おかげ犬
江戸時代ものすごいお伊勢参りブームだったのですが、人間以外にもお参りをする動物がいました。
それは『犬』です!
伊勢参りをする犬を
『おかげ犬』と呼び
首に巻いたしめ縄に、路銀を入れた巾着を付け
「伊勢参りをする」と書いた紙をくくりつけて
伊勢まで旅をしていたのです。
なぜ犬がお伊勢参りをしたかというと
病気や歳で伊勢まで行くのが
困難な主人の代わりに
他の人と一緒に連れて行ってもらうい
自分の代わりにお参りしてもらうため
という理由でした。
そのため「おかげ犬」は
同じ伊勢を目指す人と並んで歩いているのが
本来の有り様でした。
しかし、
伊勢参りが大ブームになった
1700年後半
1771年に伊勢神宮の上方から
犬が単独で参宮したという話が舞い込んできたのです。
フィクションかと思いますよね。
しかし当時は、犬は四つ足の獣で、
穢れた存在とも言われていたため、
当然宮司さんたちも宮中に犬が立ち入ることを
固く禁じていました。
ただ、その犬に限っては
あまりにも丁寧な佇まいであったため
これを見た宮司は犬を労り抱えて、
お祓いした後お札を付けて放してあげたとされています。
放してもらった後、その犬は
伊勢神宮の外宮へ赴き手洗場で水を飲み、
本宮前の広場で伏せをし、
本当に拝礼するかのような格好をしたと言われています。
伊勢神宮へとたどり着いた
「おかげ犬」は、伊勢神宮の宮司さんから竹筒に入ったお札を貰い、
再び色々な人から助けてもらいながら、
ご主人の元まで無事に帰ったと言われています。
お伊勢参りに行く人を助ける善意は徳が積める話は
前回しましたよね?
その対象は人間だけではなく犬もだったそうで
おかげ犬も色々な人に助けられて
伊勢神宮を参りご主人の元へと帰ることができたのでしょう。
江戸時代にどれだけの「おかげ犬」が誕生したかは分かりませんが、
、江戸時代の浮世絵師である歌川広重の
【伊勢参宮宮川渡しの図】や【東海道五十三次 四日市】には
所々にしめ縄をつけた犬が描かれています。
多分この犬こそ『おかげ犬』なのでは
ないでしょうか?
おかげ犬については有名な実話があります。
秋田犬シロというわんこのお話です。
いや〜
本当にすごいですね。
優れた帰巣本能がある犬だからこそできたお話です。
猫だったらどうだったのでしょうか笑
猫も一応帰巣本能あるんですけどね。
現在伊勢では
『おかげ犬サブレ』など
おかげ犬をモチーフにしたお土産も売っています。
地元で商売しているからわかっていることですが
おかげ犬サブレを製造販売しているのは
『赤福』です笑
日持ちするお菓子なので
ぜひ会社の人たち用のお土産に!