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看護師とマルチ商法が持つ負の親和性、若手看護師はなぜ狙われるのか

 おはようございます、こんにちわ、こんばんわ。イシダケイタです。
今回は精神科看護師云々との関連は弱く、看護師全般の話とも言えます。まぁ思ったことの垂れ流しですので、あまり参考にはならないかったら…すいません。

 記事公開時点で7月なので、どこまで有用かどうかと言われるとあれですが、看護師の中でも特に新人看護師・若手看護師に対して襲いかかる魔の手についてお話します。それは、マルチ商法(ネットワークビジネスも同義です、本記事ではマルチ商法と呼称を統一します。日本の法律では連鎖取引販売と規定されています)についてです。

 マルチ商法という言葉自体は聞いたことが在ると思います。ざっくりとした説明になるので、よろしければ下記を参照してください。
気をつけて!それってマルチ商法かも!(京都府HP)

 新人看護師の方は日々病棟内で地獄のような日々を過ごしていますという人も少なくないでしょう。荒みに荒んで病棟スタッフ全員○○なんて言葉を吐く人もいます。やめましょうね、荒むだけですから。この新人看護師を取り巻く問題についても今後語れればいいですね。

 で、そんないっぱいいっぱいの状態で関係ない知識なんて入らないですー!という環境な訳ですが、このマルチ商法というものについては知っておいてほしい。病院の研修ではサラッとしかやらない所もありますし、看護がどうこうだけしか説明しない会社も少なくありませんから…。

看護師界隈ではマルチ商法があふれている。


 ぶっちゃけた話ですが、私の同級生でマルチ商法をやっている看護師さんはめちゃめちゃいます。噂でがっつり聞くだけじゃなく、同期の間でもすぐに把握されます。直接対峙した事は少ないですけどね…。まあ私みたいなタイプには勧誘はこないし、勧誘しても猛烈な勢いで否定されるのがオチだと思われているし、ある意味間違いではないんでしょう笑

 いろんな病院の看護師さんと話をしても、大抵一人くらいは「マルチ商法にハマっている知り合い/同期の看護師がいる」という話を聞きます。「友人としてなんとか出来ないかなぁ」と悩んでいる方も少なくありません。

 先に言います。入ってしまった友人を救う事は基本的に諦めの境地でいてください。めちゃめちゃ高難易度ですし無理ゲーです。自分で気づいて、やめようと決意しないとやめません。あれは一種の信仰の一種ですが、救われないタイプのお布施であり、精神的にジリジリと蝕んでいきます。

 余談ですが、Yahooニュースで最近こんな記事がありました。東洋経済ONLINEの記事転載でしたので、そちらのリンクも下記に載せています。お時間があれば読んでみてください。
「奨学金440万円」女性が親に勘当された仰天理由 返済免除の予定だった「看護奨学金」の落とし穴(Yahooニュース版)
「奨学金440万円」女性が親に勘当された仰天理由(東洋経済ONLINE版)

 ざっくりとこの記事について。看護奨学金が問題としてフォーカスされていて、筆者の方も奨学金をテーマに体験談募集をされている様です。で、看護奨学金というある種の歪な制度について新たな発見が得られるであろう記事として著者が公開している意図も読みとれますが、本文見たらもっと踏み込むべき所出てきてるがな!!と感じたのが正直な感想です。

 この女性の体験談は看護奨学金がどうこうではなく、親から勘当される「仰天理由」とつけている問題こそがネットワークビジネス(こういう場合に使われるネットワークビジネスはマルチ商法と同義語です)であり、この問題の本質はそっちで、社会的な注意喚起が続けて必要ではないの?と私は感じました。

 もうすでに注意喚起されてるでしょ!っていう考えの方。わかりますよ、行政が散々言ってて出来ることやってますが、その沼に入る人が一定数いる状況自体はあんまり変わってないなぁと思うわけです。

 で、どうせ語るなら否定的な目線ではなく社会的になにか有意義なものになればいいなと思ったので、これもきっかけとして「マルチ商法」が看護師さんと結びつきやすいのはなぜか、またやっちゃったらどうなっちゃうのか?って事まで語りたいなぁと思います。

