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ダイスひと振りで世界が広がる【ニンジャスレイヤーTRPG】リプレイ

先日、1月2日に行われたニンジャスレイヤー公式アカウント自ら主催するニンジャスレイヤーTRPGに参加しました。それが超楽しかったので記事にすることにした。

ちなみに自分は今までTRPGをプレイしたことのない人間であり、この『ニンジャスレイヤーTRPG』が人生初TRPGとなった。リプレイというのも他の方が記事にしているのを見て知った。どれも面白かったので自分も記事にしてみたくなったのが今回のはじまりである。

TRPGという存在はなんとなく知っているが、詳細はなにも知らないので最初は地図のない荒野を彷徨うような不安があった。
しかし、手探りで歩みを進めていく内に、突然暗闇に浮かび上がった六面体の小型AIドローン「モーターロクメンタイ」がナビしてくれたので安心だった。

モーターロクメンタイがナビするには、ニンジャスレイヤーTRPGをプレイするにはダイス数個とメモ用紙があれば事足りるらしい(そもそもTRPGとはそういうものなのだろうか?)。
とにかく非常に準備が手軽で誰でも楽しむことができる仕様だ。自分はダイスを持っていなかったのでスマートフォンで適当に出てきたダイスアプリを利用した。
ちなみにダイハードテイルズのdiscordサーバーにはダイスを振る機能もあるらしい。そちらを利用してみるのもよさそうだ。

前置きが長くなった。それではニンジャスレイヤーTRPGが展開するネオサイタマの世界に飛び込んでみよう。

キャラクターの能力値はダイスによって決定される。それによって自分だけの個性的なサンシタを作ることができる。私は決断的にダイスを振った。

結果生まれたのがこのサンシタだ。【カラテ】値が非常に高く、恐らくカラテ至上主義者であることがうかがえる。そのほかにも【ニューロン】値や【ワザマエ】値も比較的高く、かなり油断ならないサンシタニンジャが誕生した。
控えめに言って強いニンジャだと思う。ノーカラテノーニンジャ。肉弾戦が強いものはなんでもいい。私はハイローでは雨宮兄弟が好きだし、俳優は宇宙最強のドニー・イェンが好きだ。何事も強ければ強いほどいい。非常に私らしさを体現したようなサンシタニンジャと言える。

次に、モーターロクメンタイがニンジャの初期装備品を決めるようナビした。

ニンジャの初期装備? なるほど、確かにオーガニックスシやZBRアドレナリン注射器があれば戦闘面において非常に有利になるだろう。
もっともカラテが強いこのサンシタニンジャには不要だろうが……だがここまで修練を積んだサンシタだ。きっと油断ならないやつに違いない。

私はダイスを振った。

このときはリプレイ記事の事を知らなかったのでわかりやすいスクリーンショット画像はないが、出た数値は《1》だった。

初期装備:家族の写真

おお……さっきまでちょっと強いサンシタ程度だったやつに物語が生まれた……。
ぼやけていた輪郭が形を成したかのようにサンシタニンジャの存在感が明確になってくる。
このままただの《サンシタ》呼ばわりでは可哀そうだと思い、名前をつけることにした。

そのときに利用したのがこのタイムラインに流れてきたへるま@herumer)氏のツイートだ。

ちなみにへるま氏はnote上にさらにいろどり豊かなニンジャネーム表を作っている。こちらも決断的にチェックだ。

ttps://note.mu/heruma/n/nb99cb109c460

そして私はダイスを4度振り、この愛すべき我がサンシタニンジャの名前を決定した。

ニンジャ名:スマッシュジャガー
【カラテ】:6
【ニューロン】:4
【ワザマエ】:5
【ジツ】:2(カラテミサイル)
【体力】:6
【精神力】:4
【脚力】:3
初期装備:家族の写真

スマッシュジャガー!

