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【不登校リカバリーCPC】26歳までに育てる力〜内なる親意識を整える①

自己紹介

はじめまして。インナーチャイルドワークとファミリーコンステレーションを基礎として、トラウマの癒しを提供しているハートエデュケーションセンターの代表、川村法子です。

私自身が、トラウマを生き抜いてきた子どもで、うつ、パニック、頭痛、規律性調節障害、冷え性、過敏性腸症候群など、たくさんの自律神経の問題を抱えてきました。今では、そのどれもがなくなっていますが、それは、適切なトラウマ療法を受け、学んできたからだと自覚しています。インナーチャイルドワークは、日本では誤解も生じていますので、noteの中で、その辺りのことも語っていきますね。今回の内容も、その一助となれば幸いです。

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内なる親意識とは何か

今回のタイトル「内なる親意識」とは、私たちの無意識に存在する、私たちの人生をリードする“親のような意識”のことで、“インナーペアレンツ”とも言います。シンプルに言えば、この「内なる親意識」がどんな状態かが、その人の人生をよくするかどうかの鍵となります。

例えば、幼い頃、親が感情の起伏が激しく、すぐに怒鳴ったり、暴力をふるったりしていると、その親の激しい意識状態が、子どもの「内なる親意識」になってしまいます。もちろん、そこには激しさだけじゃなくて、罪悪感とか、自己否定とか、恐れとか、様々なネガティブ要素が混在しているはずです。

大人の私たちは、「そんなのよくない」「やめた方がいい!」とシンプルに思うことができるのですが、まだ、自我が確立していない子どもは、どんな状態でも、親の状態をそのままインプットしてしまいます。そして、結果的に、子どもの人生はその「内なる親意識」に支配されていってしまいます。

セラピーとは、私たちが親から受け継いだ、そんな不健全な「内なる親意識」を解体して、健全なものに変えていく作業のことです。つまり、癒しというのは、気持ちよくなることでも、いい人になる訓練でもなく、過去を解体していく、結構な骨の折れる作業なわけです。

さて、今回は、娘の成長と変化について、「内なる親意識」という視点で、お話ししていきたいと思います。

たかが部活、されど部活・・・

この春、大学に進学する娘は、高校3年間、演劇部に所属していました。演技は、決して上手とは言えないのですが、大きな声を出して、人前で表現をするということが、娘の心身の成長を促してきたことを思えば、演劇部に入ったことは、大正解だったと思います。

そして、何よりも、本人が、仲間が大好きで、部活に勤しんでいる姿が、私にはとても眩しく映ってきました。

私が娘と同じ歳の頃は、部活なんてできる精神状態ではありませんでした。体力もありませんでしたし、先輩や後輩と関わって面倒なことが起こるのは何より負担だったので、中学、高校は、ずっと帰宅部。

ですから、はつらつとして、部活動に積極的に関わる娘の姿には、本当に驚かされました。世代間連鎖という意味では、それまで私が受けてきたセラピーの恩恵によって、私の暗く辛い思春期を、娘に連鎖させないことに成功したのかもしれません。

さて、どこでもあることかと思いますが、部活の顧問の言動がよろしくないという問題が、娘が所属していた演劇部の中でも浮上してきました。顧問の言動のせいで、部活をやめた部員もいるし、悩んでいた部員もいたようです。

当時は、娘も部活から帰宅するなり、「腹立った!」「ムカついた!」と、顧問を愚痴ることもしばしば。「こういうことって、人の世の常だな…。」と、私も学生時代、会社員時代を思い出していました。

思えば、部活から、人間関係の問題って、強烈に私たちに突きつけられているのだと思います。上に書いたように、当時の私は、到底乗り越えられると思っていなかったので、学生時代は濃いめの人間関係から逃げましたが、会社員時代は、ストレスでうつを発症し、体調も崩して入院し、結果、3年で最初の会社を退職しました。

私は、この人間関係の乗り越え方を知らないまま、大人になってしまったとも言えるわけで、そんな私が、どうやって、娘に部活の人間関係のアドバイスできるというのか・・・と思われるかもしれません。

そこは、大人になって様々に鍛えられた経験が、役に立ちました(笑)!

