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韓国BL映画「Going South」

主演:キム・ジェヒュン(Kim Jae Heung)、チョン・シンファン(Jeon Shin Hwan)
2012年 45分
いしゃーしゃ的オススメ度:★★☆☆☆
(写真=GaGaOOLaLa公式サイトより)

華流ドラマの合間の”重い”韓国BL映画、最後はイ=ソン・ヒイル監督の「One night and two days」という三部作の一つである本作。やっと一本中国ドラマを完走するめどがついたので、次の記事はそれについて書けるかな。

兵役中に知り合った二人

兵役中に休暇をもらったキム・ジェヒュン演じる軍人ギテは、チョン・シンファン演じる先任だったジュンヨンと車に乗っている。ジュンヨンはギテを基地まで送り届けるつもりだが、途中で寄ったお店でギテはコーヒーを買い、そっと睡眠薬を混ぜたのをジュンヨンに飲ませてしまう。彼が眠ってしまったところで、Uターンし、どこかに連れていく。

蓮の花が咲き乱れる田舎で目を覚ましたジュンヨン、勝手なことをしたギテと大喧嘩になるが、ギテもなぜ自分と会ってくれなかったのかと責める。二人は実は兵役中に秘密の関係になっていたのだが、ジュンヨンにはガールフレンドがいるのであった。

古い洋画と同じタイトルの三部作

ロードムービーのような作りのこの三部作、監督はインタビューで「よく見れば3本共ハッピーエンドだ」と語っているが、私としては本作はちょっと違うと感じた。ジュンヨンはギテと体を重ねるが、結局は自分が同性愛者ではないと確信したのだと思う。結局は兵役中のアバンチュールのようなものだったのだ。これはもし見つかっていたら逮捕されて大変だったと思うが。

前回の記事の「Suddenly, Last Summer」は検索したら同タイトルの洋画が見つかったが、今回もあった。そしてその前の記事の「White Night」も見つかった。ここでは区別するために、洋画のタイトルは日本語で検索すると出てくるため日本語、韓国映画のタイトルは英語で記述する(ややこしいな)。

(1)「白夜」1957年伊仏合作、ルキノ・ヴィスコンティ監督
(2)「去年の夏 突然に」1959年英米合作、ジョーゼフ・L・マンキーウィッツ監督
(3)「ゴーイング・サウス」1978年アメリカ、ジャック・ニコルソン監督

この3本はどれも私は未視聴であるが、あらすじなどを読んでみたところ、あれ?と思った。「去年の・・」は記事にも書いたとおり、洋画とリンクしたのであるが(もちろん私の勝手な考えだが)、「White Night」は(3)に、本作は(1)にリンクするなと感じたのだった。

「白夜」は恋人を待ち続けるナタリアに恋をしてしまうマリオの話だが、ちょうど本作のガールフレンドがいるジョンヨンに恋をしてしまうギテのようだ。そしてひとときだけど、幸福な夢を見せてくれたジョンヨンに感謝するギテは、最後にダンスを踊ったのではないか。

逆に、「ゴーイング・サウス」は馬泥棒の罪で絞首刑に処せられることになったヘンリーを、父が残した金鉱を掘る男手が必要という理由でジュリアという金持ちの女性が結婚することにして助ける。そして喧嘩をしながらもやがて本当の愛が芽生えるストーリーらしい。なんだか打算的に知り合った二人が、衝突しながらも気持ちを通じ合わせていく「White Night」の主人公たちのようだ。

とまあ、全て私の勝手な感想であるが、三作品観てみて、一番気に入ったのは星の数も多くした「Suddenly, Last Summer」かな。一番短いが、暴力的なシーンもないし(この監督のは暴力のシーンが多い)、とても充実したストーリーだった。
でも気持ちを切り替えて、今度は明るい韓国BLを観ることにしよう!

「One night and two days」三部作の他の作品はこちら:

こちらが本作のトレーラー。


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