ファミリーコンステレーション〜人生の答えのすべては家族にある
自己紹介
トラウマの癒しを提供するハートエデュケーションセンター代表、川村法子です。今現在の私を知っている人は信じられないと言いますが、かつて私は複雑性PTSDを発症していた、トラウマサバイバーです。
ちなみに、逆境的小児期体験スコアは4というハイスコアの部類。ACEsについての詳細は公式サイトのこちらのページをチェックしてください。TikTokでも解説していますよ。
ファミリーコンステレーションとは
ファミリーという言葉は馴染み深くても、コンステレーションという言葉は日本ではあまり聞きません。
コンステレーションとは、星座の「座」の部分を意味する言葉で、難しく言えば「附置」とも言い換えられます。
星座って、地上から人が勝手に形を見つけて、〇〇座と呼んでいるものですね。
その〇〇座を構成する各星たちは、それぞれの場所に、それぞれの距離感を持って存在しています。
そして、その各星たちの関係(附置)がどんなものであったとしても、一つの形を見せてくれている。
これが星座なのです。
そして、実は、家族もこれと同じで、各メンバーがそれぞれに関わりながら、一つの共同体を作っているという考え方があります。
このことを、家族システムと呼びます。心理学に馴染みのある人は、聞いたことがあると思います。
アメリカ人の精神科医マレー・ボーエン(1913-1990)は、精神病の子どものことで相談に来た家族全員を精神科に入院させたと言われています。
つまり病んでいるのは子どもではなくて、家族全体なのです。
このことから、家族とは、単なる血のつながったメンバーの集まりであるだけではなく、システムとして互いに影響を与え合っているという考え方が、家族療法の基本です。
家族システムとは、このことを示す言葉です。
愛はバイオロジカルである
ファミリーコンステレーションは、家族システムのもつれを解いていく、実践的なワークです。
観念的に「こういうことが起こっているから、こうした方がいい」というようなアドバイスがなされるものではなく、実際に、ワークの現場では、もつれを解きます。
言語を使うこともありますが、非言語的な感覚を優位にして行う、非常にダイナミックなエネルギーの場です。
つまり自然な法則に従う、ヒーリングと言えます。
※言葉で書いても、なかなか伝えきれないのがもどかしいのですが、私なりに精一杯書いてみました。
バート・へリンガーは、元々はカトリックの神父でした。当然ながら、神学を極めた人ですが、途中で宗教としてのキリスト教を離れ、ファミリーコンステレーションの普及に力を注ぐようになります。
神父を辞めた後は結婚もしていますし、途中離婚をして、再婚もしています。
そして、彼は言うのです。
「愛はバイオロジカルである」と。
私たちが、誰かと性的な関係を持つ時、また、子どもを産むとき、そこにバイオロジカルな関係、つまり、生物的な肉体関係が生まれます。
これが、「愛はバイオロジカル」という意味です。
その意味で、家族とは、凄まじくバイオロジカルな愛で作られた共同体なのです。
家族システムの影響は避けられない
人生にはさまざまな問題が生じます。
自分で避けられるものもありますが、避けられないものもあります。
生まれ持ったものもありますし、自分以外の家族の宿命みたいなものも、自分では避けられません。
ですが、その自分では避けられないあらゆる問題が、家族システムに影響を受けているということが、ファミリーコンステレーションでわかります。
ここまで何度も問題という言葉で説明してきましたが、実際には問題という言葉は、適切な表現ではありません。
都合のいいことも悪いことも、実際には家族システムのもつれの結果ではあっても、問題ではありません。
問題のように見えるだけです。
そして、その家族システムのもつれの結果は、間違った愛に従うことで生じます。
言葉の通り、それは本当は愛ではないものなのですが、無意識では「これが正しい!」「これこそが愛だ!」と思っている、強い思い込みのことです。
無意識ということが、非常に厄介です。
本人は、意識ではそう思っていないからです。
どうして、そんな意識できないものの影響を受けるのかといえば、それは、家族システムが、バイオロジカルで強烈な愛によって結びついていて、自分の意志では避けられない力動だからです。
ですが、考えてみてください。
どれほど、その思い込みが強烈で、自分では避けられない力動に沿っていたとしても、また、それによって生じる結果が残念なことであったとしても、家族に向けられるものが愛であることには変わりないのです。
これがとても大事なファミリーコンステレーションの基本です。
さまざまな力動
さて、新しい用語が出てきました。
力が動くと書いて、力動です。
家族システムという共同体の中で働く力のことです。
皆さんは、自分がどんな家族システムの力動に影響を受けているかわかりますか?
確認しておきますが、これは、非常に強烈なので、簡単には避けられないものです。
ファミリーコンステレーションを行うと、次のようなことにも、家族システムのある力動が関係していることが明確にわかります。
いくつか違った分野のことを挙げてみます。
▶︎避けられない子どもの病気や障害が起こる家族システムの力動
▶︎年上の男性とばかり付き合って、不倫関係になってしまうことが多い女性の家族システムの力動
▶︎心と体の性の不一致が生じる男性の家族システムの力動
▶︎癌になってしまう人の家族システムの力動
▶︎てんかんや統合失調を患う人の家族システムの力動
少し事例を上げただけでも、病気や体のこと、心のあり方、関係性など、人生の多岐に渡って、家族システムが影響しているとわかります。
実は、これ以外にも、様々なことに影響を及ぼす家族システムの力動が存在します。
解決すること、しないこと
というわけで、実は、人生の悩みのほとんどは、家族システムを見ていくことで原因がわかり、人生が楽になっていきます。
ファミリーコンステレーションを受ける上で、わかっておく必要があることがあります。
それは、家族システムのもつれを解いた後に、実際に解決することもあるし、解決しないこともあるということです。
わかりやすい事例としては、生まれ持った障害や心と体の性の不一致、病気があります。
当然ながら、生まれ持った障害は、ファミリーコンステレーションで治すことはできません。
また、心と体の性の不一致は、問題というよりも、その人の個性であると言えますし、解決する必要はありません。
それぞれがハッピーに、自分の心と体を精一杯生きていくことができれば十分です。
ですが、本人や家族がそのことに罪悪感や恥を持っていたら、ありのままの自分で生きることに苦しみが伴います。
ファミリーコンステレーションは、その罪悪感や恥を解消し、本人がありのままに自分を生きることをサポートします。
実際に私が海外で参加したファミリーコンステレーションのトレーニングでは、心と体の性の不一致に悩む当事者が、罪悪感や恥からフリーになって、自分のありのままを生きる心を持ち直した姿を目撃しました。
それは、とても感動的で、会場にいた全員が涙で、その瞬間を見守りました。
また、病気については、実は、解決に至るパターンと、至らないパターンがあります。
当然ながら、その症状の末期であれば、難しいこともあります。
ですが、十分に症状の解決に間に合う時期であれば、自然と症状がなくなるということもあります。
どんな場合であっても、ファミリーコンステレーションは、私たちを、家族システムのもつれからフリーにし、ありのままの自分を生きることをサポートしてくれます。
さらに詳しく知りたい方は、ハートエデュケーションセンターの公式ページから、メニュー/資料室/癒しのガイダンスをクリックして、気になる項目をチェックしてみてくださいね。以下の画像をクリックすると、直接該当ページに飛びます。
次回は、私自身の体験談も書いていきますね。
読んでくださって、ありがとうございました。
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