そして、やっぱり、セラピーは学んでいてよかったと心底感じました。もし、学んでいなければ、私は、娘と同じように、または、それ以上に悩んだり、苦しんだりして、結果、娘が部活を辞めるということもあったかもしれません。

親御さんの中には、お子さんの悩みに、同じくらい感情を持っていかれて、不安になって、悩んでしまう人も、結構いるのではないでしょうか。実は、その状態は、子どもたちを助けません。

具体性のあるアドバイス

当時、部長をしていた娘に、ある時、2人の後輩から直接相談がありました。2人共、顧問が嫌で部活をやめたいと思っているようでした。

実は、その数ヶ月前に、同じ学年で部の中心的存在だった娘の友人が、同じ理由で退部していて、娘は心底ショックを受けたばかりでした。ですから、娘は、同じことを2度と繰り返したくないと思って、帰ってくるなり、その話を、真剣に私と夫にしてくれました。

そして、私たち夫婦が、真剣に話を聞いて、出てきたアドバイスは、以下・・・。

  • これは、もはや、生徒が対応できる問題ではない

  • 誰か事情がわかる学校内の教師に相談すべき

  • 1人で背負わず、必ず、同学年の味方を持つ

  • 顧問はこの問題の当該者になるので、担任か副顧問に相談してみる

  • 勝手に相談すると、話してくれた部員の信頼を損なうかもしれないから、事前に担任と副顧問に相談してもいいか確認をする

  • 確認が取れたら、まずは、担任に相談して、様子をみる

  • その後、副顧問にも相談をする

長年会社勤めで、社員同士のあれこれの課題を見てきた夫は、コミュニケーションの仕方や立ち回り方について話していました。私も、心についての理解を添えて助言をし、これからの事の展開をいくつか想定しつつ、親子で深夜まで語り合いました。

そして、翌日、娘は自分の行動を決めて、1つ1つ事を進めていきました。

結果的に、担任も副顧問も、親身になって対応してくれました。特に、在籍年数の長い副顧問は、この問題は非常に大きなことなので、職員会議で、教師としての言葉遣いや態度について全体に投げかけて、その後、直接当該教師と、部活について話をすると言ってくれたようです。

この非常に頼もしく具体的な動きに、娘は、かなりホッとして、帰宅しました。(副顧問は、学校ではかなり力のある人でした。)

この報告を受けて、夫も私も、「すごい!」「よくやった!」「さすが!」と、声をあげて喜び、娘の行動を褒めちぎりました(笑)。

結果ではなくプロセス

たくさん悩んできた部活ですが、仲間とつながりながら、信頼する別の大人(教師)のサポートを受け、娘はなんとか問題を乗り越えていきました。

そんな娘の姿を見ながら、問題は解決されることだけが正しいわけじゃないのだと、しみじみこのプロセスを振り返りました。

つまり、問題が生じた時に、一人で抱え込んだり、追い詰められたりするのではなく、信頼できる人に相談し、楽に呼吸ができる状態を、自分自身で選択できたことが、何より大切だということです。

娘の行動が、直接的に顧問を変えたわけではなくても、娘が自分で自分の居場所を守ることができたことは、本人の自信になったのがわかりました。その後、本人の様子が、より溌剌として、自信にあふれ、また、大人になったように見えました。

思春期は26歳まで

皆さんは、思春期に、相談できて、親身になってくれる親や教師はいましたか?いたとしたら、それは、とてもラッキーなことだと思います。

インナーチャイルドワークの父、ジョン・ブラッドショーは「思春期は26歳まで」と伝えていますが、それは、今、脳科学の分野でも、前頭葉が発達する年齢として知られています。

前頭葉とは、物事を思考したり、判断したりする、人間を人間たらしめる脳の部位です。この部位の発達が未熟なままだと、集中力が保てなかったり、コミュニケーションが難しくなったり、ちょっとしたことでキレたりということが生じてしまいます。

つまり、26歳という前頭葉の発達の1つの臨界点までは、思考や判断は、未熟だとも言えるわけです。ですから、高校生、いや、大学生になっても、社会人であったとしても、26歳頃までは、思考や判断について、大人のサポートが必要と言えます。

当然ながら、年齢によってサポートの仕方は変わると思いますし、サポートする相手も、親から教師、仲間、先輩、恋人・・・と変わるはずです。

思春期までに、最も悩むであろう、人間関係について、私たちは、愛ある適切なサポートを受けただろうかと、一度、自分に問いかけてみると、何か発見があるかもしれません。

注:2022/11/4 配信コラムをリライト

【不登校リカバリーCPC】26歳までに育てる力〜内なる親意識を整える②へ続く


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