マルチ商法って要するにどんなものよ。

 まあマルチ商法というのは…。ざっくり言いますね。マルチ商法を行っている会社はある商品を開発し販売するための方法を提案します。その商品販売経路は、一般的な小売などを通して店頭に並ぶという販売形態ではありません(併用したりしているケースや、小売店のみを対象としたマルチ商法系の会社もあります)

 通常の販路ではなく、その会社が業務提携している人(会員のことを言います、彼らの業界ではディストリビューターパートナーなどと言います)に委託し、販売を依頼します。会員はその商品を販売する事で、手数料を手に入れることが出来るだけでなく、自身が業務提携をする人を増やし、その人が販売した商品の手数料ももらうことが出来ます(孫会員までなど、規定があります)。ちなみにディストリビューター権のみを販売してもらって、商品は本社直送のタイプとか色々違いがあります。

 あれ、なんか似てそうだとみんなが思うものにネズミ講があります。この違いとしてはネズミ講の場合は利益が出るという会員権(しいて言えばこれが商品)を売りますが、これは金銭目的が明らかな勧誘であり、かつ末端になればなるほど必ず儲けられないため、ある種の詐欺行為となります。そのため明確に違法と定められています。マルチ商法の場合は、あくまでも商品を売る形態となっている事や様々な要件を満たす事を条件として一応合法です。合法ですが…

 まず何が問題か。多くマルチ商法では開始時に多額の費用がかかります。多くのマルチ商法系の初期投資を以前調べた際にまあ数万円から4,50万円程度の初期投資が必要となるケースが多かったです。まず、若者が購入する金額として最大40~50万円ってかなりでかいですよね。
そこで学生ローンなどが利用できますよというアナウンスを行うケースもありますが、そもそも開始時にローンを使ってでも買わないといけないシステムって自体が歪んでますよね…。

 で、他の人を勧誘することで利益が得られるシステムである以上、他の人に対しても数万円の出費を強いることで利益が得られるという事になります。友人らに10万単位の商品を「努力次第では稼げるよ」といって売ること自体、本来は異常ですよね。

 で、努力次第で稼げる自体は嘘ではありませんが必ず稼げるわけではもちろんないというでもあります。マルチ商法で稼ぐ場合、権利収入だけで月々数万円稼ぐだけでもおおよそですが自分からみた孫会員が常に商品を購入するという前提で100人程度は必要になります。自分を軸として100人の人間を会員にすることができれば稼げるということですけど、皆さんそんな時間あります?会員にするためにどんだけ努力しなきゃいけないのよって話ですよね。実際マルチ商法だけでプラスになってる人は上位3%とも言われていますし、1000万円プレイヤーは1%以下ですから、究極の資本主義とも言いかえれますね。それ以外は…です。

 多くのパターンですが、久々に連絡が来た友人や、同僚がマルチ商法を進める場合の流れです。これはあるあるのパターンですが…。大体この流れでした。

①「これはとても良い商品が在る、つかってみない?」
②「つかってみた?どう、とても良い商品じゃない?」
③「これね、とてもオトクなの。広告費とかをかけないで商品開発を真剣にしてるから、その分みんなに還元できるようになってるんだ!」
④「しかもこれ、自分も販売したりしてすすめる事ができるんだよ!」
⑤今度、とっても尊敬できる人が会を開いたりするからおいでよ!私ももちろん説明できるけど、その人がそのすっごい仕組みについて説明してもらえるから!

