子どもを育てるメリットとデメリット
私には今、大学生の娘と高校生の息子がいる。
公務員を昨年辞めたので、子どもたちが幼かった頃は育休を取って、復帰して、育児短時間勤務、部分休業、あらゆる制度を利用してワーママをしていた。
はっきり言って、大変だった。
復帰してからは、出勤時間までに子どもを保育園に送らなければならないし、子どもが体調を崩せば、保育園からお迎え依頼の電話がかかってくる。
小学生になったらなったで、下校時間は早いわ夏休みはあるわで、敷地内同居(田舎によくある同じ敷地内に親世帯と子世帯の家が2軒建っている状態)している義父母たちにお世話を頼まなければ到底生活が回らず、何かと気を遣った(学童はあるにはあったが、田舎ゆえ当時は利用する人が少なく、義父母が面倒をみてくれるということで、頼ることになった)。
中学生になれば、塾の送迎やら部活の送迎やら、田舎ゆえに親のサポートが必要で、運転ばかりしていた気がする。
教育にはお金がかかるし、自分の時間はほとんどない。
子育て、ハードだぜ!状態だった。
子どもを育てることをメリットデメリットという視点で考えたことがなかったが、自分の時間を大切にしたいという視点に立って見るならば、デメリットしかないだろう。
お金はかかるし、自分の時間はほぼ子どもに捧げることになるし、体力もいる。
しかし、メリットデメリットという考え方を超越した幸せが、そこにはある。確実に。
これは、経験しなければ絶対にわからない。
何事も経験しなければわからない。
私は22歳の時に、潰瘍性大腸炎という難病になり、薬を一生飲み続けてください宣言をされた(幸い軽症です)。
無事出産できたが、薬を飲んでいる以上、母乳よりミルクで育てた方が良いと言われ、密かに泣いた(あまり母乳は出なかったので、どちみちミルクで育てなければならなかったのだけど)。
そんな状態の時に、ひとり目が娘だったため、義母には、「男の子を産むまでがんばったらいい」と言われた。
私の夫は田舎の長男。
田舎の戦前生まれの義母の価値観では、家を継いでくれる男子を嫁に産んでほしいと思い、なにも考えず素直に口に出しただけだろう。
腹が立つというより、私が難病持ちであることをすっかり忘れているのだな、と思った(義母の名誉のために付け加えると、娘のこともとてもかわいがってくれています)。
義父母が目と鼻の先にいる生活は、それほど接点がなかったとしても、完全に離れて生活しているよりはなんとなく緊張感がある。
いきなりやってくるしね(一応呼び鈴は鳴らしてくれる)。
だから、ひとつ屋根の下に住んでいる方々は、本当に尊敬する。
話がそれてしまったが。
とにかく、子育ても病気も義父母との付き合いも、経験しなければわからない、ということだ。
そして私は、子育てを頑張っている私も、病気と付き合っている私も、義父母と敷地内同居している私も、全部金メダルだと思っている。
世の中の頑張っている人たちは、みんな、金メダルだ。
子どもを育てることのメリットをあえて言うならば、人としての器が深く大きくなることだろう。
様々な困難を経験すればするほど、視野は広がり、人としての器が大きくなる。
そういうものだと思う。
そう、思いたい。
この記事を書くにあたり、きっかけを下さった小市民さんに感謝です。