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人造人間『學天則』

東洋初のロボット『學天則(ガクテンソク)』。

http://cyberneticzoo.com/robots/1928-gakutensoku-pneumatic-writing-robot-makoto-nishimura-japanese/

學天則(がくてんそく、学天則)は、1928年(昭和3年)、昭和天皇即位を記念した大礼記念京都博覧会に大阪毎日新聞が出品した、東洋で初めてのロボットである。制作者は同社の論説顧問だった西村真琴。

Wikipediaより

机に座っているような姿で、高さ約3.5m、幅約3m。肌は金色。
一緒に写っている人間と比べてわかるようにデカいです。

顔は色々な人種からパーツを組み合わせたデザイン。

額と目がヨーロッパ人、ほおと耳がアジア人、鼻と口がアフリカ人、髪型がインディアンの羽飾りを表しています。

https://madamsteam.com/column/6532

右手に鏑矢型のペンを持ち、左手に霊感灯と名付けられたライトを持っています。
ゴムチューブによる空気圧変化で頭や腕、胴体を動かすことができました。他にも頭のバネや歯車で表情を変えたり頬を膨らませたりと表情を変えることもできました。全体の制御は突起の付いた回転式ドラムによって行われたそうです。

上部に告暁鳥と言う機械仕掛けの鳥が付属していて、この鳥が鳴くと學天則は瞑想を始める。そしてひらめきを得ると霊感灯(インスピレーション・ライト)が光を放ち、それを掲げ、鏑矢型のペンでひらめきを文字に起こしたという。

Wikipediaより
http://cyberneticzoo.com/robots/1928-gakutensoku-pneumatic-writing-robot-makoto-nishimura-japanese/

そんな『學天則』、残念ながら現存しておりません。

博覧会では観客の注目を集め、廣島市鳥瞰昭和産業博覧会(1929年(昭和4年))や朝鮮博覧会(1929年(昭和4年))など各地で開催された博覧会にも出品された。その後、売却されてドイツに渡ったが行方不明となった。現地では故障等でうまく作動せず、廃棄されたらしい。

Wikipediaより

海外で捨てられちゃいました。なんてこった……

だがしかし、そんなことでは諦めないのが日本人。

1992年(平成四年)、大阪市立科学館が外見を模した動かない小型のレプリカを展示。

そして2008年(平成二十年)、満を持して実物大の復元品が大阪市立科学館に登場!
ただし設計図が現存しないので完全な復元ではなく、写真や残された文献から制作されたとのこと。

https://www.nippon.com/ja/views/b00906/

うーむ、ド迫力!
『學天則(復元)』が動くさまを動画でご確認ください。

https://www.youtube.com/watch?v=EqIKjQWrwYg

発表された当時もだいたい同じような動きをして、さぞかし来場者の度肝を抜いていたことでしょう。


『學天則』ってどこかで見たような聞いたことがあるようなと思った方、もしかしたらそれは「帝都物語」ではないでしょうか。

荒俣宏原作の小説「帝都物語」、もしくは映画「帝都物語」。

Amazonより

『學天則』と制作者である西村真琴博士が登場します。
しかも西村真琴博士を演じたのは実子である俳優の西村晃氏。
西村晃氏と言えば水戸黄門の黄門様で有名な俳優さんです。
驚きの親子関係でありこれ以上ない納得の配役でしょう。


『學天則』の名前の由来は「天則(自然界・宇宙の法則)を学ぶ」。
そして西村真琴博士は『學天則』に「世界の平和」「人類の友好」「科学の暴走の危険性」「芸術と科学の融合」という願いを込めていたそうです。
はたして今の世界を博士が見たら何と言うか……
考えるまでもないのが辛いところです。

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