 ①はまぁいい。②の時点で使ってすぐに効果の違いわかる程のもんだったら、もっとネットニュースとかうんぬんになるだろうって話なんですよね…。で、③ですが実際広告費を使わないでどう作っているか。多くのマルチ系企業の場合、化粧品やサプリ系の大半はOEMで依頼しているので、そんなに質の悪い商品はぶっちゃけなくて、ある程度の品質は保持されています。ただ、大手の企業に比べて研究機関持ってるとかは少ないので、大手に比べて格段に上というのもありません。ていうか、大手企業の開発に向ける熱意、半端ないから。それを知って言ってるのかなあとは思う。
(逆にマルチ最大手のアムウェイとかは自前の研究機関ちゃんともってるし、この点についてある意味では真摯、ビジネスモデルは…?だけど)

 まあ何にせよ④の時点で、ビジネス勧誘確定なんですけどね。もっと前の時点でおかしいとは思いますが、ここまで泳がせておくとしてもここで疑いようのない事実と断定できます。更に⑤ですよ。高額な商品を買わせる過程で、提案している商品について自分ではなく上級会員に説明させる事自体、そもそもおかしいという事だと思いませんか?自分では説明できないから上級の会員(本来、マルチ商法のディストリビューターの間で上下関係はありませんが、売上がすごい人=偉い人になりがちです)から説明をしてもらうって…つまり自分で商品やシステムについて完璧に説明できないから代わりにしてもらってるという事になります。そんな自分でも説明できない状況で、高額なビジネスに身を投じているという事やその状況すらも理解していないという事はかなり危険な事だと思います。

看護師がマルチ商法に狙われる理由とは


 さて、ここまでがマルチの私が考える一般的な問題点です。で、看護師がなんで狙われやすいのかってところなんですよね。私自身の考えであり、誤っていれば浅学ゆえお許しください。概ね4つあると思っています。

①一般的な休日体系と異なる

 まずこれは大きいですね。土日休みではない看護師さんは多いので、平日一人で暇だったりします。となると、他の人と違う生活習慣を送ることになりますが…つまり他の人の意見を聞く間を与えないでそのまま契約までゴールされてしまう可能性があるという事でもあります。

 周囲への相談する状況にもっていけないで遮断される状況というのもある意味では一つの技術であり、判断力低下は契約までもっていかれるを可能性を高める要因です。町中で勧誘されるケースであれば、概ね二人組のカップル風友人関係の人達がやってきたりしますし…。病院であれば、いい話が在るんだけど!みたいな感じで話を始めて、別枠で時間とってきますんで…笑

②看護師は業務内容と給与の乖離に対して不平・不満が強い

 看護師の多くは自分が認められていない、もっと稼げる存在だと思っています。看護師は自己の労働環境がハードすぎると考えている人が多いので、それに対して自分はもっとできるのに、もっと稼げておかしくないのに、という考えになりがちです。自己肯定感が低いっていうことですね。

 人の生死にかかわる職業で、夜勤が多いサービス業的な側面もあるがサービス業ではない特殊な職種という精神擦り減らしの前提条件がありますよね。業務内容の中にはおむつ交換等、お世辞にもきれいとは言えない内容も多いですし…。さらに理不尽な環境で教育を受けてきた事による負の再生産が生まれやすく、結果的に精神的に追い詰められた状態で勤務しているスタッフも少なくはないというのもあります(むしろこっちが主要因。働きにくい環境が多く、忙しいという理由で人に当たる事がこういう負の連鎖を生む)

 そんな中で「もっと稼げる」「こんなにしんどい思いをしているのに!」といった思考パターンに陥ることは無理もありません。さらに若手であれば在るほど、休日すら勉強してきてね、準備してきてねとか言われるので、疲弊しきっている中で…「他の業種はないかな、楽に稼ぎたい!」という思いが募りやすくなります。そのため、ついつい甘い罠にハマりやすい環境ができているというわけです。

 ただ厳しい意見として…3年の専門学校に通う事自体は大変といえば大変ですが、他の高収入企業程のハードルはありません。学力的な敷居の低さはかなりマシな部類だと思います。度重なる理不尽や不条理への忍耐力は求められますけどね…。まあそんな感じの職種の中でも1,2年目で稼げる金額でかいです。自分で起業するとか、株するみたいなリスクも少なく、病院という社会インフラに務めることが出来た上で安定した給与が保証されています。
 勤務する病院によってはみなし公務員になれますが、この形ですっとなれるのは看護師の優位性です。他と比較しにくい状況ですので、看護師の待遇ってそれなりに高いものが在るということは自覚しておきましょうね。