おお、なんと……なんと絶妙なサンシタ感!私は猛烈に感動した。かっこいい言葉の羅列がこんなにもサンシタ感を誘うなんて。
へるま氏は即席のランダム表だと述べていたが、おかげで魅力的なニンジャネームに仕上がった。

そして名前がついた瞬間、私の中でこのサンシタニンジャの物語が爆発した。

「こいつは【カラテ】値が高いので恐らくモータル時代にカラテドージョーに通っていたに違いない」とか……「こいつは【家族の写真】を持っているが、家族を亡くした過去があるとかじゃなく、クソ野郎だから普通に離婚しただけだ」とか……。

ほんの少しダイスを振っただけなのにこのサンシタニンジャの隠された物語に思いを馳せてしまい、どうしようもなく愛着が湧いてしまう。

きっとこいつはダメダメなやつなんだろう。妻には愛想を尽かされ慰謝料と養育費を滞納し、おかげで息子にも会えない。
趣味といえば週に一度のバクチのみ。
でもまぎれもなく俺のニンジャだ。ほかに誰がこいつを愛してやれる?

◆忍◆
ニンジャ名鑑#????
【スマッシュジャガー】
切れ味の鋭いカラテの持ち主。モータル時代に離婚した妻子がおり、慰謝料と養育費を滞納している。本人はよりを戻したがっているが元妻からは愛想を尽かされている。なお、妻子は彼がニンジャであることを知らない。
◆殺◆

こうして物語に生を受けたスマッシュジャガー=サンは重金属酸性雨降りしきる過酷なネオサイタマの地を歩み始めたのだ。

モーターロクメンタイによると、これから侵入するヤクザクランのデータセンター事務所前にショットガン装備のクローンヤクザが一体いるらしい。

【ワザマエ】値の数値分だけダイスを振り、4以上だとクローンヤクザの頭部に命中し、サイレントKILLが成されるという寸法だ。

私は鼻で笑った。スマッシュジャガー=サンは実際サンシタだが、たかがクローンヤクザ如きに手間取るとでも?

そしてダイスを振った。

「イヤーッ!」「アバーッ!」

こうしてクローンヤクザにスリケンを命中させたスマッシュジャガー=サンは堂々と玄関から侵入することに成功した。ワザマエ!

それにしてもこのヤクザクラン、出入口に見張りが一人しかいないだなんて、本当に金を持っているのか?
スマッシュジャガー=サンはそんな不安と共に事務所内へと足を踏み入れようとする。
しかし、事務所の玄関扉には鍵がかかっていた!

小癪な……。どうやら弱小ヤクザクランでもその程度の知恵はあるようだ。
しかしこの選択肢、どれも比較的高い能力値をもつスマッシュジャガー=サンならどれでも可能だろう。

どれでもいいから悩む……クク、他のサンシタにはなかなかない悩みだろう。
なんでもいいのでてきとうに【ワザマエ】で物理錠前を破ることにした。

「イヤーッ!」

《4》と《6》を叩き出したので余裕のピッキング開錠だ。こうして事務所の扉は開かれた。
まったくこの程度の錠前、このスマッシュジャガーの敵ではない。

ここでモーターロクメンタイから補足のナビが入る。

どうやら精神力を事前に消費すれば判定を自動的に成功にすることができるようだ。だがスマッシュジャガー=サンは実際強いニンジャ。果たして必要なのだろうか?
そんな疑問を残しつつ次へ進むと、「スッゾコラーッ!」警備クローンヤクザが現れた!

判定は【カラテ】! カラテは得意分野だ!マヌケめ! スマッシュジャガーは舌なめずりをし、カラテを振るった!

「イヤーッ!」「アバーッ」

スマッシュジャガー=サンはクローンヤクザの首を刎ね飛ばし、その懐に万札があるのを発見した。
クローンヤクザのくせに万札を懐にしのばせているだと?生意気な。
スマッシュジャガー=サンはその懐から万札をかっぱらっていった。

【万札】1ゲット!

