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もういくつ寝ると、

好きな人からアドベントカレンダーをもらった。

アドベントカレンダー。平べったい箱に12月1日から24日まで、毎日一つずつ小さな数字付きの扉がついていて、その日の扉を開けるとチョコレートが入っている、というもの。毎日扉を開けてチョコレートを食べつつ、クリスマスが1日ずつ近づいてくるのを楽しむものだ。最近は日本でもお馴染みになってきているらしい。ドイツでは11月になるや否や、スーパーマーケットやドラッグストアで一斉に販売され始めた。小さな板チョコタイプから大きめなチョコが入っている巨大なタイプまで、色々な種類のアドベントカレンダーが売られている。
わたしがもらったのは、多分標準的なタイプ。B4くらいの大きさの薄い箱に、サンタクロースとトナカイ、雪の中で遊ぶ子どもたちが描かれている。
12月に入ってから、毎日一つずつアドベントカレンダーを開いている。今日は12月7日だったので、「7」の扉を開けた。
チョコレートは、平べったいけれど毎日クリスマスにちなんだ色々な形のものが出てくる。サンタクロース、キャンドル、雪だるま、プレゼント・・・チョコレートを取り出すと、その向こう側にも小さなイラストが描かれていて芸が細かいな〜、と感心する。

日本人にとってすでに馴染み深いクリスマスだけれど、それでもやっぱりわたしはクリスマスよりも大晦日やお正月の方が好きだ。
なんとなく、性に合っているのだと思う。おしゃれをしてイルミネーションを見に行ったり小洒落たレストランでディナーへ行くよりも、あたたかい服でブランケットを羽織って、こたつでだらだらとミカンやおかきを食べながら紅白を見ている方が。
全くと言っていいほどホームシックにならないわたしだけれど、寒さが増してきた今、無性にこたつとミカンが恋しい。なぜ日本よりも寒さの厳しい土地なのに、ドイツにはこたつがないのだろうか?こたつほど暖かくて、冬にぴったりの装置はないと思うのだけれど。そもそも床に座るという発想があまりないからだろうか?でも最近は椅子型のこたつもある。早くドイツにもこたつが普及すればいいのにと思う。


アドベントカレンダーに話を戻そう。
ドイツもといヨーロッパでは、クリスマスが日本でいうお正月と同じような過ごし方をする。クリスマスにはどこのお店も休みなって、みんな実家に帰省して家族と過ごす、という具合。ちなみにお正月はそのまま家族で過ごす人もいれば、友達と過ごすという人も多いようだ。
もういくつ寝るとお正月、という歌があるけれど、多分こちらの人たちにとっては「お正月」の部分が「クリスマス」になるのだろうな、と思う。
年に一度、家族で集まってあたたかい部屋で過ごす休日。
日本のおせち料理とお雑煮のように、クリスマスに食べるものも決まっているらしい。カモ肉や、クヌーデルというジャガイモを丸めた料理がクリスマス用の伝統料理なのだそう。文化は違ってもお祝いの仕方は似ているんだな、と思う。そしてそういう状況を聞くと、日本では恋人たちが過ごすという印象が強い日本のクリスマスよりも、こちらのクリスマスは素敵だなと思う。

アドベントカレンダーは24日まで。
24日になって全ての扉を開け終えたら、家族と過ごす素敵なクリスマスが待っているよ、ということなのだろう。
それに比べて日本ではアドベントカレンダーみたいにお正月までをカウントダウンするものってないな、と気がついた。どちらかといえば日本のお正月までの過ごし方は、12月の最終週辺りになって仕事納めのあと、大掃除しなきゃ!とバタバタして、お正月の用意しなきゃ!とまたバタバタして、30日あるいは31日になってようやく落ち着いてゆっくりこたつに入る、という感じだろうか。
ドイツ人もクリスマス前には大掃除やクリスマスの用意でバタバタしているのだろうか?興味があるので、クリスマスの一週間前になったら様子を観察してみようと思う。


ちなみにクリスマス・イブとクリスマスはアルバイト先が休みなのに加え好きな人は実家に帰るというので、日本人の友人とお鍋をする予定になっている。どうやら日本にいた時と変わらないクリスマス・イブを過ごすことになりそうです。