③経済学的な学習をしてきていないのにお金はもってる

 これも看護師にありがちです。②で述べた通り、不平不満は強いですが、お金自体は世間的に見て若手の段階でも十分食っていける仕事となります。で、余裕もあります。奨学金などを返済しなくてもよい場合であれば、貯金はガッポガッポです。
 となると、お金自体はあるのでいろいろ使えますよね。すんなりお金払っちゃえますよね。まずそういう基盤が看護師にはあり、マルチ商法を誘う側もわかった上でやってきます

 そして、看護師の人は経済的な学習をしてきていないケースが多いという問題があります。看護師になる過程で、経済学なんてそんな学びません。学力的な高さを求める方針は現在の看護協会の姿勢からも伝わってはきますが、それでも慢性的な人不足を背景とした入学の敷居の低さは続いており、かつ政治経済すらも学校受験の過程で学ぶ必要はないので、経済についてや危険なビジネスについて知らないことも少なくない、というのが危険度をより一層高めているといえます。先生方も、マルチ商法が怖いというのはわかっていても、何がどう悪いのか説明できないんですよね。なんなら先生方でやった経験のある人すらいてもおかしくないです。

 先にもいいましたが、マルチ商法自体が稼げないものでもないのは事実です。稼ごうと思ったらおっそろしいくらいの時間を割いて、営業をしないといけないという事が確約されているというだけの話です。これって他の営業職と何が違うのって話ですし、社会的なイメージも悪いドアウェイの中でやるスーパーハードモードです。更に、友人らを巻き込むときにはその泥沼に一緒に浸かろうよと言わないといけないのに言わずに勧誘するから問題となるんです。

 でも、怖いのが…マルチのビジネスモデルって一見すると楽に見えるようになってます。実際とは違うようにみえちゃう、隣の芝は青い状態です。これがなぜ危険か、うまくいかない人が多いのかという視点で語れればいいんですが、そういう視点がなく、結果養分となってしまうというわけです。
 マルチ商法の勧誘に来る人は、言い方は悪いですが養分を求めています。あなた方が養分にならないためにも自衛が必要なんです。

 あと、マルチの人がよく言う権利収入。まあ不労所得のことですけど、これ自体が悪いわけではありません。ブログのアフィリエイトなんかもそうです。ただマルチ商法を用いた形での不労所得は、残念なことに泣きを見る人がかならず生まれるので、やめましょうよという話です。

 そもそも、本当に100%儲けられるもの自体が幻です。ビジネスには「絶対」というワードがありません。絶対と思わせることはときには必要ですけどね。そんな稼げる方法があったら人に言いません。よほどの天上人が金儲けの方法を伝えるついでに言うパターンもありますが、それでもその人に利益になるからいうのであって、無償の気持ちで言い広める人なんていないと思ったほうがいいです。
 楽して稼げるという事についても、楽して稼げるように見える人は「楽にできるためのシステム」を作って「鬼のように努力した」事で、結果的に今楽ができているというのが正解です。最初から楽なわけがないんです。
 
それなのに人に対して、人誘うだけで楽に稼げるよって教えてくれるんですよね。親友中の親友でもない人にも教えてくれる。この時点で裏しかありません。
 あなたにビジネスセンスが抜群にあればいいですが、そうでもないのにそんなビジネスチャンスが降ってくる訳がありません。その時点で評価されているのは、良い方向性ではなく悪い方向性(この人だったら入ってくれないかなあ、カモじゃないかなあ)での話なんです。

 あと、看護師ってくっそ忙しいですよね。夜勤あり、残業当たり前、自学自習必須…研修や勉強会も頻発…時間ないんですよね?
 であれば、そんな会員集めるような営業努力がホイホイとできるわけがないんです。となると、稼げませんっていう事は自ずと分かりますよね。

④縦割り社会の中で、先輩から断れない構造に陥りやすい

 ちょっと難し目の話ともいえますが…。看護師はマルチに考えられる、自分で対応できる能力が必要だという割には、医師の指示の下トップダウンで動く事が求められがちです。新人看護師の間は特に、先輩の指導の元でこれやってあれやって、勉強してきてねと言われて育てられていきます。追い詰められると上からの指導に疑問を持てなくなっていきます。