ちなみに見事な【カラテ】でクローンヤクザを肉塊に変えることができていればその胃の中に隠された万札を手に入れることができたのをスマッシュジャガー=サンは知らない……。

歩みを進めると、とうとう未公開株券のデータを抱えたUNIXを発見したスマッシュジャガー=サン。
ハッキングは得意分野ではないが、他のサンシタに比べればチャメシ・インシデントである。
悠々自適にハッキングを進めると、あるデータを発見した。

なんと、ヤクザクランの銀行口座である。
スマッシュジャガー=サンは生唾を飲み込んだ。
未公開株券を奪うだけの安い仕事だと思っていたが、この銀行口座をハックすればかなりの大金になる。だが、同時にニューロンを焼かれる危険性も伴うリスキーな行為だ。
スマッシュジャガーの脳裏に元妻のヨモイと息子ヘンジの顔が浮かび上がる。
これだけの金があれば、いままで滞納していた慰謝料と養育費の一括払いも可能だ。もしそうすれば再婚は無理かもしれないが、息子に会うことができる。
スマッシュジャガーはしばしの逡巡の後、決断的に銀行口座へのハッキングをしかける。自称・慎重派スマッシュジャガー、一世一代の大博打である!

「イヤーッ!」

ギャバァーン! ハッキング成功!

20もの【万札】を目の前にスマッシュジャガーは狂喜乱舞する。
一括払い成功だァァーッ!!!

サイレンを聞き、たくさんの万札を抱えながらネオサイタマの夜空へと飛び出すスマッシュジャガー。興奮で火照った身体に夜風が心地よい。
空を見上げると、いつもは「インガオホー」と呟いているドクロめいた月も全てを祝福しているかのように見えた。
この夜、何人ものニンジャがふわふわローンによって消えたという噂のあるいわくつきの事務所近くに住む住民は、あるいは他のサンシタニンジャの高笑いを聞いたかもしれない。

その後、スマッシュジャガーはどうなったのか? それはまだ誰にもわからない。だが、慰謝料と養育費を一括払いして息子に会ったことだけは確かだ……。

【おわり】

【スマッシュジャガー】最終ステータス

公式によると、またいつかTwitter上でアドベンチャーがあるかもしれないとのことなので、今回の成果をもとにキャラクターを保存した。

スマッシュジャガー=サンはサイバネ不要論という前時代的な考え方でカラテを振るうニンジャなのでふわふわローンを組んでおらず、ロストするような【万札】はない。しかし、慰謝料と養育費を滞納していたため最終的に【万札】を20失い、このような結果となった。

実はルール上、慰謝料と養育費を支払うシステムなど存在しないのだがTRPGはその名の通りロールプレイングなのだそうで、個人的にスマッシュジャガー=サンの【万札】を慰謝料と養育費に充てさせることにした。

そのため、もし仮に次回があるとすればスマッシュジャガー=サンは【万札】1からスタートである。
無慈悲と思われるかもしれないが慰謝料と養育費を滞納したスマッシュジャガー=サンが悪い。
だがその結果息子と会えたので本人も満足だろう。

【まとめ】

以上が私のニンジャスレイヤーTRPGのリプレイでした。このひりつくようなサツバツとした空気、そしてニンジャの哀愁、まさにネオサイタマでしたね。
ダイスを振る度に物語が生まれ、最終的にはロールに徹するあまり自分にとってマイナスな行為を課す。だがそれこそTRPGの醍醐味なのではないかと個人的には思いました。というかロールに徹するの超楽しかった。
まるでスマッシュジャガー=サンは生きてるかのようだし、ダイスを進めるうちにどんどん物語が広がり、最終的にはスマッシュジャガー=サンの息子から孫まで親子三代に渡る遠大な物語を思いついてしまった。

考えたくないことだがもし仮に次のセッションで爆発四散したら彼の息子がその物語を継ぐことになるだろう。

でも、スマッシュジャガー=サンが爆発四散したら超寂しいだろうな……。

以上、終り。どこかのネオサイタマでまた会いましょう。

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