JR大阪駅に立ち現れたデヴィッド・ボウイ
ちょっと不味い、理髪店の待機時間による(厳密に言えばパーマの薬品が髪に浸透するのを待つ時間の)終末のような退屈さに、脳が起動を始めた。書くというピュアな能動的行為によって報酬を覚えるように脳内回路がリセットされた。会計を終え街に出、ぼくは何処へでもなく走り出した。天啓のようにデヴィッド・ボウイの「スターダスト」が頭蓋のなかを駆け回る。存在の弱さを受容した男の賛美歌が光の起伏をなして網膜に立ち現れる。JR大阪駅近傍を立ち並ぶ建造物が夜の大気に光を撒き散らす。その光は網膜のデヴィ