 そうです、縦割り社会です。すごい人に従う構造が作られていきます。
で、そんな中でまだ同期なら断れるとしましょう。先輩からマルチ勧誘されたら断れますか?怖いと思っている先輩の中で一人だけ優しくニコニコとやってきて、さらにそんな甘い言葉があったら断れますか?っていう話です。

 自我もゆるぎ、自信もなくなる環境の中で、甘い蜜を垂らされたら…という事です。断ったらその先輩が厳しくなろうものなら…。唯一のオアシスがなくなるんじゃないかという予期不安にかられるようなものなら…。
 やばいですね、ある意味マインドコントロールです。でも、勧誘する側が本気だせば、それくらいしてきます。

 そんな病院組織であることはマルチ商法サイドも理解しています。だから、大病院にスパイとして潜り込ませれたらあとは芋づる式、ゴキブリホイホイよろしく会員確保が期待できるのでそういう存在を作りたくて躍起になるんですよね。

じゃあ、具体的にはどうやってマルチから逃げればいい?


 これだけ看護師がハマりやすい環境にあるということをいいました。では、具体的にどうやって断るのか。距離を置くかです。まずは自分の心構えから。
①自分にだけ美味しい話がそんな簡単に来るとは思わない。大前提。
②タダや楽という言葉ほど、一番たいへんな結果になると思っておく。
③多額のお金が必要な事について、まず信頼できる人に相談。家族もそうだし、親友もそう。それも難しいなら行政などの情報を一度調べてみる。
④お金は人生では必要だけど、なぜお金を稼ぎたいのかを考え直してみる。
⑤そもそも、営業する時間があるか冷静に考えてみる。

 ①についてはこれまでのとおりですね。②もそう。タダや楽だというものには大抵裏があります。そうなっている事には何かしらの理由があります。その理由もしっかりと分からないで、そういったサービスを受けること自体が、沼にハマる事と同義です。

 で、③。これについてですが…普段の会話で、3,40万円のものを友達に買ったらいいじゃんなんて気軽にすすめますかっていう話ですよね。例えばOMEGAの時計。これはいいものですけど、これを買ったらいいじゃん、資産になるじゃんってそういうノリではなくマジで目をバッキバキにしてすすめますかっていう話ですよ、しかもめちゃめちゃ稼いでいる人でもない若手に対して。
(OMEGAはそこまで価値も下がらないし、ものはたしかに素晴らしいけど、時計がほしいとも言ってない人には言わないですよね自分が買ったりしてないのであれば)
 ましてや、広告をちゃんとしてないから質がいいという説明のものを、そんな多額の金出して買うんかい!っていうツッコミの視点が大切です。

 で、④ですが…お金を稼ぐ事、お金を持つことは人生においてとても大切です。ですが、お金を追いすぎてお金に溺れることは人生において大抵寂しい結果になります。お金を稼ぐために人を傷つけていいのかって事です。
 マルチ商法の会員に仮になったとしたら、他の人を勧誘することが必須です。ということは他の人に40万円使わせるという事です。稼げる可能性があるよという売り言葉で。

 100%稼げる保証があるものはないと私は言いました。つまり相手が失敗する可能性が少しでもあるという事です。仮に利益が出なかった時、あなたは罪の意識は感じませんか?という事です。少しでも怖いし不安だなと思うのなら、自分がそういう当事者にならないためにやめましょう。
 ちなみに、マルチ商法の会員になった人でかつどっぷりとその沼に入っている人たちはそういった意識はなくひたすらに良いものを広めているという認識です。彼らには否定的な言葉は届きません。色々調べて研究して大丈夫だとわかったんですと熱弁されますが、彼らの情報取得方法は、そもそもの認知バイアスが歪み確証バイアスが働いているため、自分の状況において都合の良い情報しか調べなくなっています。否定しようものなら烈火の如く怒り出して議論にはなりません。入りたてクーリングオフチャンスがあるときはすぐに辞めたりできますし、脱会チャンスはありますが。

