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雪国の暮らし 〜気になるブーツの話〜
地元北海道に戻ってきて、約1年半。2度目の冬を迎えた。
東京に住み始めた頃は、東京の冬の感覚についていけず苦労した。
例えばブーツをなぜ履くのか。
北海道ではブーツを履きたいから履くのではない。
必然なのだ。
雪の中、とてもじゃないけどパンプスやスニーカーで過ごせない。
でも関東は雪や寒さから身を守るためではなく”おしゃれ”として履くのだ。
最初はよく理解できなかった。
必然ではない”おしゃれ”とは何なのか。
秋頃になってくるとチラホラとトレンチコートにブーツを合わせる人たちが出てくる。
確かに素敵ではあるけど、別にブーツじゃなくても良いじゃないか。足は蒸れるし、臭くなるし、おしゃれ以外のメリットがないのになぜ人はブーツを履くのだろう。
そしてこの人たちはどうやって履くタイミングを図っているのだろう。
例えば気温15度を下回る日が出てきたからなのか。
それとも11月になったらよーいどんでスタートなのか。
わからない、、
そんな田舎者の私には仲の良い先輩がいる。
その先輩はまさに関東出身、関東育ちの方で当たり前のようにブーツを履きこなしている。
しかも履く時期が早い。
9月にはショートブーツを履き始めている。
ある日先輩に聞いてみた。
『先輩はなんでブーツを履くんですか?しかも履くのめっちゃ早くないですか?』
『なんでと言っても、関東は流行の先端だからね。ほら、冬後半にはすぐに春物でしょ。秋物はまだまだ暑い時期から売り始めるし、とにかく先取りしていることがおしゃれなのよ。』
な、なるほど、、、!
関東の人はおしゃれ=先取りなのだ。
だから関東からするとそんな寒くなくてもブーツは冬のマストアイテムとして履き始めるし、まだ寒い3月でもパステルカラーの服を着始める。
そういえば、、と思って地元の人を良く観察するともう雪もチラチラしている時期でもまだスニーカーや薄手のブルゾンを着ている人の多いこと。
関東の先取りが実際におしゃれなのかどうかは置いておいて、流行に関する敏感度の一例がブーツだったというわけだ。
私は先輩の話を聞いてから妙に納得し、ブーツはいつの間にか自然に取り入れられるようになっていった。
まぁそんな試行錯誤も雪国に暮らしていればどうでも良いことで、今日も私はブーツを履いてマイナスの世界を歩いている。
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