『リーダーの仮面』(安藤広大)ブックレビュー
前回レビューした『孫正義社長に学んだ「10倍速」目標達成術』の一つ前に読んだ本ですね。読んだきっかけは、先日も書いたように昇格試験の面接前に上司のIさんからもらった5冊の本のうちの1冊だったから。
この本は、リーダーの失敗パターンを例に挙げながら、リーダーの本当の責任である『部下を真に成長させることによる組織の利益最大化』を達成するために、「尊敬されたい」「凄いと思われたい」といった素顔を隠し(=仮面)、客観的に平等に対応することの大切さを説いたもの。一見冷徹に見える文章も、実は非常にロジカルで、結局部下やお客様のためになることが説得力を持って示されています。曰く、「『ルール』『位置』『利益』『結果』『成長』に沿ったマネジメントを続けることで、リーダーの言葉はあとから効いてくる」(P19)。レビューいってみましょう。
序章:リーダーの仮面をかぶるための準備~錯覚の話~
→いるよね、まず人気を取りに行こうとするリーダー・・・。1)はお見事ですよ。
個人的には4)は染みました。リーダーになったら、あくまでするべきことはマネジメント。自分がたとえ営業成績が悪くても、それとは別に胸を張って主導しなくてはいけないと。わかる、わかるけどこれが難しい。胸を張るには自分の言葉でみんながついてくるっていう確信があったほうがよくて、そのためにはやっぱり自分の成績がいいに越したことはないもんなぁ。
あと、5)もいいね。一見冷徹なようで、ツボを押さえてくる。辞めないかどうかを変に気にして組織の利益を損なうのではなく、むしろ(勿論大前提部下は大事にするべきだけど)組織のために判断したうえでの指示で退職する意向が出る部下が一定数発生するのはあくまでその部下自身の判断だから仕方がないと割り切る、と。そっちの方がなんか芯のあるリーダーだよね。
第1章:安心して信号を渡らせよ~ルールの思考法~
→ルールって言葉、毛嫌いする人がいるかもだけど、これはいわば信号機。全員が不満なく安心して行動するにはルールがあってそれを全員が例外なく守る環境であるという前提が必要。
第2章:部下とは迷わず距離をとれ~位置の思考法~
→位置の話好き。寄り添いすぎるのはなぁなぁの関係になるってことよね。報連相のポイントも勉強になった。未達の場合は部下自身に次はどうするかを考えさせることが重要と。
第3章:大きなマンモスを狩りに行かせる~利益の思考法~
→部下が上司の指示を実行するのは当たり前、だから頑張る理由を用意する必要はない・・・うん、その通り。一方で部下は視野が狭く、その仕事の意義を自分で見つけられない(気づくことができない)こともあるだろうから、そうした時には仕事の意味や価値観のヒント(考え方)だけでも教えていきたいな。
第4章:褒められて伸びるタイプを生み出すな~結果の思考法~
→『プロセスではなく結果を評価せよ』のところは一瞬「成約に向けて訪問件数を増やしたとしたらそれは評価するべきだろ!そこを評価しないといつか繋がる成約も逃すことになるぞ!異議あり!」と思ったけど、この場合の『プロセス』ってのは『結果に繋げるための努力』とかって意味ではなく、『稼働時間』とかそういう意味だったから納得しました笑
第5章:先頭の鳥が群れを引っ張っていく~成長の思考法~
→部下が安心してチャレンジできるよう、挑戦しやすい態勢にしてあげるのが大切と。
終章:リーダーの素顔
やっぱり全体を読んでみて、僕の思うリーダー(管理職)像に近くて納得感があった。
現場でバリバリできることも大切だけど、もっと大きな力を生むには適切(具体的な数値)に指示し、報連相をもとにフォローし、成長を促すことが必要。そして結果に対して自身が積極的に責任を負う姿勢を見せる。人気を得るための上っ面で薄っぺらい甘やかしをせず、部下の成長のため客観的でい続ける。うん、なんか僕の今の上司のK部長やIさんの話をしている気がしてちょっと照れくさいが、そんな感じだな。いい仕事をしよう。
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