 確証バイアスの働きは様々な問題につながっています。言い方はあれですけど…これは陰謀論者(これは全ての事象につきものです)、反医学自然療法推進者(反ワクチンや謎のエキスでオーガニックな体をつくり健康維持できると言って薬剤を全て否定する方々のこと)などなど、そういった方たちと一緒の問題構造を抱えているとも言えます。

⑤については今まで書いたとおりです。看護師には時間がないのに、営業できるわけがないよねっていう視点を考えてみてください。

で、断り方。絶縁してもいいなら徹底的に議論してつぶしあいも一つですが…そうではなく角を立てないやり方です

①友人の場合には「友達とはビジネスをしたくないんだ」と伝える。
②先輩の場合には「ビジネスの事は考えられなくて、今は看護のことでいっぱいいっぱいなんです」といい、時間がないことを伝える。
③休日の過ごし方から、看護の資格や別の資格取得のために忙しいと伝えたり、すでにある趣味に夢中でそれどころではないという事も伝える。
④町で勧誘をうけたときは、ビジネスには興味が無いとはっきり伝える。変な声掛けには注意しつつ、誘われてもついていかない。

といった形が一番いいかと…。これは個人的な考えですけどね。ただ、これでも続けて勧誘する先輩らがいれば「大事になってほしくないので、報告したくはないんですが…。ただこれ以上(勧誘が)続くようであればすみませんが、上司に報告させていただきます」とはっきり言いましょう。マルチ商法の勧誘については病院内で禁止されているケースがほとんどです。最後の武器としてこのワードだけは持っておくといいと思います。

 こういう自体になった時、友人とは最悪絶縁も覚悟したほうがいいとは思います。まず、人に金銭的な危害を加える可能性がある存在にその友人は生まれ変わっている状態です。しかも本人がそのことに気づくまで変化を期待することは難しい。
 そんな、人に迷惑をかけてしまう可能性がある友人とあなたは友人関係を続けられるか、という所で関係性を見直す事も必要です。
 自分の周りにそういう人がいると、似た人がよってくる可能性は否定できません。いい思い出が頭を流れていくかもしれませんが、それでも覚悟を決めないといけない時もあることは頭の隅においておいてください。

最後に大事なこと

 さて、まとまりないマルチ商法と看護師の関係性の記事でしたが…
最後に大事なことです。さっきに上げた心構えや断り方を身に着けた上で、まず私達自身がマルチ商法をやっている企業について事前に把握しておくことが大切です。なんでこいつらのために、って思うかもしれませんが自衛のためです。また自分に近い人達がやってるビジネスについてすぐに気づくことが出来るようになれる、これはめっちゃめちゃ大事です。一見すると分からないことも多いのでね。
 で、知らない企業からの勧誘時にもしっかり調べるという習慣づけ。これも大切です。まずは調べる、勢いで踏み込まない。この姿勢です。

 調べれば出てきますが一応有名所だけでも…。アムウェイ、フォーデイズ、ノエビア、ニュースキン、アシュラン
 まあ連鎖取引をやってるやん!っていう会社は日本だけでも500くらいの会社があるとされているので、ぶっちゃけめっちゃめちゃ多いです。商品の是非や勧誘の程度などは企業によって異なります。なので、それほど強固じゃない勧誘のケースもあるあるです。

 またこれらのようなマルチ商法をちゃんとやっている企業はまだしも、マルチ商法を謳っているが実際は商品もまともではないマルチまがい商法(実質的にはネズミ講とみなされるケースもあります)と呼ばれるものも在るので、めっちゃめちゃ罠が張り巡らされています。

 若手の看護師だけでなく、ある程度経験した看護師であっても経済的な見地を持たない事は特段珍しくありません。こういったことに巻き込まれる可能性は常にあります(実際日本では度々マルチ商法ブームがあって、70年代80年代90年代と大きなブームがあっただけでなく、2010年代には若年層狙いのマルチ商法ブームがありました
 失敗して学ぶのも一つですが、できればそうなってほしくないですし…。またそういった方たちに参考になる記事となれたら幸いです。それでは、また。

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