版『うる星やつら』第一話を観ました。

オープニングのとあるカットで心配になるも、最後まで観たら杞憂であったことがわかりホッと一安心。

その心配になったカットとは「あたるがスマホをいじっている」ところ。
事前情報をほとんど見ていなかったので「うわ、時代設定が令和に変更されてるのか」とげんなり。
そしてとあるリメイクアニメを思い出しました。

少し前に放映されていたリメイク版『キャプテン翼』も時代設定が現代に変更されていて、スマホをガンガン使用。
それの何が問題なのかとリメイク版だけ観た人は思うかもしれませんが、実際は大きな違いになってしまっていたのです。

『キャプテン翼』の連載やアニメの放映が開始されたのは昭和でありスマホなど影も形もなかった時代です。
そんな時代なので転校や海外へ行ってしまうという別れのシーンには現代とは比べ物にならないくらいの重みがありました。

親の都合で転校を繰り返す岬君。
海外へ行ってしまった若林君。
おいそれと連絡を取ることができません。
「また会おう」とは言ったものの二度と会えないかもしれない。
だからこそ再会できた時の感動が凄かったのです。

しかしながら、2018年に放映されたリメイクではスマホであっさり連絡を取り合っている。
リアルと言われてしまえばそれまでですが、原作や当時のアニメを知る身からすると何とも言えない気持ちになりました。

『うる星やつら』でも同じ思いを味合わなければいけないのかとテンション低めで観ていましたが、電話をかけるシーンでテンション爆上がり。
なんと宅電、それも黒電話じゃありませんか!
よく見ればテレビもブラウン管っぽいし、そこにはまごうことなき昭和の世界が広がってしました。
どうやらスマホはオープニングの演出だったようで劇中の時代設定は変更されていないようです。

やはり当時のものは当時のまま、変に現代風にアレンジしないほうがいいと私は思います。
若い視聴者への配慮なのかもしれませんが、それで作品の持ち味を薄くしてしまっては本末転倒です。
ある種の時代劇として楽しめるのではないでしょうか。
……書いてて怖くなりました。昭和が時代劇って。

それに時代設定を現代に変更して成功した作品を私は知りません。
新規さんにも昔ながらのファンにも微妙なイメージを与えてしまい、結果商業的にもイマイチになってしまう。

昨今あまりいい評判を聞かないノイタミナ枠なので警戒していましたがこの分だと大丈夫そうです。
ただ一つ気がかりなのは、当然のごとくノリが非常に古臭いこと。
私としては懐かしい気持ちで楽しめているのですが、はたして令和キッズたちに通じるものなのか……。
ちょっと気になりますね。

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