知っていると分かっている、この違いはなんだろう?
君は今日、何を知っただろうか。
ニュースを見たり、本を読んだり、学校で先生の話を聞いたり。
君は、知っていることもどんどん増えていくだろうけど、知っているだけじゃだめなことがある。
今日は、知っている、と分かる、の違いについて話してみたいと思う。
難しい話にならないように、たとえ話をしよう。
君は、体育の授業や運動会でラジオ体操をしたことがあるだろう。
みんな、ラジオ体操ときいたら、手を広げたり、屈伸したり、ぴょんぴょん飛ぶ動作をイメージするはずだ。
君も音楽が流れたら、自然と体が動くんじゃないかな?
でも、ラジオ体操って日本のものだから、アメリカや中国の子がみたら、「なんだこの動き」ってなるんだよ。
日本のこどもたちは、ずっとやっているから、ラジオ体操を「知っている」し、リズムに合わせて動くことができる。
でも、アメリカや中国、海外のこどもたちはラジオ体操を見たことも聞いたこともないから「知らない」。
だから、音楽がなっても、どう体を動かしたらいいか分からないんだよね。
「知らない」と「知っている」の間には、見たことがあるかないか、聞いたことがあるかないか、という経験の差があるんだね。
じゃあ、君は、ラジオ体操を「知っている」こどもだとして、「知らない」アメリカの子に、ひとつひとつの動作の意味を伝えることはできるかい?
なんで手を伸ばすのか、なんのためにひざを曲げるのか、伝えるのは難しいんじゃないだろうか。
ちゃんと分かってもらえるようにお話しする自信はあるかな?
なぜこんな話をするのかというと、ほとんどの人は、ただなんとなく、動き方を「知っている」ラジオ体操を、リズムに合わせて動いているだけなんだ。
でも、ひざを曲げるとき、手を伸ばすとき、どうしてこんな動作するんだろうって考えてみてごらん。
ひざを曲げるのは、こんな理由があるから。
手をここで伸ばすのは、このためだ、って。
自分のなかで答えを見つけたら、動き方を「知っている」ラジオ体操から、動きの意味が「分かる」ラジオ体操に変わっていくんだよ。
君には、ただ「知っている」だけじゃなく、ちゃんと「分かる」人になってほしいと思っている。
なぜかというと、知っているだけでは正しいか正しくないか、判断ができないからだ。
でも分かっていれば、正しいか正しくないか、ちゃんと判断できる人になれるんだよ。
自分の人生なんだから、お父さんやお母さん、周りの大人の言っていることをそのまま鵜呑みにして、言うことを聞くロボットにはなりたくないよね。
わかる人になることで、自分で自分の人生を決めていくことができる。
君には、ロボットなんかじゃなくて、考えて行動できる、人間になってほしい。心からそう願っているよ。
君が、わかる人になるためには、日頃から、「なんで」と疑問に思う気持ちを忘れないでほしいんだ。
そして、なんで、と思ったことに対して、答えを見つける努力をしてほしい。
答えを見つける努力というのはね、調べたり、実際に体験してみたりすることだ。そうすると、なんで?の答えが見つかるはずだよ。
お父さんやお母さんに、毎日、いろんなことに「なんで?」と聞く。そんな無邪気で純粋な心をいつまでも大切にしてね。
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